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久しぶりの散財らしい散財で──と言いつつこの夏にはSEL2470GM2を買ってるんですが──Apple Watch Ultraをいつもの24回ローンで買ってみました。さいきんアップル公式はPaidy推しで、iMac時代から長年連れ添ったオリコにあっさり見切りをつけているんですが、それだと3回払いしか選べないし、かといって24回払いが選べる携帯キャリアは価格設定が割高。ゆえに購入に二の足を踏んでおりました。

なぜApple Watch Ultraが欲しかったのか


いま使っているiPhone 12 miniが契約から2年経ち、そろそろ買い替えタイミングではあるものの、円安だとかLightning継続だとかで、機種変は今じゃなく来年あたりというのがひとつ。

iPadも、昨年買ったiPad mini(第6世代)でしばらくいけそう。MacBook Proも、15インチのバッテリー膨張が気になるものの、13インチがまだ使える。

問題はApple Watchです。4年近く愛用したApple Watch Series 4のバッテリーが限界なうえ、ディスプレイも割れてしまってバキバキ。スペック的にはまだ現役ながら、バッテリーとディスプレイの交換で非公式でも3万円以上はかかりそう。

選択肢は4つ。
・Apple Watch 4を修理する(3万円)
・Apple Watch 8を購入する(セルラー版: 8万円〜)
・Apple Watch Ultraを購入する(12.5万円)
・Apple Watchをやめる(0円)

やめることも考えましたし、実際この夏はプロトレックを引っ張り出してきてシュノーケリングに使っていました。ただ、単独で通話・通信・決済ができるApple Watchのアドバンテージは捨てがたく。

たとえば海で遭難したり事故に巻き込まれたりしても、iPhoneを取り出すことなくSOSが発信できます。また、(ほとんどのアプリで切っていますけど)通知が手首に振動で届くため大事なお知らせを逃しませんし、心拍数・心電図・血中酸素濃度・体温・睡眠計といった各種健康モニターは壮年世代にありがたい。Ultraは重さとデカさが気になるもののガチのダイバーズウォッチほどでもなく、かえって画面の大きさとバッテリーのもちの良さがメリットとして活きてきます。

懸念はオレンジの差し色と価格


欲をいえば、iPhone 14 Proシリーズに内蔵された衛星通信メッセンジャー機能もあればサイコーだったんですが、日本ではサービスインしていないし、Apple Watch単独で採用されるのにはまだ数年かかるなと見越せば、いまUltraを買っても無駄ではないなと感じたのです。

デザイン面では、オレンジの差し色が野暮ったいケースと、脱着が面倒なうえパソコンのパームレストに干渉しそうな新バンド類が、お世辞にも良いとは言えませんが、初代から代わり映えしないSeries 8(セルラー版)を8万円で買うなら、いっそ初モノのUltraがいい気がする。なんだか、初代トリプルセンサーを買ったときと同じ気持ち。

とはいえ、先立つものがありません。なんせアップル公式は3回払いだし、キャリアは割高。どうせ、あのUltraは酸っぱい!

とすねていたところへ、長年お世話になったオリコから「うちならアップル公式から無金利で24回払いが選べまっせ」とのDMが届き、がぜん前向きに検討したのでした。

悩ましいUltra用バンド選び


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次に頭にもたげてくるのが、どの種類の、どのカラーのバンドを選ぶか、です。

もっとも軽快そうで、もっとも脱着しやすそうで、パームレストにも干渉しなさそうなグレイトトレイルループは人気なのか納期が長め。また、従来のスポーツループからさほど大きく変わらない構造にもかかわらず、他の新作バンドと同じ1.5万円もするのが解せません。ついでにいうと、ここ数年公式スポーツループで採用されているマルチカラーが苦手。

だとすれば、アルパインループかオーシャンバンドか。

沖縄生活ではほぼ毎日シュノーケリングを楽しんでいるため、オーシャンバンドが気になるところではありますが、銀座のアップルストアで試着してみたところ、どうも脱着がもたつくし、こいつだけ重量がかなりある。

となれば、Ultraのテーマバンド(?)で、登山ムードたっぷりのアルパインループしかありません。さいわい登山も趣味のひとつです。

で、カラーは何にするか。

Ultra全体のテーマカラーのオレンジは、ボディ差し色とも相まってもっとも自然ではありますが、基本的にモノトーンコーデが多い私にはチープすぎるというか、派手すぎます。ほぼホワイトといっても過言ではないスターライトは、汚れが目立ちそうでアウトドアには不向きな上、なんかこの手の白いバンドとか白いパンツって、六本木にいるゴルフ好きのおっさんみたいで積極的に好きじゃない。

というわけで、消去法的にカーキ、グリーンアルパインループになったのでした。このグリーンとオレンジの組み合わせは、長年使っていたカシオ プロトレック PRG-40のそれではありませんか。いかにもミリタリー色が強くて見飽きちゃった面はあるんですが、Ultraの組み合わせの中ではもっともマシな部類かなと思われます。

