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ここ数年は毎年出かけているフジロックですが、いまだに「服装」と「装備」の最適解というのが見つかっておりません。なお、ぼくのフジロックの典型的な過ごし方は──朝「ロック難民キャンプ」を出ると、夜中〜明け方までテントサイトには帰ってこず(会場からの往復で1時間以上ロスする)、盗難も心配なので荷物を置いておくベースなども特に決めず、強いて挙げれば入場口直前のバイク置き場に停めたスクーターをロッカー代わりに使えるくらいで、(入場口直前のバイク駐車場は廃止)基本的にすべての荷物を持って1日中歩きまわり、各ステージで座ったり、寝転んだりしてライブを楽しむ──というものです。
2016年版にアップデートしました。

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長靴必須


まず足もと。苗場は天候が変わりやすく、一切雨が降らなかった年なんてほぼないので、必ず短めで柔らかい素材の長靴を履いています。GORE-TEXのハイキングシューズは泥が付いてしまうと落としにくいし、いっそ防水を諦めてサンダルやスニーカーにしたところで、会場内で足を踏まれたり、足が濡れることで夕方から夜にかけて思いっきり体が冷えてきたりするのでNGです。カンカン照りになってしまうと長靴は暑くて仕方ないんですが、一度でも雨が降ると会場内でドロドロになる箇所も出てくるし、悪いことは言いません、長靴にしておいた方が無難です。途中で履き替えるつもりで、軽いビーチサンダルを持って行ったこともありましたが、確かに快適なんですけど、その間ずっと長靴を持ち歩かなくてはいけないので荷物が増えるのもお忘れなく、です。

雨と夜で冷える


服装は吸水速乾の化繊Tシャツと動きやすいアウトドア用のパンツに、日焼けと防寒のための薄い長袖ジャケットが例年のパターンです。この長袖ジャケットがミソで、テントや宿から出るときは「今日はクソ暑そうだからジャケットいらねーかー」と思って出かけると、雨に降られたり、日没以降グッと気温が下がるなどしてガクブル状態になり、最悪トリをテントの中で聴くハメになったりします(それは俺だ)。

なので小さく折りたたむとポッケに入るくらいの薄手のウインドブレーカーをひとつ買っておくと良いと思います。近年ではモンベルのバーサライトジャケットのような超軽量レインジャケットもあるので、合羽と併用することもできます。もっと寒がりな人はこれまたクシュクシュにするとペットボトルより小さくなる、薄手のダウンジャケットやダウンベストを持っておくといいでしょう。ただ、天然ダウンは異常に乾きにくいので汗や雨は禁物です→化繊ダウンにすると水に濡れても保温性がありますが、天然ダウンに比べるとかさばります。

頭は日よけと雨よけをかねたつばの広いハットにしたいのですが、まだこれといった決め手がありません。アウトドアリサーチのソンブレロシリーズなのかなあと思っているんですけどね。まだ悩み中です。ここ2年は普通にシルクハット型の綿ハットで、雨が降ったらレインウエアのフードをかぶっています(2枚目の写真)。

雨具はポンチョが便利


そのレインウエアも頭を悩ませます。後述するような決して少なくはない荷物を持ち歩いていると、雨が降ってきたからレインジャケットと、パンツを履けばOK!ではなく、リュックサックなどのバッグも含めて雨から守らなくてはいけないのです。

となると便利なのがポンチョです。少しの雨なら荷物を背負ったままポンチョを羽織ればやりすごせますし、ポンチョ+パンツで激しい雨もなんとかしのげます。さらにポンチョのいいところは雨に降られていても、ポンチョ内なら濡れずに手元で非防水のガジェット操作や(目視はできませんが)、荷物の出し入れができるのです。これはレインウエアでは真似できないところ。もっともポンチョは左右がガバッと開いているので雨が降り込みやすく、レインウエアほど立派な防水透湿素材を使っていないので、蒸れやすかったり、あるいはポンチョごと座ったらお尻に雨が染みやすいという弱点があります。

実際ぼくも一昨年くらいに買ったエーグルのポンチョを使っているのですが、ずっと雨に降られているとものすごい湿気で内部がビショビショになります。ただ、ポンチョは晴れていればピクニックシートにもなるし、使えるやつではあります。もっともぼくは苗場までバイクで行くので、バイクを運転している間はまた別にタイトなレインジャケットが必要なんですけどね…。

また、ポンチョとレインウエアの中間的な存在に、レインコートという選択肢もあります。レインジャケットの裾が長いものですね。これだと荷物を背負っていても十分体をカバーしてくれますし、腕が動かしやすくなりますし、体の内側も濡れにくくなります。その分、レインコート内での荷物の出し入れなどは、やりにくくなるのでやはり良し悪しはあります。

※近年は、前述した超軽量レインジャケットバーサライトに、防水リュックサックが最適解かなあ、という気がしています。

以上が服装。次に荷物です。

モバイルバッテリーは大容量のものを


財布にスマホは基本として、5日間におよぶテント生活ではバッテリー切れに備えて大容量のモバイルバッテリーが最低2個は欲しいところ。ぼくの場合は、iPhoneにドコモの携帯電話、モバイルルーターとエネループを最低限持って行くと思いますiPhoneとiPad、Kindleでしょうか。ドコモ以外はいずれも非防水なので、ジップロックなどで雨に備える必要があります。

