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『トレインスポッティング』『スラムドッグ$ミリオネア』のダニー・ボイル監督作、『127時間』を観てきました。ぼくはどちらかというと、一時期を築いたUKニューウェイブ作家がアカデミー受賞で返り咲きをした後の動向うんぬんといった文脈ではなく、単純にアウトドア映画として観に行ったおつもり。
ひと言で言うと、「孤独とアウトドアを楽しんでいた青年が、だだっ広いアメリカの国立公園で事故に遭って身動き取れなくなり、死の予感を感じながら今までの人生をふり返る」という実話ベースの走馬燈ムービーです。

ひと足先に見たライター呉さんは、「冒頭の映像と音楽がありえないくらいカッコ良かったんですけど、それは岩に挟まれるまででした」みたいな感想を述べていたので、『AKIRA』ばりの出オチ映画かなと思ってたんですが、実際冒頭の映像と音楽はさほどでもありませんでしたが、逆に岩に挟まってからの回想と後悔、懺悔的なモノローグ、そしてシガー・ロスの『Festival』が鳴り響くなか、たたみかけるような凄まじいラストの描写や展開がなかなかよろしかったんではないかと思います。これ以上書いたらネタバレよね?

ともあれ、家族や仲間、恋人といった関係を捨ててまで、孤独を求めて大自然に入っていく姿は、同じような映画『イントゥ・ザ・ワイルド』の主人公にも重なるところがあるんですが、あちらが厭世観むきだしに自然と同化していってしまうのに対し、127時間の主人公にはまだまだ帰る場所があったというか、帰りたいと思える場所があった分、結末はどうあれ救いのある映画だったのではないかと思います。ただ、一人で誰もいない場所に行って、ちょっとヤバげな状態に陥ることの楽しさもまた、男の子だからわかっちゃうんですよね。

ちなみに些末なネタでは、村上春樹好きは、途中主人公が遭難した谷間に少しだけ太陽の光が差すシーンに、『ねじまき鳥クロニクル』を思い出してニヤリとされたんではないでしょうか、とか。

それにしても、よくもまあ白人は遭難リスクも考えなしに、半袖半ズボンで砂漠地帯に出かけるよなと思いますよ。体感温度が違うのはわかりますが、フジロックでも雨の中カッパも着ず夜中騒いでるのは奴らですもの。

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127時間