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ガジェット好きでミニマリスト志向なノマドワナビーならば、一度は参考にしたであろう高城剛の『LIFE PACKING』シリーズ。ぼくもたまに読み返すんですが、先日「この初版っていつだっけ?」と確認したら、ちょうど10年になるんですね。10年ひと昔と言いますが、確かに2024年げんざいと比較すると、テクノロジー的にもライフスタイル的にも隔世の感があります。
じゃあ、10年前のガジェットと10年後の現在を比較してみても面白いかなと。我々はきっと、ずいぶん自由に、身軽になったはずです。

ちなみに、ホメオパシーや医療機器といったバイオハック系はあまり興味がないので省きます。あと、後半・続編に入るにつれ玄米用炊飯器やエスプーマみたいな高城氏の趣味全開のものが増えるのですが、それも一般的に必要なさげなのでカットします。

「→」の先は、現在ぼくが使っていたり、世間一般で使われているガジェットに置き換えた2024年のモノです。

1 DAY PACKING


【スマホ】iPhone 5→iPhone 15 Pro Max
【SIMカード】SIM CARD→eSIM
【拡張レンズ】3-IN-ONE PHOTO LENS→MOMENT LENS→iPhone 15 Pro Max
【イヤホン】MDR-EX 800ST+COMPLY→AirPods Pro+COMPLY
【Bluetoothトランスミッター】AT-PHA05BT→AirPods Pro
【モバイルバッテリー】Compact Charger→不要orAnker Nano Power Bank
【スマートウォッチ】タグ・ホイヤー→Apple Watch

ちょうど10年前なので、iPhoneのナンバリングが5です(Sモデルもあったのにどっかで帳尻があってますね)。この頃のiPhoneはバッテリーがぜんぜん持たず、カメラも単焦点、海外へ行くたびSIMカードを抜き差しせねばなりませんでしたが、いまやMaxやPlusモデルであれば1日駆動しますし、カメラは3眼、eSIMなので設定上で切り替えるだけになりました。これにて、さまざまなガジェットがリストラ。

個人的にも続編の『-2.1』でも紹介されていたMOMENTレンズを海外輸入したクチですが、いまだiPhoneカメラの写りには納得いかないものの、超広角・広角・望遠と1台で13-120mmの焦点距離をカバーしてしまうまでになったので、ありがたいやら悔しいやら。ちなみにコンバージョンレンズって邪魔くさくて使わなくなりがち。

さらに、完全ワイヤレスイヤホンかつノイズキャンセリングタイプのAirPods Proが普及したため、Bluetoothトランスミッターも必要なくなりました。音質さえ追求しなければ、iPhoneとAirPodsだけで十分です。

ちなみにここに書かれていなくて増えたモノといえば、Apple Watchでしょうか。それも『-2.1』に出てくる、タグ・ホイヤー製のそれの置き換えと言えましょう。ミニマルを極めるなら、セルラー版のApple WatchとAirPodsだけでお出かけ可能です。

2 WEEK PACKING


【デイバック】ご自由に(※無印良品のリュック)
【パソコン】MacBook Air 11インチ→MacBook Air 13インチ
【タブレット】iPad 2→iPad mini 6
【サングラス】ご自由に(※スワンズのDf. Pathway)
【湯沸かし器】Water Boiler USH-10→どこにでも電気ケトルがある
【マイボトル】ご自由に(※魔法瓶)
【ヘッドホン】ご自由に(※不要)
【デジカメ】EOS 5D Ⅱ→α7→ご自由に
【コンデジ】GRデジタルⅣ→RX100M4→ご自由に(RX10M4?)
【エコバッグ】ご自由に
【スピーカー】foxL V2→ご自由に(※不要)
【ひげ剃り】Mobile Shave M-90→ご自由に(※不要)
【ブランケット】サバイバルシート
【モバイル瞑想セット】iPod nano→ご自由に(※不要)
【マスク】のどぬーる ぬれマスク→ご自由に
【SIMカッター】Micro SIM Cutter→不要
【モバイルバッテリー】SBC-3001→ご自由に(※Anker製かなあ)
【お灸】黄帝灸→ちょっと違うけどマッサージガン
【モバイルアンプ】DACport HeadPhone Amp→ご自由に
【マイク】iM2→Ulanzi AM18
【ストレージ】My Passport 1TB→SSD 2TB
【Wi-Fiルーター】WN-G150TRW→不要
【充電池】エネループ→ほぼ不要
【手袋】スマホ軍手→タングステン手袋
【レインジャケット】HELIUM 2→STRIKE JACKET→パタゴニア フーディニ?
【ダウンジャケット】VEGA→モンベル プラズマ1000

ほぼ不要となったリストラアイテムを挙げると、湯沸かし器(ホテルの電気ケトルで他の客が何を沸かしているのかわからないので自前で持っていく人もいるみたいですが)とSIMカッター、Wi-Fiルーター、エネループあたり。個人的にはヘッドホンやスピーカー、電動ひげ剃りも必要ありません。

あと、同著には一切出てきませんがFire TV StickやApple TVといったTVセットボックスの類は、あるときからほとんど旅行に持っていかなくなりました。というのも、夜間はホテルのネットが遅いことが多く、ストリーミング動画など観てられないからです。あと、ホテルにNETFLIXやYouTubeに対応したテレビが増えてきたこともあります。

