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昨年春に購入して以来、MacBook 12インチの出番をぐっと減らしたiPad Pro 9.7インチ。取材ノートや校正紙がわり、写真の高速ブラウズ&レタッチといったお仕事用途はもちろんのこと、電子雑誌やストリーミング動画の閲覧に、音楽リスニング(外付けスピーカーがいらない)と、ありとあらゆる用途で使いたおしています。逆にMacBookを持ち出すのはどういう時かというと、資料やメールを参照しながら原稿を書くというシーンくらい。

FilesとJIS配列Smart Keyboard Cover


そこへ来てのファイラ機能を備えたiOS 11の発表と、JIS配列のSmart Keyboardの登場です。

従来、写真以外は共通のストレージという概念がなく、各アプリやクラウドサービスにいちいち保存していたファイルが、「Files」アプリで一元管理できるようになるのが、まず大きなトピック。これを機に、「メール」アプリでの添付ファイルの文字化け問題も改善していただきたい。

また、これまでのSmart KeyboardはUS配列のみしか選べず、入力言語の切り替えは──iOSのソフトウェアキーボードよろしく──キーボード左下にある「地球アイコン」を押すたび切り替わるトグル式でしたが、新たにMacの日本語キーボードと似た配列が選べるようになったので、言語切替は次に入力したい言語にあわせスペースキーの両隣にある「英数」「かな」を押すだけで済むようになりました。

そもそもiOSでは現在の入力言語が何になっているかわかりづらい上、原稿に集中しているといちいち確認するのも気を殺がれるので、専用の「英数」「かな」ボタンが用意されているのは非常に明快&軽快。フリック入力が(初期の)iPhoneを選ぶ大きな動機だったように、独立言語切替キーはMacを使いたい大きな理由でもあるわけでして、これがiPadで使えるのではれば、より原稿執筆マシンとしてのメリットが増します。

問題は10.5インチか12.9インチか


原稿執筆マシンとして問題が残っているとすれば、それは画面解像度かもしれません。現状、9.7インチのスプリットビュー(二画面表示機能)で、例えば「左画面にExcel」「右側面にWord」を表示させるとさすがに狭いのです。MacBookも褒められたものではないのですが、ウインドウを重ねておいて、Command+Tabで自在に切り替えられるため、さほどストレスを感じません。

ここは高解像度の12.9インチで解決できそう。

しかし12.9インチは、Smart Keyboard CoverとApple Pencilを加えると、MacBookより大きく重たくなってしまいます。さすがに1kg超えは大変なんじゃないか。iPad単体で700gを超えるので、手だけの保持も心許ない。

ただですね。12.9インチは初代iPadとほぼ同じ重さなんですよ。むしろ軽いとすら言える(ポジティブ)。

MacBook 12インチも含めて比較してみる


整理します。

【iPad Pro 12.9インチ】
○画面が大きく二画面作業が捗る
○JIS配列キーボードが選べる
○タッチ&ペン操作ができる
○LTEモデルがあり、即ネットに繋がる
○Touch IDですぐ起動する
○4スピーカーによるサウンドがよろしい
×フットプリントが大きい
×重い
×カバースタンドなのですわりが悪い
×PCではできない作業がどうしても発生する
×拡張性がほぼない
×お値段が高い(全部入りで16万円?)


【MacBook 12インチ】
○一応フルサイズのMac OSが走る
○モバイルバッテリーでも充電できる
○キーボードのおかげで安定する
×タッチ操作できない
×起動・動作が遅く、結果出番が減っている
×LTEモデルがない
×スピーカーが貧弱
×USB Type-Cのみで拡張性が低い


【iPad 10.5インチ】
※12.9インチとの違い
○軽い
○サイズがほどよい
×二画面作業は厳しい


※そういえば、肝心のキータッチは賛否両論ありますね。ぼくはどっちでも大丈夫です。

一応、MacBookとも比較しましたが、現状出番が少なくなっているということは、すでに「iPad 9.7インチ>MacBook」の勝敗は喫したわけで、となると「12.9インチ VS 9.7インチ」のマッチを残すのみ。どうして10.5インチが俎上に載らないかというと、実は10.5インチ用のJIS配列Smart Keyboradが9.7インチでも使えるからです。1インチていどのサイズアップで、なおかつ解像度も変わらないとすれば、現状維持でも問題なし。

で、結果はというと──当たり前ですがまずは実物を見てからの判断となりそうです。そもそも「Files」開放は秋以降ですし、そんなに急がなくてもいいんじゃないかという気持ちもあります。ただ、その間に9.7インチのリセールバリューは刻一刻と下がっていくわけですが。

【追記】
結局、12.9インチを触ることすらなく、Smart Keyboard Cover付きを注文してしまいました。理由は──

・取材メモアプリ「Notability」と「Word」を表示したら狭すぎて泣けた
・画面サイズと解像度がMacBook Pro 15インチに匹敵する
・それでいて外寸はMacBook Pro 13インチサイズ
・金利0%
・iPad 9.7インチが9万円ほどで売れそう


というわけで、Apple Pencilを除く全部入りの合計金額は17万6040円(!)ほどにもなりますが、追金8万円で新しい12.9インチが入手できそうです。逆に考えると購入後15カ月使ったので、月あたり5333円ほどコストがかかった計算です。そう考えたら、SIMフリーではなくなるものの、端末割引のあるキャリア一括購入や、リース契約の方が賢いかもしれませんね。

関連リンク
iPad Pro - Apple(日本)