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今年のゴールデンウィークは、妙な具合に仕事が入っていたため、登山にも旅にもツーリングにも行けませんで、結局近場でアート鑑賞としゃれこみました。表参道スパイラルでGW後半の4日間だけ開催していた『SICF15』。なにやら2000年から毎年開催されている、“様々なジャンルのクリエイター100組によるアートフェイティバル”だそうです。
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半沢マリ(以下、敬称略)のコケシエンヌ。ミニくまちゃんに通じる観光写真も。
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石村まなみの彫刻。飴のようなヌメリとテカリにうっとり。
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水島浩美のオール刺繍鏡台。ちなみに展示はA日程とB日程の2組に分けられている模様。
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長谷川依与の綿棒スーツ。羊男みたいですね。着られるようです。
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何かに見えるようで何にも見えない、山内喬博の油絵。各日程は2日間となかなかタイト。
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松井圭太郎の扉と鍵のオブジェ。各スペースはひと坪程度、狭小芸術祭とも言えます。
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蒼いインクの細密画が美しい高橋つばさ。狭さゆえ作品を絞った方がインパクトが大きい。
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オブジェも綺麗どす。でも、この狭さでは作品によって有利不利がありますな。
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藤原綾子の多重シルクスクリーンによる自然テキスタイル。これにてA日程(5月3日、4日)鑑賞終了。

初日の感想は、途中でもちょこちょこ書きましたが、SICFは狭小芸術祭、あるいは屋台芸術祭とも呼ぶべきミニマル展示の祭典でした。作品や展示の玉石混交さ加減もアートフェスのそれ。地方で行われるアートフェスと違って救いがあるのは、わざわざ遠方まで行ってハズレを引かなくても済むという点でしょうか。インディー作家にとっては、多くの人の目に触れるチャンスが増える反面、じっくりと観てもらえず流されたり、席順によっては他の展示に食われる危険性があるようです。特に無音をイメージした展示の隣で、えんえんとメトロノームが鳴っていたのは、何かの嫌がらせかと思いました(笑)。

果たして、ミニくまちゃんがここにいて戦えるのか? そして展示できるとしたら、どんな展示にするか? そんなことも考えました。──ミニくまちゃんを展示するなら、ご本尊を正面のアクリルケースに入れて、その周辺、部屋全体にびっちりとL判プリントを張り巡らせるのかしら。

あと、大切なのは、大きくて簡潔な説明です。一番主張したいのは「作品名」なのか「コンセプト」なのか「自分の名前」なのか「略歴」なのか。作品を観て「これってどういう意図なんだろう?」「どういう手法で、素材で、作ったんだろう?」といった疑問にさっと答える(答えないという手もありますけど)、解説にすぐアクセスできるといいなと思いました。いや、勉強になりました。

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1階、フィンランドのアート学生による『ルオント キビカサ ポルク レイヤ』でチルアウト。
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飛び石を踏むと自然の音が流れ出す『ポルク』。素敵なサウンドインスタレーションでした。
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銀座の『いきなり!ステーキ』にて400g超のリブロースというインターバルを挟み…。

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B日程(5月5日、6日)にやって来ました。坂本のどかのSNS的なものをテーマにした作品。
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短いキャプションでは伝えきれないんですが、なんだかSRに通じる手触り。
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松下裕子のくるくる回転する紙シャンデリラ。君は右脳派? 左脳派?
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可愛らしい大島亜佐子の刺繍絵画。ミニくまちゃんにぴったりですな。
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Fujita Yoshikoの赤い世界。ブースの印象度ではナンバー1だったかも。
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場内の照明と自前の照明の、青と金の乱反射が美しい、島﨑園。
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アーティスト名も重要だと感じた山田ラッキーのインスタレーション。
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紙のドレスとボールペンの組み合わせで、実存的なイラスト感をかもす渡部直也。
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陶器に描かれた文字で、世界がねじれる湯口萌香。
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プログラムで描かれたドット絵。実際にゲームとして遊べるShinharajuku。
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もっとも「狂っている」(褒め言葉)と思った山本優美の古着をモチーフにした陶土。
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脱ぎ捨てたキャミや靴下の細かいシワや編み目を陶器にしてみました。なんで!?
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最後に二宮佐和子のファンタジックな刺繍作品でお別れしましょう。
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鳩ハット。2日目の方がレベルが高かったような気がします(ボソリ)。

以上、初めてのSICF鑑賞でした。

この展覧会では好きな作品に投票することができるのですが、果たして自分なら誰に投票するかなあ、と考えた挙げ句、結局何もせずに帰ってきてしまいました。撮影はしていませんが、不思議な手触りを持った作品もあったので、ブログで紹介した中からピックアップするのも違う気がしますし、やっぱり判断を保留にしようかなと思います。

だってねえ、ほらねえ、今後仲良くすることもあるかもしれないし。

関連リンク
SICF | SPIRAL INDEPENDENT CREATORS FESTIVAL