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直島に宿が取れなかったので、結局、宮浦港にて野宿で迎えたアートを巡るツーリング5日目。ここまで徹夜→ホテル→野宿→ホテル→野宿と来ておりまして、この日は生まれて初めての豊島に訪れます。
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バイクがあるので直行便は利用できず、まずは始発で宇野港へ。グッバイ赤かぼちゃ。
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瀬戸内海の朝だよー。日の出だよ。
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宇野港であわててオブジェ鑑賞と買い出しに走る。淀川テクニック『宇野のチヌ』。
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豊島経由小豆島行き連絡船に乗る。乗り換え時間は20分だけど飛び乗れるので楽。
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家浦と唐櫃浜に寄港するんですが、家浦で下りて唐櫃岡の青木野枝『空の粒子/唐櫃』。
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この彫刻は去年の大地の芸術祭でも観たかも。隣の清水霊泉の癒し度と異国情緒がヤバい。
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今にして思えば唐櫃浜までフェリーに乗っても良かったかも。棚田付近の抜け。
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豊島美術館も心臓音のアーカイブも開いてないので、仕方なく海水浴。
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唐櫃美術館には、あいちトリエンナーレで観た彦坂尚嘉のミニチュア和歌タワーが。
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今日は葬式らしく、この後バスケ禁止となったイオベット&ポンズ『勝者はいない』。
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隣には墓石用石材で作られた邪悪なドラえもんが2体。これもアートな手触り。
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ようやくクリスチャン・ボルタンスキー『心臓音のアーカイブ』。落ち着く。
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不整脈は逆に不安。ともあれ浜のおしまいにあるロケーションが素晴らしい美術館です。
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豊島美術館が開館したので整理券をもらってくる。日産のマイクロEVレンタカー。
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600円で白檀の香りのするアイスを食べることがアート体験という李淑雅『仏教の味わい』。
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1日限定30食なので瀬戸芸スタンプラリーでは難易度が高めの作品かと。
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30分待ちで島キッチンのランチ。鯛のフリット。隣のピピロッティは金沢での迫力に敵わず。
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さて、ようやく豊島美術館です。ものすごい炎天下でもうヘトヘトです。
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美術館内の写真はないのですが、内藤礼の作品は今回の旅でもっとも感動いたしましたよ。
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隣のミュージアムショップで水分補給。
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豊島美術館と心臓音のアーカイブだけにまた豊島に来たいのー。
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硯の森万里子『トムナフーリ』。スーパーカミオカンデからの超新星爆発信号を受けると光る。
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家浦をスルーして、甲生地区へ。クレイグ・ウォルシュ&ヒロミ・タンゴの『かがみ』。
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公演は終わったけど、デカさが半端ない林舜龍/差事劇団の会場『種の船』。
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廃屋で執り行われる、さきほどの『かがみ──青への想い』の飛び地展示。
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老朽化により展示が終わるという塩田千春『遠い記憶』。タイムトンネルは田園へ。
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会場が遠すぎて上から観るのは時間不足でしたマイク+ダグ・スターンの『Big Bambú』。
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トビアス・レーベルガー『あなたが愛するものは、あなたを泣かせもする』。
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新しく生まれた豊島横尾館。永山祐子の建築で横尾忠則作品を展示。
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庭からすでに志茂田景樹風。三連の大作絵画『原始宇宙』が素晴らしすぎる。
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アンドレアス・グルスキーを思わせる円塔のインスタレーション。
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何をそんなに慌てていたかというといちご家のかき氷が食べたかったのさ! しみるぜ。
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思いのほかフェリーまで時間があまったので、服を着たまま少し泳ぐ。青春(39)。
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というわけで素敵すぎる豊島よ、さようなら。船はおだやかな瀬戸内の夕暮れを進むのだ。
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今日は日没も含めてパーフェクトな1日でございました。
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宇野港着。乗り換え10分で高松行きのフェリーに飛び乗る。
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椎名誠をして宇高連絡船ならぬ、うどん連絡船と言わしめたうどんだが…二連敗。どうした?

よく考えたらわざわざ混んでる瀬戸芸開催中に行かなくてもいいのですが、何はともあれ豊島では、常設展示の豊島美術館と心臓音のアーカイブが必見です。

心臓音のアーカイブはビーチの奥へと続く小径を歩いて行くと、小さな黒塗りの小屋があらわれるというロケーションからして非常にマズい塩梅になっています。美術館に入った途端、波とセミの夏の音から隔離され、ドコンドコンと脈打つ心臓のビートに囲まれ、時に癒され、時に不安になる(主に不整脈のパターンね)。希望者は1500円で自分の心臓音を録音して同資料館に保存され、かつCD化して記念に持って帰れるそうですが、データベースがある限り個人の心臓音が聴けるという点では、未来の遺された家族や、いつか訪れるかもしれない友達のためにレコーディングしておくのも一興ではないでしょうか。

いずれによせ、美術館から見える砂浜が素敵すぎて、ここで仕事したらはかどるか、まったくはかどらないか、極端などちらかだろうなあと思います。ちなみに美術館のお姉さんに「こんなに毎日心臓音の重低音を聴いてて平気なんですか?」と聴いたら、全然平気とのことでした。確かにぼくらが生まれる前から聴いている音だものな。

そして豊島美術館。

シームレスなドーム状のただっぴろい空間と状況そのものが作品で、当初はいったい何のこっちゃらよくわからなかったんですが、やがて足下を這うように動き回る小さな何かに気づき、めいめいに活動していたそれが、やがてひとつに集まってくるその様は、まるで生命活動そのものや、野山や都市など、あらゆる自然現象や社会現象を思わせて、いつまでも飽きることなく眺め浸ることができました。ここも地中美術館同様に照明がまったくなく、また一部屋根も開いているので、くもりの日、雨の日など天候や時間帯によって、作品の表情が変わっていくようです。あまり遅くまで開いてませんが、冬の夕方の光で体験するのも良さそうです。

豊島美術館は良い良いと聞いてはいましたが、ここまで良いとは思ってもみませんでした。というか、ベネッセアートサイト直島の3島はほぼ期待以上ですね。現にこうして3年連続で直島には訪れているし、実家方面にバイクで帰るたびに寄りたいもの。

久しぶりに犬島にも行きたいところですが、この豊島もまた近いうちに再訪したいと思います。

そして、フェリーは高松に着きホテル泊。明日は最終日、高松港から女木島と男木島を巡ります。

つづく

関連リンク
瀬戸内国際芸術祭2013
ベネッセアートサイト直島