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荷作りの面ではいまだ旅慣れることがありません。旅行でも山登りでも、装備品の最適解はそろそろ見えてきた気はするものの、それでも時期・場所・目的ごとに何を持っていけばいいのか毎度あわてて吟味(あわてて吟味?)していますし、何よりこれらをどうパッキングすればいいのか常に頭を悩ませています。とりわけ困るのが小物類。
大物はいいんです、あらかじめ出番がわかっていますから。例えば「テントや寝袋は、幕営時にしか使わないのでリュックの底部分」「パソコンやタブレットは保護ケースに入れてなるべく衝撃が加わらないリュックの背中部分」という具合に。

問題は「電源・ケーブル」「文房具」「洗面用具」「お薬」「マルチツール」などの小物類です。女の子ならこれにメイク用品なども含まれるのでしょう。

わりと使用頻度が高く、モノが小さいので小分け袋を要する上に、全てを取り出しやすい位置にスタンバイさせてしまうと、サブバッグやリュックのポケットがパツパツになる厄介ものです。

そうじゃなくてもすでにお手回り品は、「スマホ」「財布・カードケース」「サングラス」「イヤホン」「カメラ」「防寒ジャケット(夏こそ)」「ミニくまちゃん」と多めなのです。なるべく厳選したい。でも「使わないだろう」とACアダプタやUSBケーブルをリュックの奥深くに仕舞っておくと、飛行機やバス、新幹線に電源が備え付けられていたりします。

どうにかするには、サブバッグの容量を増やすか、小物そのものを減らすしかありません。

ただ、サブバッグはデカすぎると取り回しが悪くなる。そんなところで、最近は荷物の少ない時にはグレゴリーの旧いショルダー、やや多めの時にはKEENのGEARY SLINGを使っています。GEARY SLINGが容量6リットルでMacBook(12インチ)もミニくまちゃんもギリ収まるため、これが限界かなと思われます。



と言いながら、いまKickstarterで注文したコンパクトなダッフルバッグの発送待ちなんですが、これは次回の講釈で。

かたや小物そのものを吟味して減らす方向では、まだまだ精進が必要です。これまで──

・レーシック手術でメガネやコンタクト用品を処分する
・洗面用品は歯ブラシと保湿剤のみに絞る
日よけ、エアコン風よけ、防水を1枚のジャケットでまかなう
世界一軽量な財布を導入ゴミみたいなので戻ってくる
・USBケーブルで充電できる電子機器に絞る
・モバイルルーターをやめてiPhoneでテザリングする
・通信機器をiPhoneだけにして、さらにデジカメとも統合する?

というような施策をおこなって参りました。

これでずいぶん荷物が減ったかと思いきやVRコンソーシアムやハコスコのお手伝いでリコーTHETA Sを持ち歩くようになり、ついでに三脚や自撮り棒も増え、さらにiPhoneレンズではカバーできない距離の撮影や望遠鏡の代わりに高倍率ズームのデジカメが欲しくなり…と結局「いってこい」状態に陥りつつあります。



ともあれテーマは小物でしたな。

結局話は最初に戻り、小物じたい時期・場所・目的に応じて変わるのですが、最近のキホンは以下のように考えています。

電源・ケーブル


・4ポート程度のACアダプター
・microUSB/Lightning併用ケーブル×3本
・MacBook用のUSB Type Cケーブル
・1万mAhていどの中型モバイルバッテリー
・予備SDカード
・SIMカードアダプター
・SIMスロット取り出しピン

※必要に応じて
・Lightning - SDカードアダプター
・シガーソケット用USBアダプター
・ソーラーパネル
・2万mAh超の大型モバイルバッテリー
・デジカメの予備バッテリー
・防水ケース

MacBookを持っていかない場合は、より軽い2ポートのACアダプターで良いかもしれません。あと登山や僻地など電源がしばらく取れない際は、大型のモバイルバッテリーやソーラーパネルを持っていくこともあります。最近はiPhone 6s Plusの電池がよくもつので、必ずしも大容量のモバイルバッテリーは必要ではない気もするのですが、「充電中のスマホ盗難防止」「低温時のシャットダウン防止」「デジカメや電子ペンの充電不足対策」にも使えたりするので、やっぱり持っていた方がよろしげです。

あと電源ケーブルは、microUSBとLightningが併用できるケーブルが便利です。また長さは1.5m以上の長いものがよさげ。一時はモバイルバッテリーからの給電をにらみ、かさばらない短めタイプばかりを買いそろえていましたが、変な場所にあるコンセントから引っ張ってきて使うケースもあるので、やっぱり長いものが便利なのです。

先日試しに3mのLightningケーブルを買ってみたのですが、思った以上に使えました。

あと、iOS9.2からiPhoneでも使えるようになったLightning - SDカードアダプターがかなり便利です。そもそもデジカメからWi-Fiを使ってiPhoneに写真転送する手順が面倒くせえんですよね。Wi-Fiが混線していることもありますし。そうそう、これならWi-Fi転送機能のないデジカメでもiPhoneに写真を送れるようになります。