加えて持っていくデジタル機器としてありがちなのはデジカメでしょうか。雨に対しては防水スマホのカメラや、防水コンデジがあれば非常に便利です。晴れているあいだしか写真が撮れないと、せっかくデジカメを持っていったのに全然写真が残っていないというパターンに陥りがちだからです。それでもぼくは今年、せっかくSEL18200というバカ高いレンズを買ったので、NEX-5との組み合わせでα7Sを持っていってしまうと思います。

他に電気が通っているもので必要なのは、ヘッドランプですね。小さくて防水でLEDのものなら問題ないと思います。荷物としては大したことはないので、むしろ電池残量のマネージメントというか、スペア電池の準備を怠らないようにしたいものです。意外とすぐ切れます。

セームタオルを知らない人は人生損してる


他には綿タオルや手ぬぐいといった汗や手ふきに使うリネン。それと、非防水のガジェットを濡らしてしまった時や、雨の中で一瞬手を乾かしたい時、またはシャワーや温泉でさっと体を拭きたい時など、水分をさっと吸収してくれなおかつちょっと絞るとまた無限に吸い取ってくれるセームタオルは外せません。いや、本当にセームタオルを知らない人は人生損してるとすら思いますよ。

やっぱり椅子があると楽ちん


そして椅子です。これまた悩ましい選択です。いらないと思われそうですが、地べたに座るだけでもけっこう疲れるんですよ。そう思って最近は必ず、クレイジークリークのヘクサライトという、体育座りをチョー快適にしてくれる椅子(というか見た目は座布団)を持って行ってます。これはくるくる捲けて、素材も軽いので重宝しているんですが、地べたに座るため、雨が降って下がドロドロになると使えなくなるのが弱点です。

なのでたとえ重くなっても、小さな折りたたみ椅子があるとやっぱり便利なんですよね。地面がドロドロになっても椅子の座面に持ち物を置いておくこともできます。去年は前夜祭から大雨だったため、急遽現地で小さな折りたたみ椅子を買ったほどです。それだけに今年はもう少し軽くて、しっかりした造りの折りたたみ椅子が欲しいんですけど、少しでも背もたれがあるものだと、いくら小さくても2kg近くするんですよね。これはもう少しリサーチせねばなりません。

残る荷物は水とかお菓子ですか。つまり、どんだけ軽量化しようとしても、3〜4kgほどになってしまうフジロックの手荷物。何か劇的な解決策はないでしょうかねえ。これも昔書きましたが、筋肉モリモリつけて雨に濡れても冷えず、地べたに座っても平気な、強靱な肉体を作ると良いのかもしれませんけどね。本当にタオルと財布、ケータイくらいで1日モッシュしまくってるキッズたちはすげーと思います。

【追記】

ガチンコでオススメなアイテムばかりのアホリエイトリンクを貼りました。特にダウン、ウインドブレーカー、セームタオル、防水軽量バックパック、座椅子はぼくも使っているものです。

【追々記】
アホリエイトのアイテムを2013年バージョンにアップデートしておきました。なかでもTシャツより軽いモンベルのレインジャケット「バーサライトジャケット」は値段も手頃だしオススメです。あとGORE-TEXの帽子は、デザインがシンプルで良いノースフェイスに変更しました。でも、炎天下でゴアハットは蒸れますし、レインジャケット側にフードもあるので、風通しの良い帽子を選んだ方が無難かもしれません。あと、Tシャツを着て首元や口、鼻が焼けるのはちょっと…という方はバフの「ハイUVプロテクション」があれば、良いかもしれません。冷感素材ですし汗拭きにもなります。

長靴は最近エーグルばっかりだし、個人的に新しいロゴが好きではないので、ハンターはいかがでしょうか? ショート丈にも惹かれてしまいますが、脚長効果があるのはやっぱりロング丈です。

ヘッドランプのオススメは電池が切れてもモバイルバッテリーでUSB充電することができる、ブラックダイヤモンドの「リボルト」。カバンの中で勝手に電源が入らないようホールド機能があるのも地味に便利です。そのモバイルバッテリーは、これ1個あればなんとか3日はもつであろう、「Cheero Power Plus 2」→より大容量のANKERでよろしいかと思います。心配症は2個持って行く。

あと、苗場にもヤマダニとかマダニがいるおそれがあるので、(効くかどうかわかりませんが)虫除けは必携です。スプレーだといくらも体にかからないので、ジェルタイプが超絶オススメ。

さらに、入れたての冷たいビールを冷たいまま飲みたい場合に、サーモスの超軽量魔法瓶。寒い時に暖かいものを入れておくのも良いでしょう。しかし入場時に空じゃないと手荷物検査に引っかかる可能性があるのと、一度ビールやコーヒーなど味や匂いがキツイものを入れると、ほぼ取れなくなるので専用品と割りきって使った方がよいかもしれません。

そんなわけで、今年もぼくはフジロックに行きませんが、お気をつけてお楽しみください。

【2016年追記】
カリマーのサイトに出ております。ご参考まで。

実際に参加しての感想

関連リンク
フジロック手荷物軽量化|貯金男(3年前のエントリ)