もう先週のことになりますが、かねてより楽しみにしていたアニメ映画『グスコーブドリの伝記』を観ました。登場人物ほぼ全員ネコちゃんという1985年公開の『銀河鉄道の夜』から27年、当時のキャラたちがデザインはそのままに、配役を変えて宮沢賢治の童話を再び演じる注目作です。『銀河鉄道の夜』はリアルタイムで観ていないんですが、たびたびオンエアされたテレビ放映版と、その後VHS、DVD、CDと幾度となく買った映像ソフトと音楽ソフトでくり返し何度も楽しんだ大好きな作品なのです。何を考えているかわからない無表情なネコちゃんたちの作画と、細野晴臣によるメランコリックで恐怖すら感じるスペイシーなサウンド、原作同様に不可思議なセリフまわし、支離滅裂にも思えるストーリー展開が、当時のフィルムの質感の上で絶妙に結実してるといいますか。もはや、ジョバンニが逃げ出した村の外れとか、トマトのスープ、「はい、おつり」、麦畑の掛け時計など数々のシーンは、ぼくの幼少期の心象風景になっちゃってるんですよね。Blu-rayで出ないかな。
さて、『グスコーブドリの伝記』。
ただ、楽しみな半面、懸念がなかったわけではありません。というのも、前作の主人公ジョバンニのデザインそのままの青いネコちゃんが、今作の主人公グスコーブドリなわけですが、その声をアテるのがジブリのやり口よろしく若手イケメン芸能人なんですよ。少年っぽいいでたちのキャラに成人男性の声が載っかるんですから、違和感ありまくります。それとも前作を知らなければ気にならないんでしょうか。
もうこの声と、微妙に使われるCGが気になって、物語に入り込めません。「これはマズい、観るんじゃなかった」…と思っていたのですが、物語が進むうちいとも簡単に10数年くらい経ってしまうのでだんだん気にならなくなってきました。そりゃ、声変わりもするでしょう。
その変わりに、人さらいの「おおほいほい。おおほいほい」に代表される相変わらず不可思議なセリフまわしや、天変地異や社会情勢に翻弄されながらも自己献身を貫くブドリのけなげなたたずまいに引き込まれていくのでした。加えて、前作のファンにとっては、かつてのネコちゃんたちが、今作ではどういった配役になっているのかチェックするのも楽しいのです。
鑑賞後、ティーンネイジャーを中心に「意味わかんない」という感想がもれ伝わってきた作品でしたが、逆にもっと小さい子どもたちの方が、筋が通ってないなりに何か感じ取れるものがあるのではないでしょうか。
責任は持てません。
また、1回観れば十分な作品のような気もしますが、『銀河鉄道の夜』と一緒にBlu-rayセットにされたら買わないでもない佳作であったと思います。いずれにせよ、業界関係者いわく「興行成績が良くないので、公開はすぐ終わっちゃうと思います」とのことなので、興味がある方は7月中に観た方が良いようですよ。
関連リンク
・グスコーブドリの伝記
ただ、楽しみな半面、懸念がなかったわけではありません。というのも、前作の主人公ジョバンニのデザインそのままの青いネコちゃんが、今作の主人公グスコーブドリなわけですが、その声をアテるのがジブリのやり口よろしく若手イケメン芸能人なんですよ。少年っぽいいでたちのキャラに成人男性の声が載っかるんですから、違和感ありまくります。それとも前作を知らなければ気にならないんでしょうか。
もうこの声と、微妙に使われるCGが気になって、物語に入り込めません。「これはマズい、観るんじゃなかった」…と思っていたのですが、物語が進むうちいとも簡単に10数年くらい経ってしまうのでだんだん気にならなくなってきました。そりゃ、声変わりもするでしょう。
その変わりに、人さらいの「おおほいほい。おおほいほい」に代表される相変わらず不可思議なセリフまわしや、天変地異や社会情勢に翻弄されながらも自己献身を貫くブドリのけなげなたたずまいに引き込まれていくのでした。加えて、前作のファンにとっては、かつてのネコちゃんたちが、今作ではどういった配役になっているのかチェックするのも楽しいのです。
鑑賞後、ティーンネイジャーを中心に「意味わかんない」という感想がもれ伝わってきた作品でしたが、逆にもっと小さい子どもたちの方が、筋が通ってないなりに何か感じ取れるものがあるのではないでしょうか。
責任は持てません。
また、1回観れば十分な作品のような気もしますが、『銀河鉄道の夜』と一緒にBlu-rayセットにされたら買わないでもない佳作であったと思います。いずれにせよ、業界関係者いわく「興行成績が良くないので、公開はすぐ終わっちゃうと思います」とのことなので、興味がある方は7月中に観た方が良いようですよ。
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・グスコーブドリの伝記