ただ、「SDカードを頻繁に抜き挿しすると静電気でデータ吹っ飛んじゃいそう!」とビビる方もいますので、そういった向きにはLightning - USBアダプターが良いかもしれませんね。



文房具


Livescribe wifi スマートペンとノート
・赤ボールペン
・スタイラス

ライターのくせして文房具がやたら少なく、実際その出番は年々減っています。今年後半あたりにはApple pencilが、iPhoneやiPad miniに対応するのを期待していまして、いよいよLivescribe wifi スマートペン(とスタイラス)もリストラする方向です。だいいち、最近の立ち取材ではiPhoneの片手フリックでメモしているので、Apple pencilだってどれだけ使うかわかったものではありません。そも左手にミニくまちゃん、右手にiPhone/カメラを持っていたら、ペンと紙でメモを取るなんて無理でしょう。

こと立ち取材に関しては、紙とペンの組み合わせは両手が塞がるという点で、時代遅れな気がするのです。

もちろん座り取材やインタビューでは従来通り両手でメモするのですが、それもタブレットとスタイラスがあれば格好が付くかなと思っています。

洗面用具、マルチツール


・歯ブラシ
・リップスティック
・保湿クリーム
・入れ歯
セームタオル/ナノタオル
・ティッシュペーパー
・マスク
・ビクトリノックス ネイルクリップ

※必要に応じて
・シャンプー、石けん
・洗剤
・トイレットペーパー
・濡れティッシュ
・耳栓
・デンタルフロス

洗面用具はミニマム。基本的に何が何でも欲しいのは歯ブラシくらいで、後はどうにでもなります。でも乾燥対策のリップクリームや保湿剤、マスクはあった方が快適。感染予防にもなりますしね。

タオルはこれまで驚異の吸水力を誇るセームタオル一押しだったのですが、「ジップロックなどで常に湿らせておかないと吸水しない」「そのためやや重い」「立ち寄り湯を利用する際は別途垢すりタオルが必要」といった観点から、最近はファイントラックのナノタオルの出番も増えています。

こちらはセームタオルほどの吸水力はないんですが、化繊タオルの中では吸水速乾だし、軽いし、垢すりタオルの代わりにもなり便利なのれす。

で、マルチツールも洗面用具カテゴリに入れちゃったんですが、これはブレードレスのビクトリノックス ネイルクリップが「爪切り」「つまようじ」「毛抜き」「ハサミ」と異常に使えるヤツだからです。

旅に出ると、爪や毛が伸びるスピードが妙に速まりがち。あと、なんとなく普段食べ慣れないものを口にするシーンが多いせいか食べカスが歯に挟まるシーンが多い気がします。そんなわけでデンタルフロスも、ちょっとだけ切って持っていくと口腔内すっきりで気持ち良く旅が続けられます。



お薬


・睡眠導入剤
・葛根湯
・整腸剤
・胃腸薬
・痛み止め
・アレルギー薬

※必要に応じて
・カフェイン錠
・湿布
・はちみつ飴

これらをジップロックの小袋に入れています。普段からただでさえ寝付きが悪いのに、旅に出ると余計に緊張して入眠できないので睡眠導入剤というか、精神安定剤は必携。また、便秘/下痢がちになるため整腸剤も必須。

胃腸薬と痛み止めは飲み過ぎた時に、はちみつ100%の飴は喉の殺菌に。アレルギー薬は季節外れの花粉やハウスダストで鼻炎にかかった際に使えます。

あと、移動が増えると免疫力が落ちるため葛根湯が効きます。ちょっと熱っぽいな、体が冷えたなと思った瞬間に飲むとよろしげ。あとコリの緩和にも作用するみたいです。



その他、行き場に困る小物たち


サーモスやペットボトルなどの飲料
日傘
・自撮り棒
・デジカメ
・ミニ三脚
iPhoneレンズ
・ダウンジャケット
・MacBookとiPad mini

MacBookが小物なのかという議論はさておき、場合によってはこの辺が邪魔になります。そのMacBookも基本的に「腰を据えて仕事する」以外に用途はなく、同時にめっきり出番が減ったのはiPad mini。iPhone 6s PlusとMacBookの間に挟まれて、「電子書籍」と「写真のストレージ」端末と化しているのです。でも旅行の目的によってはどっちもリストラできない。

この辺がSurface Proに乗り換えたい一番の理由ですね。ともあれ、デジカメ含めてこの手の話は別カテゴリの議論かもしれません。

あらためて眺めてみると、「洗面用具」「マルチツール」「お薬」は、ほぼお手回り品に入れておきたいものばかり。リュックやスーツケースにぶち込んでしまっていいのは、「電源・ケーブル」と「文房具」の一部のみです。いきおいサブバッグが拡大するばかり。ミニマリストなんて無理ですね。今年もよろしくお願いいたします。構成がいつになくアホリエイトブログみたいなのは、そういうことです。