201HT
ソフトバンクモバイルが2月末より、アラブ首長国連邦発の新興衛星電話「THURAYA(スラーヤ)」を利用したサービスを日本国内でも開始するようです。カバレッジは南北アメリカ大陸と一部の地域を除く世界中。IP54等級の防水防塵性能と耐衝撃性能をもつ専用端末201HTは、いかにもアルジャジーラの記者とか、イスラム過激派のテロリストの御用達っぽいあたり、好きものにはたまりませんね。
一般にこの手の衛星電話は端末代が30万円とか、法外な値段がするのですが、201HTは2年契約すれば「実質0円」。しかも月々の基本料金は4900円(無料通話1000円分付き)からと比較的リーズナブル。もっとも1回の通話料やSMSはどえりゃあ値段(160円/分、70円/1通より)ですが、山や海などの僻地でもしもの時のために使うものなので、お仕事で使っている方には十分現実な選択肢になるのではないでしょうか。VERTUを契約するような富裕層なら、お守りがわりに家族全員が持っても良さそうです。ただし、現在のところ100番と119番はできないようです。この辺の緊急電話は、今後Twitterやメールでも受け付けるべく検証が進められているようなので対応は時間の問題かもしれません。

実はドコモもKDDIもすでに始めている衛星電話サービス。特に維持費でガチンコ対決するのは、イリジウムを使ったサービスを展開しているKDDIなのですが、こちらはカバレッジもスラーヤより広く、通話料もけっこう頑張っているので(63円/20秒、58円/1通より)、普通に考えたらソフトバンクよりもKDDIを選びたいのですが、相変わらず端末価格が高いので、今後どういう対抗策に出てくるのかが見ものです。ただ、もともと法人向けでしか商売をしていないっぽいので、コンシューマーを向いてるソフトバンクには勝負を挑まないかもしれません。

それにしても、同一衛星電話会社同士の通話や、衛星電話から固定・携帯電話の通話は比較的納得いく値段なんですが、業種の異なる衛星電話間の通話料が半端なく高いですね。イリジウムから他社衛星電話にかけたら、なんと572円/20秒ですよ! 1分1500円以上。衛星電話が普及するのは良いですが、実際に災害が起こると他社衛星電話同士で連絡を取り合ったりすることもありそうなので、とんでもない請求金額になりそうです。

関連リンク
ソフトバンク衛星電話サービスの開始について|ソフトバンクモバイル
イリジウム|KDDI