DSC07763
2011年以来、5年ぶり10回目のフジロックに行って参りました。なにせ20周年ですもんね、というのは表向きのいいわけで、今年初めて訪れるフジロックバージンをエスコートするのが主たる任務なのでした。
DSC07957
ところ天国に埋葬されていたプリンスの墓。

そういえば、シルバーウイング(600cc)ではなく、バーグマン200で出かける初のフジロックでもあります。果たして3分の2の排気量でタンデムキャンプツーリングが可能なのか? そのシミュレーションとして出かけたのが、先日の「南房総 大地と海を巡る旅」なんですけど、その結果「荷物多過ぎにつき、テントと寝袋、マットは事前に送った方が無難」てことになりまして、前夜祭の木曜日に受け取る算段を整えたのですが…。

21時すぎに会場に着いたら、クロネコヤマトの窓口が閉まってました。

次の営業は翌朝8時から。テントも寝袋もなしに一夜を明かすのは無理とのことで、急遽越後湯沢まで行ってフジロック時期だけ仮眠ができる温泉施設「石打ユングパルナス」にチェックインして事なきをゲットしました。なお、料金は1人2500円。おそらく会期中は満員になりそうですが、この日の利用者は誰もいませんでした。


翌日は6時に起きて苗場を目指し、テントを無事お引き取り。さすがに好立地はほぼ埋まっていましたが、どうにかすき間を見つけて平地に設営することができました。

これ、フジロック黒知識なんですけど、テントサイトで通路側にテントを張る際は、自分のテントと通路の間にテントが一幕張れるか張れないかギリギリまで詰めた方がよいでゲスよ。

バイク有料化、レッドゲート、電子マネー


そんな5年ぶりのフジロックでもっとも驚いたことが3つありまして──それはバイク駐車場がゲート手前から場外ショップ前に変わり、なおかつ今年から有料(1000円)になっていたこと、また、テントサイトの奥にレッドマーキーとの出入り口が設けられて移動が楽になっていたこと(わずかながらトイレと水道と売店まである→トイレは早々に使用不可になっていたけども)、そして多くのお店で電子マネーが使えるようになっていたこと、です。

DSC07913
何より驚いたのはレッドゲート。深夜帯は閉鎖。

長年優遇されていたバイク乗りの肩身がどんどん狭くなる一方で、着々と便利かつ快適になっている。そうそう、グリーンステージ奥の坂上にトイレが設置されていたのもグッドニュースでした。

こうした5年ぶりの変化を楽しみつつ、拝見したアクトは以下の通り。

7月22日(金)


DSC07849
トレーナーはダサいけど音楽は気持ちいいジェームズ・ブレイク。思わず寝落ち。

・奇妙礼太郎
・UA
・THE INTERNET
・JAMES BLAKE★
・SIGUR ROS★


7月23日(土)


DSC07973
正座して拝聴するファンの姿からも人気がうかがえるベック。

・THE ALBUM LEAF★
・TRAVIS★
・EGO-WRAPPIN'
・BECK★
・FRF 20th SPECIAL G&G Miller Orchestra


7月24日(日)


DSC07989
トラヴィスに並んでメロディアスでブルージーなステレオフォニックスの安定感よ。

・THEなつやすみバンド
・STEREOPHONICS★
・Ken Yokoyama
・BEN HARPER & THE INNOCENT CRIMINALS
・RED HOT CHILI PEPPERS
・VIDEOTAPEMUSIC × cero


DSC07966
すわ、ミニくまちゃんもバックステージパス入手か!

今回はおもてなしに徹したため、自分が見たいものよりゲスト優先ゆえこんな具合になりました。なかでもベストアクトはジェームズ・ブレイク、シガー・ロス、そしてステレオフォニックスでしょうか。今までまともに聴いたことがなかったベックも悪くなかった。

逆に、「これはヤバい」と早々に切り上げたのは20周年のスペシャルオーケストラとレッチリでした。抑揚のないダミ声で奏でられる加藤登紀子の『田舎へ行こう』は妙にクセになるんですが、20周年のトリなのにグリーンステージはガラガラ。これは事故です。またレッチリは音圧もグルーブもないし、みんなおじいちゃんになってたし、かつての勢いがなくなってしまったように思います。

あらためてラインナップを見てみると、UKロックの勢いまるでありません。よくよく考えてみたらコールドプレイ以降のスタジアムバンドが育っていないというか、これこそがネット時代の嗜好の細分化のあらわれなのかもしれません。

その他、今回のフジ講で得た教訓、および雑感


DSC07874
プロトレックPRW-6100とリストバンド。ICチップ付きで完全に偽造不能に。

・キャンプサイトはお湯が無料だった
・岩原のピザ屋はオートビールサーバーゆえ量が安定している
・ヘリノックスのチェアはすぐ折りたためないので邪魔や
・グリーン奥にauとソフトバンクの出張中継車
・魔法瓶があれば象印のお茶補充サービスが利用できた
・10年選手の長靴が壊れたのでKEENブースで靴をレンタル
・雨が降らなかったぶん、砂埃がひどかった
・暑さと砂塵とでRX100M3のEVFがやられた
・バッグやリュックは泥が付いても気にならない土色がいいのかも
・夜の寒さがひどかったけど念のため持っていた上下ダウンに救われた
朝霧JAMのヒッチハイク取材で乗せてもらった方々と再会


