P8030017
先週のことになりますが、Bunkamuraザ・ミュージアムの『レオ・レオニ 絵本のしごと』と、損保ジャパン東郷青児美術館の『<遊ぶ>シュルレアリスム──不思議な出会いが人生を変える──』に行ってきましたよ。
絵本『スイミー』や『フレデリック』で知られるレオ・レオニの原画をまとめた展覧会ですが、会期終了間際かつ夏休みとあってか、とんでもない人出で、ほとんど原画に近寄ることができませんでした。仕方なしに、会場に置いてあった絵本や図録で作品を見返したりして、やや本末転倒感があったり。

子どもの目にもハッキリとキャラクターがわかるポップさがありながら、派手派手しくはない柔らかい色合いやタッチ、構図の絵作りは、おっさんにとっても優しい味わい。そもそもネズミや小魚といった小さき者が主人公なのも良いし、作品内には自己犠牲や優しさ、自分らしさといったテーマが込められていて、大人になった今あらためて響きます。特に『アレクサンダとぜんまいねずみ』『チコときんいろのつばさ』あたりは絵本が欲しくなりましたよ。
P7310016
もうひとつは、最近まで徳島近代美術館でも開催されていたという『<遊ぶ>シュルレアリスム』。なぜ、急に徳島で?と思ったんですが、どうやらピカソやダリ、マン・レイなどのいくつかの作品を提供しているようです。

シュルレアリスムの「遊び」の側面をフィーチャーした面白テーマ展のようですが、その成立の背景や周辺の資料も展示されていて、一から学び直すには良い構成。ですが、それが逆にちょっと古くさい感じもします。なんというか、何刷も改訂されていない美術の教科書とか、古本に挿入された挿絵の世界観なんですよね。あるいは、美術館じたいの施設がくたびれてきているのか、学校の美術室や図書館にいるような暗い気持ちになれます(それは徳島近代美術館で観たという友達も同意見でした)。

食事の際、料理を並べるお皿とか、サーブの仕方って大事です。

逆に、昨今の洗練された展示ではなく、アナクロな美術展を久しぶりに味わいたい向きにはぴったりかもしれません。
image-work-bellmer_entre_deux_eaux-29212-450-450
キリコやダリ、マグリットも素晴らしいのですが、個人的にはオスカル・ドミンゲスの『無題』、ハンス・ベルメール『ノラ』『潮の間に』といった、デカルコマニーの作品群が好きです。ベルメールのものは徳島に所蔵されているみたいなので、落ち着いたら一度美術館に行って、その寂れっぷりを楽しみたいと思います。
P7310005
あと、損保ジャパンの美術館にはゴッホの『ひまわり』が展示されているんですね。なかなかの厚塗り感でした。ちなみに、天気が良ければ新宿駅方面が綺麗に望めます。

関連リンク
レオ・レオニ 絵本のしごと|Bunrakamura ザ・ミュージアム
<遊ぶ>シュルレアリスム|損保ジャパン東郷青児美術館