DSC01691
今夜は“大人のヴィレッジ・ヴァンガード”代官山蔦屋で開催される、『terminal 02』刊行記念イベントに行ってきました。写真家・谷口京さんがネパール・アンナプルナ撮影取材の舞台裏を語るトークショーです。
告知では定員60名となっていましたが実際ほぼ満席で、19時から21時まで、大判フィルムで撮影された美しい写真と現地情報で送るめくるめく2時間でした。

個人的に面白かったのは、旅の前半でシャッターを切りすぎて、当初持っていった80本のフィルムが底をつきそうになったため、急遽東京の小林くん(編集長)にLINEで「送って」と催促したこと。その国際郵便はカトマンズの旅行代理店まではなんとか届けられるものの、国内ロジスティックスは不安だったため、そこから長距離バスを2本乗り継いで谷口さんまで人力で届けられたことでしょうか。

それにしても、このご時世にフィルムカメラだけで撮影するなんておそろしいですね。ぼくなら、「日本に帰ってちゃんと撮れてなかったらどうしよう」って心配で夜も眠れませんよ(実際、谷口さんも不眠が続いたようですが、それは5000mを超える高所生活が続いたから)。

そして、どんなに辺境の地でも子どもを撮影すると、「どれどれ見せて」と寄ってくるらしいのですが、フィルムなので見せられなかったというエピソードも面白かったです。生まれながらにしてデジカメとスマホしか知らない彼らにしてみれば、撮影した絵はその場で見られて当然なのでしょう。

ぼくが3年前にエベレスト街道を旅した時も感じましたが、古き良き日本の里山風景が残るネパールの僻地でも、携帯電話やスマホの普及は目覚ましく、たとえ電気が来ていなくても、電波が届いていなくても、みんな欲しがっているし、ポーターあたりなら誰もが持っているんですよね。通話やメールが満足にできなくても、デジカメにもなり、携帯音楽プレイヤーにもなるスマホは、まさに夢のデバイスなのでしょう。テレビも電話もない村をいきなりスマホが席巻する。

そういうの何て言うんでしたっけ? そうだ、「リープフロッグ」だ。

ともあれ、撮影期間1ヶ月半という、今どき雑誌取材ではなかなかないヒトモノカネを投下した、『terminal 02』の特集「遙かなるヒマラヤ」。まだの方はぜひご覧ください。ぼくも他のページでちょこっと書いてます。

関連リンク
"terminal" issue2 刊行記念 谷口京さんトークショー | 代官山DAIKANYAMA T-SITE
TRANSIT : terminal 2号 遥かなるヒマラヤ - Magazine
kei taniguchi | Kei Taniguchi | photography