DSC08129
プリンスホテルのフォアグラ丼(1100円)うまし。

フジロックにあわせて購入してしたヘリノックスの軽量チェア(サンセット)ですが、まったりと鑑賞する際や休憩中の快適さはズバ抜けていながらも、すぐには折りたためないので担いで移動せざるをえないシーンも多く、その間はまともに写真も撮れないし、人にはぶつかりそうになるし、自分にとっても他の人にとっても邪魔でしかありませんでした。もし来年フジロックに行くとしたら、もう持っていかないだろうなあ。

DSC07905
楽ちんだけど邪魔すぎるヘリノックスのサンセットチェア(右側)。

とはいえ、背もたれがないとキツい。そんなチェアの最適解はちょっとした背もたれがある、小さな折りたたみ椅子なのかもしれません。



恒例のフジロック装備的な話でいうと、行動中の荷物多過ぎ問題もあります。

行動中の荷物多過ぎ問題


・上下レインウェア
・上下ダウンジャケット(化繊なのでかさばる)
・速乾タオル
・セームタオル
・ヘッドランプ
・モバイルバッテリー(3日目にリストラ)
・充電ケーブル(3日目にリストラ)
・デジカメ(RX100M3とα7S)
・魔法瓶★
・サングラス
・UVネックゲイター★
・日傘(ステージ待機中だけ日よけに使う)
・歯ブラシ
・空のチューブ水筒(テント帰る前に雑用水を入れる)
・肩がけストラップ付き防水スマホポーチ★
・折りたたみ麦わら帽子
・ミニくまちゃん
・ヘリノックス サンセットチェア


30リットルの防水リュックはパンパンです。

前述しましたが、今回は昼間クソ暑くて砂っぽく、夜は夜でとんでもなく寒かったので、暑さと寒さの両対応が求められました。一方でノースリーブのワンピに、手荷物は小さなショルダーポーチだけというLAセレブ風の女子もチラホラいらっしゃいまして、彼女たちは夜になったらどうしているのか、雨が降ったらどうするのか本当に謎なのでした。

とにかく軽量化、コンパクト化は急務です。とりわけ衣類のかさばりがひどいので、エマージェンシーシート素材のポンチョはどうかと思いました。防寒と防水、防風のすべてをかねそなえて90gです。さらにカイロなどもあれば完璧。激しく動くと汗だくになりそうですが、今回着ていったウインドブレーカーみたいなカリマーのシャツ「Vector L/S Shirt」を組み合わせるとけっこうアリなんではないかと思いました。

03071554_53196d09d64c8
SOLのサバイバルポンチョ(2376円)。
DSC07817
今回はカリマーの襟付きシャツと麦わら帽子という組み合わせ。



つまり──

・サバイバルポンチョ
・速乾タオルorセームタオル
・ヘッドランプ
・デジカメ
・サングラス
・UVネックゲイター
・空のチューブ水筒
・肩がけストラップ付き防水スマホポーチとiPhone
・折りたたみ麦わら帽子
・ミニくまちゃん
・背もたれ付きミニ折りたたみ椅子


これくらいなら、少し大きめのショルダーバッグにまとめられそうです。

今回のお足元は、カリマーのサイト出演時にも紹介したコロンビアのMTVコラボ折りたたみ長靴だったんですが、5年ぶりに履いたら思いっきり穴が空いておりまして、あわてて無料シューズレンタルサービスを展開していたKEENブースでLIBERTY RIDGEをお借りしました。今回は雨がほとんど降らなかったので、こうしたトレッキングシューズが正解でしたね。

DSC07959
ところ天国で涼を得ようと長靴ごと川に足をつけたら、即浸水。
DSC07778
そのKEENブースの模様。1日単位でシューズが無料レンタルできます。
DSC07780
子ども用シューズも各種おとり揃え。
DSC07983
ぼくは本格登山にも使えるLIBERTY RIDGEをレンタル。

経年劣化では同じくテントで使った、エア注入式のマットが壊れていました。化繊や接着剤を用いているアウトドアウェアやギアは、保管状態やメンテナンス次第では5〜10年ていどの短い命となってしまうのかもしれませんね。

そんなこんなの5年ぶりのフジロックでしたが、相変わらずの苗場で新鮮味があまりなかったのが正直なところです。それはぼくの音楽ライブラリがここ5年ほど、あまりアップデートされていないのも原因しているのかもしれません。ただ、初めてフジロックを訪れた同伴者は「ご飯も音楽も最高じゃー」「毎日がフジロックだったらいいのになー」と終了後は見事なフジロックロスに陥っていたので、きっと最初は楽しいのだと思います。

記憶喪失になりたい。

DSC07949
相変わらずキッズランドは夢の世界でした。

関連リンク
FUJI ROCK FESTIVAL '16|フジロックフェスティバル '16