肉編に続いて、2日目のアート編です。もともと今回の十和田旅は、肉目当てでも、温泉目当てでも、ましてやパワースポット目当てでもなく、アート目当てだったのです。初日にさんざん楽しんでおきながら、あれはおまけ。本当は、十和田市現代美術館で開催されている栗林隆展が観たくなって、しかも終了が9月2日までに迫っていたので、急遽ツアーを組んだのです。かねてからロン・ミュエクの作品を常設している十和田には行ってみたかったのもあり良い機会でもありました。いずれにせよ、この終了間近というのが絶妙なタイミングでして、たぶんこれが1カ月後の終了だったら焦ることもなく、そして結局来ることもなかったように思います。
2日目、相変わらず快晴。美術館前にあるアート広場の作品。
諸星大二郎の『生物都市』のような彫刻。
お隣の狭小住宅みたいなお宅はトイレであり、垂れてるシルバーが作品でもある。
ニョロニョロ的な。
6月の直島に次いで、再び黄かぼちゃに出会えるとは。
わんわん。
以前雑誌で見たことあるモコモコ家とモコモコ自動車。
乗りたい。
この辺だけTDLのトゥーンタウンっぽいたたずまい。
とても暑いので、美術館へ。こちらもわんわん。
ロン・ミュエク『Standing Woman』。超デカいのに不思議と大きさを感じない。
今回一番のお気に入り作品。Hans op de beeck『location 5』。真っ暗なダイナー。
美術館内は撮影禁止にて、屋上よりニョロニョロを眺める。
そして、お目当ての栗林隆展。膨大な盛り土で山を再現した『Wolkenmeer』。
いろんな角度で見渡したくなる。ちゃんと地層も再現されています。
一定時間ごとにドライアイスが噴出されて、まるで雲や靄、霧のように漂います。
わざわざ土日を選んで来たのは限定のアートケーキがお目当て。
上の作品を再現したケーキ。右端の方がクリーム多い! ずるい。
十和田市商店街にもいくつか作品展示があります。看板がカッコいい。
ほぼゴースト商店街のシャッター穴から除くインスタレーション。
町のお茶屋さんの地下に広がったニッポン。もしや霧も出たのかな。
ランチに、観光案内所でオススメされた大昌園の牛バラ焼き。
割り下を入れないすき焼きみたいでンマー。玉ねぎの甘みもグー。
新幹線まで時間があるので再び『location 5』でだらだら。居心地が良すぎる…。
帰りは岩手のお弁当。
栗林隆も、ロン・ミュエクも良かったのですが、何よりハンス・オプ・デ・ベーク作にやられました。目の前に座る人の顔すら判別できるかどうかな真っ暗闇のダイナーの、外に広がるだまし絵のような、あるいは舞台美術のような、深夜の高速道路。静かに流れるムーディーな音楽ともあいまって、まるでデビッド・リンチの映画のワンシーンに入り込んだかのような感覚になりました。作品の「状況」が、まるで深夜のような、時間が止まっているような、旅の途中のような、疲れているような、眠いような、夢のような、物語の一部のような、いろんな感情を想起させます。
もしかしたら、これを体験しに十和田に来たのかもしれません。外が炎天下で、新幹線まで時間が余っていたこともあって、ひんやりとした作品内のソファに座ってかれこれ1時間以上も居座ってしまいました。逆説的ですが、これがもしバイクで訪れた気ままな野宿旅の途中であったなら、きっとここまで作品にひたることはなかったかもしれません。宙ぶらりんになった時間があったからこそ、出会える状況があるとすれば、移動手段や宿がフィックスしたツアーも決して悪くないですね。
今回はアートケーキが食べたかったのでどうしても土曜日に美術館に行く必要がありましたが、それがなければ、1日目の午後に美術館に行って、2日目をまるまる奥入瀬渓流ハイキングにあてた方が良かったかもしれません。平日を1日からませれば1泊2日で2万円以内と格安ですし、十和田旅はオススメですよ。
最後に全然関係ないんですけど、十和田のバラ焼きはB-1グランプリで2年連続8位入賞なんですね。ぜひ来年も8位を目指していただきたいです。むしろ。
関連リンク
・十和田市現代美術館
・k u r i t a k a〜☆
・ロン・ミュエク Ron Mueck 全作品まとめ[〜2012]|NAVER
・HANS OP DE BEECK
・十和田バラ焼き