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いまだおもちゃはガシャポンしか買っていない『鎧武』ですが、キョウリュウジャーともども放送は毎週しっかり観ておりまして、常に「どのアイテムを集めようかなあ」と思案を巡らせています。そのため、売り場や価格も一応チェックしているのですが、何やら今年はいつものクリスマス商戦と勝手が違うのです。

変身ベルト「戦極ドライバー」が普通に買える


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何よりびっくりしたのは、クリスマスでもっとも需要が高まるこの時期に鎧武のメインアイテムである変身ベルト「戦極ドライバー」がスペシャルセットともども普通に買えるという点です。平成ライダーの放送が秋スタートになり特に『オーズ』以降、毎年クリスマス前に変身ベルト難民が出ていた状況を思い返すと、信じられない事態と言えましょう。

もっともいい加減メーカーも学習し、番組放送開始直後にメインアイテムを大量に市場へ供給できる体勢を整えたという、企業努力のたまものかもしれません。しかし、ベルトに装填する変身アイテム「ロックシード」の新製品が、週明けでも売れ残っているのを見るにつけ、「いつもと違うな」という印象を強くするのです。Amazonでも当然購入できます。

戦隊ものが番組終盤でそろそろ店じまいを始めるなか、クリスマス商戦の主役は間違いなく仮面ライダーですから、戦極ドライバーの絶対数は出ているとは思います。でもベルトは普通に変えるし、ロックシードに至ってはあまり捌けていないように見える。

これはなんなんだぜ?と考えた可能性が以下の通りです。

・さすがにフルーツライダーには幼児もひいた
・DXロックシードが1個1500円と高すぎた
・ガシャポンも1回500円にみんながドン引きした
・DXの前に食玩やガシャポンで手に入れた人が多かった
・ほぼ毎週武器やロックシードの新製品が発売されて消費が分散した

関係者の方に聞いてみたところ実際ガシャポンは売れているみたいですし、毎週何かしらの新アイテムが登場するのは特撮&おもちゃ好きとして嬉しいのですが、あまりに物量感がありすぎてメイン消費者である親御さんや当の子どもたちが混乱しているような気がするのです。

今年はアクションフィギュアの当たり年


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一方で、仮面ライダー玩具では珍しく、可動フィギュアのアームズチェンジシリーズが人気で品薄です。番組放送開始直後こそ、例年のように「ベルトの在庫はないけど、フィギュアはいつでも買える」状態だったのですが、番組中の変身シーンを完全再現できるギミックと意外な質感の高さ、マイナーキャラや追加アーマー、劇場限定アーマーまで商品化する豊富なラインナップ…といったコレクション性の高さから徐々に人気が高まり──もともと生産が少ないこともあってか──現在は「ベルトは買えるけど、フィギュアは売り切れ」という状態なのです。

子どもとしても、ロックシードを集めて(妄想上で)いろんなライダーに変身したり、アームズチェンジするよりは、たくさんのライダーを手中に収めて戦わせたり着せ替えたりして遊びたくなったのかもしれません。ぼくも子どもの頃に「変身ベルト1本か、鎧武と龍玄とバロンのフィギュア3体かどっちか選べ」と言われたら迷うことなく後者を選んだことでしょう。

また、大きいお友達としても、従来マニア向けアクションフィギュアラインとして機能しているS.H.Figuartsではアームズチェンジ(着せ替え)機能が省略されそうなだけに、変身遊びができるアームズチェンジもフォローせざるをえません。アームズチェンジのコンセプトはS.H.Figuartsの前身である装着変身そのまんまなだけに皮肉なものですね。

こうしてまんまと大人と子ども双方からのニーズが高まり、現在の品薄状態が形成されたのだと思われます。

ぼくも当初は人気がなかったのでいつか集めようと思っていたのですが、逆に値上がりしてますからね。こうなったらディスクアニマルやカンドロイド同様に、あわてて発注をかけた在庫が余るのを願うほかありません。

グローバリズムとヒーローソフビの関係


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ついでに、とうとう長年集めてきた800円ソフビのコレクションをやめてしまいそうです。すでにフォーゼあたりから出来の良いものだけや、基本フォームだけを買うようにしていたのですが、値段の割りにはディテイルや塗装が省かれる一方。さらに今年は冬映画で恒例の重塗装バージョンが発売されないという事実でトドメを刺されました。また原材料費が下がったり、生産拠点が変わるなどクオリティが上がったころにカムバックしたいと思います。

いま思うに、おもちゃ好きにとっては、デフレと、今ほど高くない原材料費と、人件費の安い中国進出などで、価格対品質が異常に高かった2000年前後がもっとも幸せな時期だったのではないでしょうか。チョコエッグをはじめとした食玩文化もあの頃に隆盛を極めましたからね。

またこうしたコストがかけられない現状を考慮すると、実際のヒーロースーツとおもちゃのギャップをなるべく少なくするため、キャラクターのデザインを省略する動きが出てきてもおかしくはありません。2014年2月に始まる『烈車戦隊トッキュウジャー』のヒーローとロボがやたらシンプルなのも、実はこの辺の事情があるのかもしれませんね。
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しかし、フルーツ侍に鉄道戦隊って…中国のインチキ玩具やご当地ローカルヒーローみたいで、今年の東映はマジで振り切れてるなと思います。良い意味で!

【追記】
その後の追跡調査によると、やはり今年はこれまでの反省を踏まえ、変身ベルトをめちゃくちゃ生産して供給しているそうです。

実際に未就学児のお子さんを持つ方からも「周りの子どもはみんな持ってるけど、ロックシードは全部買えないから、うまく貸し借りして遊んでる」とのことです。

逆にいえばACは良品のばりに生産量が少ないといったところでしょうか。売り切れになったところですぐ追加生産はできませんし、なかなか難しいものですね。

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