ORG_DSC05497
いくら道具を取り揃えても脳みその切り替えがうまくいかないため、取材はともかくノマドワーキングなんてできねえ、とあきらめている昨今。とはいえ切羽詰まされるケースもなくはなく、移動中や旅行中に原稿を書いたり戻したりする必要に迫られます。
取材旅行ならMacBookやiPad Pro 12.9インチを持ち歩いているので問題ナスながら、プライベートでなるべく手荷物を軽くしたい旅行や山行、ツーリングでは1kg前後のモバイル端末はトゥーマッチ。激しいアクションも想定されるため破損も気になります(実際、iPad Proはメットインで凹んだ)。

そこで近頃の山ではずっと使っていなかったiPad Pro 9.7インチを引っ張り出し、「このサイズはこのサイズでありやな」と見直したりしてるんですが、やはりUS配列のキーボードが打ちづらかったり、念のため持っていったけど結局なんもなかったねってことも多々ございまして、もっとミニマルな環境を構築したい。

古くはVAIO type C1からtype U、type Pと変遷し、iPhone以降はwith ポメラ、MacBook Air 11/13、iPad mini、MacBook、iPad Pro 9.7/12.9とさまよい歩いてきましたが、その究極といえばiPhoneと外付けキーボードということになるのでしょう。

もちろん折りたたみキーボードもいろいろ試しました。でもダメ。一番の理由はいずれもUS配列の英字キーボードなので普段使っている環境と違いかえって作業効率が落ちるのです。あと意外と重くてかさばる。

MLA22J
そんなおりにふと気付いたのが、純正のMagic Keyboardです。以前のApple Wireless keyboardと違い内蔵バッテリーゆえ重量はわずか230gと軽量。フルサイズのキーボードなので、デカさはいかんとしもしがたいのですが、そのぶん打鍵感や操作感は良好で、なにより英語と日本語の切り替えキーが独立したJIS配列が使える。

純正なのでMacやiOSのショートカットもOK。Lightningケーブルで本体が充電できるため余分なケーブルいらず(バッテリーもロングライフ)。

もっともデメリットもけっこうありまして、まず前述したようにフットプリントが大きくカバンの中で場所を取ること。持ち運びや使用にあたっては別途ケースやiPhoneスタンドも必要です。アクセサリー代がかさみますが、なにより本体が1万円超えと高額なのが一番のネックかもしれません。

細かい不満でいうと本体がシルバーしか選べないこと。できたらiMac Proのスペースグレイにしたかった。あと、地味に面倒なのがMagic KeyboardをiPhoneとペアリングすると、iPhone側に日本語ローマ字入力のキーボード設定が追加されてしまうことかもしれません。特にぼくは日本語はフリック、英語はQWERTYとシンプルにしているのでもうひとつ紛らわしいキーボードが追加されるのは勘弁なのです。

それでもやはり、いつも使っているMacBookと同じ環境は快適この上なく。この記事のほとんどのテキストもiPhoneとMagic Keyboardで作ったのですが長文もお手のものです。

AAKB001-ama7
肝心のケース&スタンドは、かつて使っていた「Origami Workstation for iPad」をパクパクしたような「Fintie Carrying Case for Apple Magic Keyboard」という商品を見つけたので、アメリカから個人輸入中です。日本でも売ってるんですがとにかく高いので(アメリカのAmazonで送料込2500円くらい)。もっとも重さがあやしい。下手するとキーボードと同じくらい重いかもしれません。

で、ここからの予想ですが、このモバイル環境はミニマルゆえすでに限界も見えてまして、とにかく二画面表示ができないので調べ物や取材メモを見ながらの原稿執筆は無理。画面も小さいので校正されたWordファイルを戻すのもけっこうつらそうです。また、Apple Pencilが使えないためゲラの赤入れも困難でしょう。

本当に必要だったのかな?

かくなる上はiPhone 2台? それともディスコンが噂されてるiPad mini 4の確保? ともあれしばらく使ってみます。

【追記】
アメリカからFiniteのキャリングケースが届きました。

LRG_DSC05487
寸法は当然ながらキーボードぴったり。若干のベタ付きを感じさせる合皮感。
LRG_DSC05488
展開するとスマホ&タブレットスタンドが出現するのもOrigamiと同じ。
LRG_DSC05493
後ろはこんな感じ。マグネットで蓋が閉まり、スタンドが構成されます。
LRG_DSC05492
iPhone7 Plusを立てかけたイメージ。そりゃ快適です。

キーボード本体を保護し、使用時にはスタンド機能ももつ逸品ですが、問題は重さですよ。計量はしていませんがあきらかにMagic Keyboardより重いんです。これじゃあせっかくの軽さが台無し。車社会&マッチョ人種ならではのプロダクトといえましょう。

というわけでベストは軽いポーチに入れて、iPhoneはリングなりなんなりで自立させることでしょうね。あるいはこれを持ち歩くくらいなら別途ポメラDM200でも良いかも。

関連リンク
Magic Keyboard - 日本語(JIS) - Apple(日本)
Protective case cover with stand for Apple Magic Keyboard (MLA22LL) - Black