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間に瀬戸内国際芸術祭と穂高登山を挟んだせいで、だんだん記憶があいまいになってきているのですが、あいちトリエンナーレ2日目の模様です。この日はまず栄エリアを観て、長者町エリアに流れるという算段でした。
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テレビ塔にオノ・ヨーコの自殺予防啓発メッセージが! まずは愛知芸術文化センターへ。
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本日最終日という劇団ままごとの『日本の大人』の当日券ありとのことで鑑賞。
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今回のシンボル、ヤノベケンジのバカデカい『サン・チャイルド』。
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そのまま10階の愛知県美術館にあがる。古い家具や建具で庭を造るソン・ドン。
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ここでもヤノベケンジの展示に大きなスペースを割かれてます。
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結婚式も挙げられるというウルトラ・サン・チャイルドの胸像教会。
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椅子には動物が集まってきていて可愛い。
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この後訪れる小豆島でもヤノベケンジは人気でしたなあ。
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吊り下げられた張りぼてのビルが揺らめくハン・フェン。簡素だけど心がざわめく。
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震災がれきでキメラを作り上げる青野文昭。諸星大二郎の『生物都市』様。
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クソ暑い11階の展望回廊ながら、皮肉が面白いダン・ペルジョヴスキの落書き。
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だんだん腹も減ってきましたが、8階の展示も観ますです。
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ヒノキ材に被災者の和歌を描いた彦坂尚嘉は、後ほど豊島でも観ることに。
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美術館内に福島原発の建屋を再現した宮本佳昭。福一原発神社の提案も面白い。
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名古屋市市政資料館が崩壊する瞬間を発泡スチロールで再現したソ・ミンジョン。
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うっかり見逃す谷間婆。他にフィリップ・ラメットなど意外と見どころたくさん。
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日が暮れてから行かないとよくわからないオアシス21の和田礼治郎作品。にしても暑い。
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ハンバーガーを摂取し、飛び地の中央広小路ビルへ。國府理の『虹の高地』。

栄エリアは以上です。バイクを駐車するスペースがなくて焦りましたが、名古屋市は二輪車の駐禁にはあまりうるさくないみたいです(なんとなく)。

ともあれ朝一で鑑賞した『日本の大人』の感想ですよね。「あいつは小学26年生(つまり32歳前後)」というキャッチコピーがすでに耳に痛い、「大人になりきれない大人」「子どもとは何か?」「大人とは何か?」がテーマの戯曲。とある裏技を使って、永遠に初等義務教育を終えることのないおっさん転校生を巡って、それに反発する子どもたちが大人になってゆく様を描きながらも、彼ら自身も大人になりたくない、なりきれない、なれなかった過去と現在を、シームレスに行き来する巧みな演出で描いています。

大人になったのに働いているようで働いていないぼくも、いわば小学33年生と言えなくもないのですが、舞台はこうした大人子どもを、一方的に責め立てるでもなく、オチも含めてどこか絵本のような感触にまとめているようでした。もっとも、我々大人子どもの日常がある種リアリティのないファンタジーの上に成り立っているとも言えるのですが。

その他、ミニマルながらセットも素晴らしく、不思議な仕掛けも見どころのひとつではないでしょうか。奥手にあった小さなサイズの学校用品は、劇団が合宿していた小豆島の幼稚園にあったものを利用しているようですが、この舞台を観た翌日に、実際にその幼稚園に訪れることになろうとは、その時のぼくは露知らずでした。

ちなみに最近ミニくまちゃんが胸に付けている「西小」のバッヂはこのときもらったものです。

その他、愛知県美術館での必見は、ステファン・クチュリエやフィリップ・ラメットの写真、岡本信治郎の東京大空襲曼荼羅、ハン・フェンのフローティングタウン、青野文昭の『生物都市』、そして何よりジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラーの『40声のモテット』でしょうか。40人の声を別々に録音した音が、リスナーをぐるりと囲む40個のスピーカーなら鳴り響くサラウンド感は、耳はおろか脳みそをグリグリほぐしてくれているかのごとく気持ち良い体験でした。ここには時間に余裕をもってずっといて音に浸っていたい。

後は長者町エリアを残すのみですが、すでに岡﨑の『FALLING』、納屋橋の『Foam』、そして愛知県美術館の『40声のモテット』を楽しむために会期が終わるまでに再訪したいと考えているほどです。

つづく

関連リンク
あいちトリエンナーレ2013
ままごと: