白川公園〜栄〜納屋橋を巡った前編に続いて、あいちトリエンナーレ駆け込み再訪の後編です。日もとっぷり暮れまして、長者町から再び栄。翌日は東岡崎を目指します。
ブラックライトであやしくライトアップされる地下鉄・伏見駅。
八木兵丸の内8号館。山下拓也のなまはげ的な奴に襲われる。
ケーシー・ウォンの『遊離都市』のアナザーカット。
夜に訪れるとスカスカ感が補正された菅沼朋香の昭和レプリカ。悪くない。
この日初めて地下鉄を使います。丸の内駅から伏見駅乗り換えで栄駅へ。
四つ目のお楽しみ、名古屋テレビ塔のイルミネーション。
しかし相変わらず和田礼治郞の展示は何がなんだかわかんなかった。オアシス21。
再び愛知県美術館に戻って予約していた平田五郎の『積み木の家』(五つ目)を体験。
ロウでできた狭小住宅は閉所恐怖症にはヤバすぎる物件。洋服もがっつり汚れます。
たまたま夜まで開いている日で良かった。六つ目の楽しみ石上純也の『little garden』も良し。
愛知芸術文化センター11階?から臨むオアシス21とテレビ塔。この日は2万5000歩ェ…。
ホテルにチェックインして『風来坊』で手羽先をいただきます。眠い…。
翌朝、JR名古屋駅できしめんかな。生ましめんかな。名鉄に乗り換えて東岡崎駅へ。
前回は休館日だったので観られなかった駅ビル3階へ。いよいよ七つ目かと思いきや…。
そんな必死こいて観る必要もなかったゲッラ・デ・ラ・パスの古着盆栽。
それより駅ビルの岡ビル百貨店の昭和感が半端ない。がんばれ、菅沼朋香。
バスで移動して松本町会場へ。目が半開きで眠るわんこ。
展示は大したことないんですが松應寺の仲見世は相変わらずいい感じ。茶屋で団子をいただく。
で、八つ目のお楽しみである康生会場の『FALLING』ですよ。死人に観られているかの。
土日だけパフォーマンスがあるのですよ。こんな時でも自分撮りを欠かさない。
13時すぎに始まったパフォーマンス。ピアノが素晴らしい。しかし時間がないっ!
ちびっこテクテク。帰りのバスの時間が迫っているため、岡崎滞在残り1時間強。
駆け足で康生会場を巡ります。
九つ目のお楽しみ、志賀理江子の写真展もサクッと鑑賞。
デカい紙焼きって素晴らしいという結論に至る。写真集でも再現不可能。
曇りでも光がまわりすぎる屋上。しかし、真夏の前回よりずいぶん楽でした。
春ビルのアリエル・シュレジンガー。禁煙まで作品だったとは。額装のヒビすら手作りだとは。
名鉄で名古屋に戻って、バス待ちでなぜか激辛KISSまん。
ひつまぶしを食べる暇がなかったので、バスの中でひつまぶし巻。これで十分でした。
前回訪れた際は「無理して行かなくても良いかも」と断じてしまった長者町繊維街の作品群でしたが、こちらは日が落ちてからこそ本領を発揮するエリアだったようです。リゴ23やケーシー・ウォン、菅沼朋香の作品は夜に観てこそ。これは、日照時間が短くなった秋ならではのセレンディピティだったかもしれません。
セレンディピティといえば、たまたま各会場の公開時間が20時まで延長される金曜日に訪れたことで、通常なら予約でいっぱいの『積み木の家』や『little garden』を鑑賞できたのもそれと言えましょう。撮影禁止だったのでアップできませんが、石上純也の『little garden』のドールハウス的な極小の茶道的、盆栽的、庭園的なミニチュア世界も非常に素晴らしいものでした。
そして、特筆すべきは今回の旅のメインイベントである東岡崎・康生会場『FALLING』(向井山朋子+ジャン・カルマン)のパフォーマンスです。もはや記憶は遠のいてしまい、「ピアノの旋律が良かった」としか印象していないのですが、くしゃくしゃの新聞紙の山に埋もれたピアノ、うち捨てられた車椅子、もくもくと焚かれるスモークと、轟音を立て回転するファン──それらを眺める死人のような観客(自分)──といった「状況」そのものが、自分の根源的な何かを慰撫してやみませんでした。そのイメージは廃墟そのものなのですが、会場であるシビコという徐々に死にかけている商業施設の未来をも予感させ、皮肉めいてもあり、諦観めいてもあり、とても良い感じなのです。
以上、1日半の強行軍でしたが、存分に楽しんだ二度目のあいちトリエンナーレ2013。これまで越後妻有や瀬戸内など、いわば田舎のアートフェスが好きだったぼくですが、都市型アートフェスも悪くはないなと思わせるに足りる展示・作品群でした。何より秋のアート巡りは楽ちん。というか、夏は過酷すぎるんですよ。
繰り返しますが、会期は今週末までですからね。少しでもご興味があれば、行っておいた方が良いですよ。特に『Foam』と『FALLING』の良さはぼくが保証しますでな。騙されたと思って、騙されてください。
関連リンク
・あいちトリエンナーレ2013