本当はサンドというか、ベージュというか、コヨーテというか、そのへんの汚れがもっとも目立たない砂色・土色がベストでした。しかし公式には存在しないし、サードパーティ製でもあまり見当たりません。

ファーストインプレッション


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で、首尾よくローン審査も通り、Watch本体も届きました。申し込みから数えると2週間弱。

アップルストアで実物は見ていたので、イメージは大きく変わらないんですが、思ったよりもグリーンアルパインループが淡いカーキでなんとも締まらない。今までSeries 4で愛用しており、これがApple Watchを購入する大きな理由のひとつでもあったというスポーツループ(軽くて、脱着が簡単で、水キレがよく、パソコンのパームレストに干渉しない)に比べると、ホールド感やつけ心地、使い勝手がイマイチです。

スポーツループは無段階調節ができるので、手首の太さにあわせてぴたっとホールドするし、マジックテープで留めるので脱着がめちゃくちゃ楽でした。かたやアルパインループはかなり細かいとはいえラッチがあるので「一段手前で留めるとゆるいけど、かといって一段奥で留めるとキツい」というような微妙なつけ心地です。そもそもキツい装着感は嫌いだから、気持ちゆるめに留めると今度はケースの大きさに対する手首の細さがフィットしないため、なんかベルトがよれます。チタンの留め具も微妙にパームレストに干渉しちゃう。

いいとこないじゃん。これは素直に(買い増しがたいへんだから)オーシャンバンドのミッドナイトにしておけばよかったのかも…。

というわけで早速、社外品のライトブラウンのNATOベルトに替えました。ナイロンの触感が、アルパインループよりも汗ばんで不快ですが、色味はこっちの方が断然あってます。ただ、やっぱりパームレストには干渉する。

さらに社外ベルトを大量注文。

ファーストインプレッション


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到着後10日ほど着用し、日常生活から取材旅行、簡単なシュノーケリングへと持ち出してみました。

まず何よりバッテリーのもちが素晴らしい。睡眠モニタリングも含めて丸1日装着していても50%を切りません。iPhone 12 miniの消耗具合がヤバいので結局モバイルバッテリーか充電ケーブルは持ち歩かなくてはいけないものの、マネジメントがいっこ減ったのは朗報。

そのぶんケースがでっかく重たくなったのですが、同時にディスプレイも巨大化し、さらに明るさも増したため視認性が高まり、トータルでは許容範囲と言えましょう。ケースの61.3gってダイバーズウォッチにしてみれば軽い部類ですしね。もっとも装着して寝るには、慣れが必要そうです。

デフォルトでGPS+セルラーモデルしかないため、iPhoneが手元になくても単独で通信や通話ができるのも心強い。メッセージもフリック入力できるようになったし、もはやこれ、カメラがなかった時代のガラケーですよね。

新しくくわわった皮膚温センサーと、(個人的には初の)血中酸素センサーで、体調不良の兆候がチェックできます。いまや1億を超える人間がApple Watchを装着し、毎日せっせと健康データをアップルに提供しているわけですから、そのビッグなデータからフィードバックされる知見たるや計り知れないメリットがあります。

レジャー用途ではUltraのみにくわわった水深計と水温センサーでのダイビングコンピュータ機能が楽しい。スキューバはやらないので当初は不要かなと思っていたんですが、素潜りでも逐一潜水時間と深さを計測してくれるため、日々シュノーケリングというかスキンダイビングのトレーニングにも使えそうです。登山のシーンではYAMAPを使ってみたかったんですが、先日の対馬・白嶽登山では事前に地図ダウンロードするのを怠ったため未知数。

あかんところは、やっぱりオレンジの差し色。価格は円安もあるし、Series 8のステンレスモデルに比べるとむしろお買い得感すらあるので、仕方ないところ。バンドは高すぎ。

購入1ヶ月後レビュー


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そうこうするうち、1ヶ月経ちました。さっさと投稿しないと「散財 of the year 2022」とかぶってしまいます。

その後購入したものといえば社外品のバンド類。ベージュとライトブラウンのNATOベルトがなかなか好印象。オレンジもそこまで気になりません。金具類がブラックのベージュベルトは、本体のチタンカラーとマッチしないんじゃないかと心配しましたが、意外と引き締まって良い感じ。

フルステンレスのメタルバンドは、沖縄ではめちゃくちゃ汗ばむため、気分を替えたいときにだけ楽しみそうです。ルックも金属感が強すぎる気がする。

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あと、なんちゃってオーシャンバンドと、なんちゃってアルパインループは、いずれもUltra用ではなく、従来の45mm/41mmモデルをUltra風に変える目的なのか、バンドの幅が狭めでした。ちょっとアンバランス。とりわけ、ベージュのなんちゃってブレイデッドソロループは41mmにあわせて作っているのか極細。脱着が便利なうえ、パームレストにも金具が干渉しないのでよろしんですけどねえ。純正の45mmにベージュがあれば買うのに。いずれにせよなんちゃってバンドシリーズは、お値段1/50くらいなので文句もありません。

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いずれにしてもUltraの満足度は高く、このまま4〜5年は使えるんではないかと踏んでいます。