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昨年7月に、ぼくをこの業界に導いた恩師2人のうち、カーセンサーの名物編集長・堀江史朗さんがリクルートを去りましたが、もう1人の恩師である大江治利さんもこの12月で同社を卒業されるとのことで、ささやかながら2003年頃の編集スタッフで送別会を開きました(お声がけしていない方がいるのは、幹事である正力松太郎の曾孫のせいです)。と言っても、このメンツの中でリクルートに残っているのはたった1人なんですけどね。藤野さんの「大江さんはカーセンサーの上司だけど、転職・独立は我々の方が先輩」という趣旨のスピーチに深く頷いた午前3時。
昨日は昔話に花が咲いたのですが、それにしてもみんな当時の出来事(たいていはトラブル)の状況からセリフまで、細かいディテイルをよく覚えているんですよね。ぼくなんか全然覚えてなくて、いったいぜんたいどういうわけなんだぜ?と思いをめぐらしたんですが、きっと当時から要領が良かったので、大して怒られもせず、だらだら残業せず早めに帰宅していたのでしんどい目にも遭わず、深夜・早朝に発生しがちな他のスタッフのトラブルにも巻き込まれず、平穏に過ごせていたんだと思います。それゆえ時おりフラッシュバックしてしまうほどの強烈な思い出が残っていないのかもしれません。

もちろん物忘れが激しいという可能性も大いにあります。実際R25の原稿ですら、自分で書いたものを内容ごとごっそり忘れていることが多々ありますしね。

それでも大江さんとの思い出を振り返ってみると、きっとぼくは、入社直後に大江さんから評価されているのを知り、次第に自分の化けの皮を剥がされるのを恐れて、深くコミットしないよう避けていたんだと思います。もっとも、ぼくのやっつけ癖は途中でバレていたんですけども、ロジカルでいてゴリゴリの総当たり戦に挑む大江さんに対し、自分のイメージ目がけて最短距離を探るぼくには、体力的にも精神的にもついていけなかったはずです。

そこで得た教訓というか、堀江さん大江さんはじめ、カーセンサーの先輩、自動車雑誌編集部、ひいてはマスコミ業界で得た教訓は、「体力がある人にはかなわない」ということです。人によっては「寝ない奴が勝つ」とも言いますものね。当時、文化系の学生ノリで体力を軽視していたぼくは、体育会系の筋肉バカにはクリエイティブで負けないぜ、などとなめていたんですが、なんのことはない、体力がないとやる気も出ないし、集中してものごとが考えられないんですよね。

そんなことを間接的に教えていただいた大江さん、お勤めご苦労様でした。これからもきっと、ぼくの人生の5倍くらいの密度で生きていかれるのでしょう。そして来年のリクルート上場でとんでもない利益を得るのでしょう(大江さんに限らずですけども)。もう、いろいろ追いつけないな。

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