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今週末のNatural High! 2011 土曜深夜に聞いた、環境活動家といっていいのかな、作家・田中優氏がゲストに加藤登紀子を招いておこなった、脱原発に関する講演会「大自然の中で、フクシマを語り自然エネルギーを実感しよう」の極私的なメモを残しておきます。トークを聞いている最中はメモを取っていないので、ぼくが「2日後」に、「思い出せる範囲・順序」で、「脱原発ができる理屈の部分」を中心に書き留めているので、実際に田中優氏が話したことと異なっている部分があるかもしれませんので、ご了承ください。ヤバげな間違いがあったらご指摘ください。でもアップするのは、それだけポップでわかりやすく、人にも伝えられるトークライブだったということです。
【メモ】
電力会社は発電の原価に3%の利益をのっけて電気を売れるので損しない。



ゆえに利益をあげようとすれば、発電所をいっぱい作って、電気を使わせればいい。



電気は生ものなので作ったらすぐ使わないといけない。そのため発電所の数はもっとも電気が消費される時間帯にあわせて作られている。

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電力消費のピークは決まっている。7月と9月の気温31度以上の平日で午後2時〜3時。逆にいえばそれだけのために多くの発電所が作られている。



家庭の消費電力は消費電力全体のほんのわずかで、ピーク時に節電しても効果はほぼない。そもそも日本の家庭の消費電力は先進国の中ではもっとも低いレベル。



多くの電力は企業が使っている。そして、使ったら使った分だけ払う家庭向けの電力料金と違い、企業向けの電気料金は大口であればあるほど電気料金が安くなる料金体系なので、企業は節電しない。

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つまりピーク時の電気使用量を減らすには、ピーク時だけ企業向けの電気料金を値上げすればいい。これで全国の原発を停止してもまかなえる。



電力ニーズにあわせて発電所を作るのではなくて、今ある発電能力あわせて消費する。アメリカでは発電所がピーク時に各家庭のエアコンを30分間に5分だけ停めたりする地域もあるが、誰もそのことに気づかない。

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そもそも地震大国の日本に原発を作ったのが間違い。40年前は石油ショックで、当座のエネルギー確保に原発が必要だったのかもしれないが、自然エネルギーが実用化した今となっては不要。



発電コストも他の発電に比べて安いと主張するが、実は全然安くない。廃炉や使用済み核燃料の処理費用などは含まれていないし、水力発電の発電コストに原発による揚水発電の費用が含まれるなどインチキもある。

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でも誰も原発を批判しなかった。



それは原発利権が、政治家、土建屋、マスコミに蔓延していたから。



電力会社が発注する発電所の建設費用5000億円の数%が、手引きした政治家の懐に入る。それで大きくなったのが自民党の田中派。新聞テレビなどマスコミの最大のスポンサーは全国の電力会社。100%独占企業なのに広告を出す狙いは何?



電力会社は暴利をむさぼってはいないが、その代わり、国民から世界一高い電気料金を徴収し、政治家、天下りの官僚、土建屋、マスコミらが潤うような仕組みを作り上げている。



だから国民は原発のことを正しく知らないし、議論にもされない。もっとも今回の損害賠償で東電がスポンサーをおりたので、やがてマスコミが東電批判を始めるはず。

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でも今後どうすればいい?



デモしたり投票したりして政治に訴えるのもいいが、自分で脱原発・脱東電してしまうこともできる。



ソーラーパネルをつけ、この夏発売される家庭用蓄電池を買えば、夜でも自家発電の電気が使える。あわよくば余った分は電力会社に買ってもらえる。



オール電化住宅で、電気自動車に乗っていれば、エネルギーを買うことがなくなる。



売れないものを作っても仕方がないので電力会社は小さくなる。原発も維持する意味がなくなる。

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また、国から借金して作った送電線や電柱を、国が借金(避難民や地元への補償)のかたとし東電から取り上げそうなので、それが実現すれば発電と送電が切り離される。送電線はいわば公共の道路のようなもの。電力会社が牛耳っていた送電線を、誰でも自由に使えれば、やがて小さな地域発電所ができて、地方に雇用も生まれる。



水力、風力、太陽光、地熱、波力など、自然エネルギーの発電技術は日本がトップクラス。使われてないだけ。推進すればエネルギーや技術を輸出産業にもできる。



そもそも日本はエネルギー自給率が低く税収の半分以上、23兆円ものエネルギーを毎年海外から買っている。これがなくなれば、どんだけ財政が楽になるか。

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ついでにその場に居合わせた八ヶ岳のシェルパ斎藤さんの自宅兼カフェは、昼間ソーラーパネルで電気をまかなっている。夜の電気代は6000円だが、昼間の発電を電力会社に買ってもらうので差し引き1万円の儲けがある。水は井戸水。トイレはいざとなれば庭でできる。つまりエネルギーを自給自足可能。



以上です。

個人的に集団行動があまり好きではないのと、政治にも大きく期待はしないタイプなので、結局自分でイチ抜けするには、ソーラーパネル、家庭用蓄電池、EV、井戸を用意して暮らす。これがオルタナティブライフの真打ちかもしれないなと思いました。でも日本で安全な土地ってどこにあるんだい?的なね。

田中氏は「日本では偏西風が吹いているので西の原発から止めていかないといけない」と言ってたので、昔から妄想していた「鹿児島県の東シナ海側で夕陽を見ながら暮らす」というおぼろげなビジョンはあながち間違ってなかったのかもしれません。もっとも火山王国かつ、黄砂の最前線でもあるので、別のリスクもあるわけですが。