また、目的地によってはリストラしようかなあ、と思っているのが魔法瓶です。都市部だとコンビニや自販機で冷たい・温かい飲み物が容易に手に入るので。逆にちょこちょこ出番が増えているのが魔法瓶構造の缶ホルダーで、買ってきた缶ビールなどをホテルの部屋で飲んだり、モーニングコーヒーを部屋で飲んだりする際などに活躍します。なので大きいサイズじゃなく、なんならサーモスの280mlの湯呑みでもいいくらい(ちょうど360ml缶が収まる)。

最後に、ウェア類ではパタゴニアのフーディニジャケット(防風と撥水)と、モンベルのプラズマ1000 ダウンジャケット(防寒)に落ち着きつつあります。ノースフェイスのストライクジャケットなんかはレインウェアなので防水性が高いのですが、その分かさばるのと、腕周りの肌触りがよくないのとであまり着なくなりました。雨や日差しは別途モンベルの日傘でしのぎます。

1 MONTH PACKING


【スーツケース】TUMI Alpha Bravo→ご自由に
【アイロン】VM-03→シワとりスプレー
【ソーラーパネル】AA SOLAR CHARGER→ご自由に
【体重計】ぴたりmini plus→ご自由に
【サンダル】平たくなる革のサンダル→ギョサン→リカバリーサンダル
【簡易トレーニングセット】ご自由に
【布切れ】マルチケープ→ご自由に(※モバイルブランケットは欲しい)
【クッカー】Travel Cooker→ご自由に(※物色中)
【エスプレッソマシン】Handpresso→スタレッソミニ
【アクションカム】GoPro HERO 2→Insta 360、Osmo Pocketほか
【三脚】GK1580 TQR5→不要
【スニーカー】アシックス GEL-DS→ご自由に
【心拍数モニター】GARMINほか→Apple Watch

ここからは、かなり「ご自由に」が増えちゃうんですけども、最近の旅で見直そうかと考えたのが体重計とサンダルです。道中体重を測って食べ過ぎ防止するわけではなく、LCC利用時に荷物を量りたいだけなんですが、まあ、空港で探せばあるにはあるので結果不要かもしれません(それまでドキドキしますけどね)。サンダルは、ここ数年、街でも山でもルナサンダルを愛用していましたが、どうも足裏への負荷が高いようで、新陳代謝が活発になる→足が臭くなるので、もうちょっと労らないとなとギョサン→リカバリーサンダルと変遷しています。ギョサンは長距離を歩くと足裏をゴリゴリ削るのでダメなんですよ。リカサンに関してはHOKAとウーフォス両方買って試しているのですが、ウーフォスがいいかもな。

3 MONTH PACKING


【スーツケース】RIMOWA Sport MW 80→高すぎて買えない!
【健康シューズ】Kizingo Mid→ご自由に
【ドーリー】ご自由に
【ソーラーパネル】ご自由に
【モバイル電源】Apple Juicz→ご自由に
【スピーカー】BOSE M3→不要
【モバイルプリンタ】PIXUS iP100→不要
【電動アシスト自転車】YS-11 Hybrid→シェアサイクル

特筆すべきはモバイルプリンタが不要になったことでしょうか。10年前はLCCに乗るにもプリントアウトした紙の搭乗券が必要でしたが、いまやスマホのQRコードでOKになりましたからね。

あと、ラストワンマイルの乗り物ですが、シェアサイクルが普及したことで、わざわざ個人所有する必要もなくなりました。とはいえスケボーやキックボード付きスーツケースへの憧憬がやむことはないのですが。

他に10年前と大きく異なるのは円高から円安になり、舶来品が高額になったことでしょう。リモワなんて2倍もしますからね。もう買えません。もっとも海外ではリモワは狙われやすいそうなので、もらいもののクラッシュバゲージでいいんだと自分に言い聞かせています。

1 YEAR PACKING


【自炊セット】ScanSnap S1500ほか→不要
【クラウド】Pogoplug POGO-P25→不要
【ドローン】AR. Drone→不要というか、使いにくくなった
【アンプ】TEAC A-H01→ご自由に
【スピーカー】以下同

この項で10年前と違うのは、紙の本から電子書籍へのいわゆる「自炊」がほぼ必要なくなったこと。レシート類もスマホカメラでパシャっとやればOKなケースが増えたため、プリンタ同様スキャナの出番もめっきり減りました。

そして、ドローンですが規制と免許制度によって、ほぼ素人が扱えるシロモノでなくなったため、わざわざ使うメリットがなくなってしまいました。あと、いかにもドローンで撮りました!っていう動画にみんなが慣れて、インパクトが逓減したのもあるかもしれません。もちろん、いまだ楽しいガジェットですし、余裕があれば欲しいものではあるのですが、デジカメ→スマホカメラの流れ同様、ちょっと面倒なものにわざわざ手を出すかといったら、ドローンはだいぶ後回しにされるガジェットかなと思います。

FUTURE PACKING


【家】Indian Tipi→軽1BOX?

ティピーはさすがにあれですが、震災やコロナ、キャンプブームを経て、移動できる家、つまりクルマの需要は高まっています。とりわけ経済性と取り回しの良さから経バンといいますか軽1BOXの注目度が高まるばかり。インバウンド需要でホテルが高止まりするなか車中泊ができる軽1BOXは節約旅行に有効ですし、無職ホームレスになってもクルマさえあれば当面車上生活でしのげます。実際、日本でも映画『ノマドランド』のようなライフスタイルを送っている人(送らざるをえない人)が増えていると思います。

いかがでしたでしょうか