昨日はルクラからゆっくり4時間ほど歩いて、パクディンという比較的大きめの集落でステイしました。エベレスト街道トレッキングのならわしとして、2840mのルクラからいったん2610mのパクディンまで下って、高度順応するのだそうです。まだまだ緑濃く牛糞香る素朴なカントリーロードではありますが、問題はおのれの腹コンディションです。以下汚い話が続きますよ。
ネパールに来てからというものの、海外旅行でありがちな便秘気味だったのですが、早起きしたせいなのか、毎日律儀に青汁を飲んでいたせいなのか、ルクラのスタバで急におなかを下しました。おなかは痛くなかったのでえらい唐突です。俺はおしっこをしたつもりはないのになー、と。

でもとりあえず出すもの出したし大丈夫だろうと、トレッキングをスタートしたんですが、その途端おならとともに…後は言わなくてもわかるな?

すぐさまスタバに戻り屈辱的なモラシットの後始末です。ファイントラックのパンツを履いているので、水分がすぐさま外に伝わるのですが、とりあえず履いてて良かったヒートテックタイツ。

早速カトマンズで買っておいた下痢止めを飲んだのですが、それでもパクディンまでの道中もリキッド感が解消されないので、「これは最初の薬で下痢が治らなかったら飲め」と薬局のおっさんに託された下痢止め強を飲みました。そしたら翌朝、つまり今日には治まっていました。

それにしてもエベレスト街道のトイレ環境はタフです。オープンエアーは当たり前、道中の村にあるほったてトイレもただ板に穴が開いただけの、紙も水もないミニマルなそれです。ネパール人はどうしてるんだ?

パクディンの宿もちょうど紙が切れていたのかなんもナシ。かろうじて洋式水洗でしたが、便座レスなので大腿筋の実力が試されます。

ともあれ、みんなの大好きなうんこちんちん系の話はこれくらいにしておきます。

昨夜はおなかも空いてなかったので、軽く食べられるトゥクパのみにしました。当然ながら、日本とイタリア意外の麺カルチャーにありがちなコシのない茹ですぎ麺です。ついでに今日の昼間にぼく以外の同行ポーターとフランス人が食べていたスパゲッティも同じようにコシゼロでした。「早めにお湯から揚げるんだ!」と指導したいところですが、伊勢うどん同様に本人たちは好きで食ってるのかもしれないので余計なお世話です。

今回のパッケージにはポーターガイドと宿代、朝・昼・晩の食事代だけで飲み物は一切含まれていないのですが、ぼくのポーターはしょっちゅうチャを奢ってくれます。それもこれもたぶんぼくが少食だからでしょう。これから高山病の気が出てきたら余計に食欲がなくなってくるので、考えようによっては食事込みのパッケージは損なのかもしれませんね。

で、ようやく今日の話です。朝6時に起きたら、昨日午後は雲で見えなかったクンデの山がそびえていて早速軽く感動してしまいました。いわばエベレスト街道に来て初めて見た雪をかぶった岩山です。

朝食は昨夜頼んでおいたバターと蜂蜜のホットケーキなのですが、スポンジ感はまるでなく、餅でした。そういや一緒に頼んだスクランブルエッグが出てこないなと思ったんですが、餅でおなかが満たされたのでキャンセルしました。

この日は2610mのパクディンから、3440mのエベレスト街道最大のビッグシティ・ナムチェまで一気に登る、トレッキング最初の難関です。ジョルサレというサガルマータ国立公園の入場門までは少しのアップダウンといくつかの吊り橋を渡るくらいで、昨日とあまり変化はなく、ハイライトとしてタムセルクが見えるのですが、ジョルサレを過ぎると、ひたすらつづら折りの坂道が続きます。

朝8時に宿を出て、ジョルサレに着いたのが10時頃。ジョルサレ以降は村がなくなるので早いランチを告げられたのですが、当然ながら腹が減っているわけもなく、ぼくは、カラ・パタールからの帰りという東松山在住の夫婦と話をしつつ、ツナとポテトのサンドイッチをお弁当にしてもらいました。

で、ナムチェまでのキツい登りですよ。ここは『アジア万感』でも坂口憲二が悲鳴をあげていたポイントですが、思いほのかさほど疲れることなくナムチェまで登りきってしまいました。それよりも心配なのが我がポーターです。そもそもマンツーマンで雇ったのですが、なぜかルクラからフランス人を連れた知人ポーターと行動を共にしてて(それゆえに昨夜からフランス人のジョシュと相部屋だったりするのですが)、その彼が登りでだんだん遅れがちになってきて、いつのまにやらぼくの荷物の一部を友達に持ってもらっているではありませんか。

もしや、ネパール人の高山病? あるいはぼくと同じで膝に爆弾を抱えているのかしら。

ナムチェ以降は愉快な知人ポーターとも別れて、あらためてマンツーマンになるのですが、大丈夫かこれ? あなたが倒れても俺はカラ・パタールまで行くぜ?

そんなこんなで一抹の不安を抱えながらも、14時半頃に比較的新しいというホテル ヒル・テン着。今日は部屋にトイレとシャワーと洗面所が付いていますが、お湯のシャワーは1回400ルピーです。ジョシュは「とりあえず体が暖かいうちに冷たいシャワーにトライしてみる」と果敢に突撃したので、ぼくも追随したら死にそうになりました。とてもじゃないけど頭なんて洗えません。

でも、そそうしたパンツとタイツが洗えたので良かったです。

ナムチェでは高度順応のため2泊します。ナムチェ以降の10日間は電源や電波、物資などをうまく調達できそうにないので、多少割高でも充電屋を利用したり、SIMにチャージしとかないといけません。高山病予防の薬も買わないといけませんね。なぜカトマンズで買ってこなかったか!

あと、そうそう原稿をまとめてやっつけるなら今しかありません。