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新しいiPad(Wi-Fi/ホワイト/64GB)が届いて5日。最近、外出する際はMacBook Air 11インチの代わりに、ポメラDM100と一緒に持ち歩くようにしています。重量はMBAが1080gに対し、iPad 652g+ポメラDM100 399g=1051gと気持ち軽くなったように見えますが、ポメラに必要な単3電池2本を含んでいないので、むしろ30gくらい重くなります。さらに写真のようにスマートカバーを付けちゃうと150gくらい重くなるようなので、なんだかんだと1.2kgです。でもMBA 11インチがせいぜい3時間ほどしかバッテリーがもたないのに対し、iPadは10時間(実際は8〜9時間)も駆動するなら全然いいじゃんとも思うのですが、1.2kgなら10時間くらい駆動するWindowsノートという手もあります。
もっともこの数日、そもそもMacBook Air vs iPadとか、iPad vs Windowsノートといった比較はあんまり意味をなさないのかなとも感じるようになりました。当たり前のことですが、ネットやメールていどであれば、十分パソコンの代わりにはなるiPadですが、それ以上のことを求めるとできないことが多すぎるのでガックリしちゃうのです。例えばぼくの仕事(ライター)の業務内容ではざっと以下の機能が必要ですが、タブレットだと一部がまだ対応できていません。

1.原稿を書く
2.テキストファイルにしてメールに添付する
3.コメントが挿入されたWordファイルを閲覧・編集する
4.PDFの出力見本に赤字を書き込む
5.書き込んだPDFをメールで送る
6.撮影した写真を取り込む
7.取り込んだ写真をレタッチ・リサイズする
8.重めのデータをストレージやデータ便を利用して渡す
9.請求書をエクセルで作成してプリントアウトする

特に、まだMicrosoft Office for iPadが出ていないので2.は無理ですし、ファイラがないので8.の作業もやれたとしても手数がかなり多そうです。だからと言って「やっぱノート最強!」と言いたいわけではなく、逆に4.などはタブレット端末ならではの使い方ですし、つまりノートにはノートの、タブレットにはタブレットの、得意分野やハマるシーンがあり、まったく別モノのデバイスだと思った方が良いのだろうという結論にいたりました。実際アンディみたいに、iPadとノートパソコンを一緒に持ち歩いている人もけっこういるみたいですしね。

そこで、iPadが何に向いているかと言うと、これはやはり基本的にビューワーです。写真、動画、電子書籍、電子化した資料、ウェブサイト、地図…などなど、とにかく大画面に表示して見るもの、モニターです。そしてモニターでありながら、タッチして自由に遷移させたり、改変したりできるので、電子ペーパー、電子黒板、電子メモ的な存在でもあります。例えばぼくの仕事で言うと、「こんな感じの写真を撮って欲しいんです」「これから取材する人はこんな人です」「今日うかがったのは、このサイトの取材です」などと、特に複数人でイメージを共有するには超絶便利なツールだなと感じました。

イメージの共有ならケータイやスマホでも可能ですが、2名以上の人間が同じ画面を見ながら、話をするにはiPadくらいの画面が必要かなとも思います。端的に言うと、タクシーの運転手に「ここに行きたいんですけど…」ってスマホを差し出すと、十中八九、端末を奪われて凝視されるじゃないですか。あの時の「ちゃんと伝わってるのかな」という不安感がタブレット端末にはない。その場にいる人が同じ方向を向いて、同じものを見て話ができること。それが大事だし、そこにハマるのがiPadというか、タブレット端末かなと思うんです。

逆にプライベートなSNSを映すモニターとしてはデカすぎて、自宅ならともかく外出先で閲覧するのが憚られるんですよね。ひょいと覗けばTwitterやFacebookのアカウントまる見えですし、いつエロ画像が飛び出すかわからないtumblr.なんて怖くて表示できません。

他にハード的な感想としては、バッテリーが大容量になったせいか充電にけっこう時間がかかります。1日外出してフルに稼働させると、その日はなんとか電池がもったとしても、夜にちゃんと充電しておかないと翌日使えなくなることもあるかもしれません。ノートパソコンよりかは随分電源管理が楽なはずですが、それでもコンセントの確保がままならない移動続きの旅行だとどうなっちゃうんだろう、とやや心配ではあります。

巷で言われている本体の熱問題ですが、確かに当初はやや熱かった気がするものの、今は落ち着いている印象。一部で指摘されているように、Spotlightによるインデックス作成で最初だけバックグラウンドでCPUがフル稼働しているからかも知れません。処理速度も購入当初は「ややもっさりしてるかな」と思ったんですが、この頃はそうでもないですね。それでも、400dpiでスキャンした電子書籍の描画はやや遅めです。

そして、肝心のアプリは、初代iPadを2カ月で手放してから1年半ぶりにiPadアプリを漁っているのですが、1年半経った今でも思ったより充実していないんだなというのが正直な印象です。これから既存のアプリがRetinaに対応することも考えると、まだまだiPadの旬(があるとすれば)はこれからだという感触です。

ちなみに、スマートカバーはアップルストア銀座のお姉ちゃんとの相談の上、派手なピンクを選んじゃったんですけど、店頭のサンプルはどの色もドス汚れていたので、消耗品なんだろうなあという覚悟でおります。本当は本体重量が重くなるし、「カバンからサッと取り出して使う」のが美点のiPadにわざわざワンアクション追加してしまうので、蓋なんか付けたくなかったんですが、カバン収納時の液晶面保護とチルトスタンド用途として買わざるを得ませんでした。それで4000円は高すぎると思うのですが…。

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