「人生に3つの藤井あり」と言われますが、ぼくにとってのそれは、まずご近所友達の藤井直敬さん(脳科学者)であることに疑いの余地はナスで、その前にどうしても外せない藤井枠に、『R25』の生みの親にして、“ライター”熊山准の生みの親でもある藤井大輔さん(編集者)がいらっしゃいます。その大輔さんの方の藤井さんが、このたび19年勤めたリクルートを退社され、新たに会社を立ち上げると同時に、新刊『逃げない・めげない カイシャ道』(ミシマ社)を上梓されたとのことで、そのお披露目パーティーに馳せ参じました。わんわん。
ライター熊山准・ビギンズ的な話
ぼくがいわゆる出版・マスコミ業界に入る足がかりを作ってくれた、という点においては、以前エントリしたように『カーセンサー』の元編集長・堀江史朗さん(現『オクタン日本版』編集長)や同元編集長・大江治利さんの「気まぐれ」「思いつき」によるところが大きいのですが、その後、編集を辞めライターとして独立するチャンスをくれたのは何を隠そう藤井さんです。
具体的に言うと、ライターとしては何の実績もないぼくに、創刊まもない『R25』の編集会議への参加を認めてくれたのです。2004年当時の『R25』といえば、フリーマガジンブームを牽引するまさに台風の目。この勢いのある媒体に寄稿させてもらえたことで、他媒体からもお声がかかるようになり、以降10年間、一度も営業をすることなくライターとして食い繋いでこられました。
ひどいのは、ライターとして独立する前、ぼくは一度『R25』に編集者として在籍していたということでしょうか。無職でぷらぷらしていた頃、自分からお願いして編集部に入ったにもかかわらず2カ月ほどで「やっぱライターになりたいっス」と一方的に辞め、なおかつ「つきましては原稿を書かかせてください」と居直ったのです。普通だったら「ふざけんなよ!」っつーところですし、実際言われもしたのですが、渋々ながらも最終的には黙認していただきました。
このとき、「藤井さんはなんて心の広い人なんだろう!」と感心したものです。当時でさえ「自分なら無理、許せない」と思ってましたからね。でも、この誰にでも一度は成長の機会を与える藤井さんのスタンスにならい、ぼくも「『R25』で書きたい」という若手を編集部に紹介したり、自分に来た仕事を同業者にシェアするようになりました。
と最後、いい話に持っていきつつ──ともあれ、ぼくは藤井さんに頭があがらないのです。
そこで、本題です。
リクルートで19年間働いてきた『R25』創刊編集長が贈る、傑作・仕事論!
会議がまとまらない、部下・上司とうまくいかない…「人」の悩み
カイシャの人事や仕組みに関する…「組織」の悩み
カイシャ人に尽きない悩みに応える、ありそうでなかった一冊
すべてのカイシャ員に次ぐ!!
『逃げない・めげない カイシャ道』
藤井大輔
(ミシマ社/1500円)
2月12日発売です。ぼくもこの本に出会っていたなら、R25編集部を辞めなかったかもしれないなー。ちなみに、装丁は藤井さんの盟友・スープデザインの尾原史和さんです。
なお、2月18日には発刊記念として博報堂『ケトル』代表の嶋浩一郎氏との対談イベントが下北沢B&Bで開催されるようです。まんが道ならぬ、カイシャ道に迷っているビジネスマンは必聴!かもしれません。
で、ぼくにとって、もう1人の「藤井」さんは誰なのでしょうか。すでに会っているのかもしれないし、まだ会っていないのかもしれない。
関連リンク
・人生の不思議がハラオチするサイト | web R25
・株式会社ミシマ社 | 自由が丘の原点回帰の出版社、おもしろ、楽しく!
・株式会社ミシマ社 | 逃げない・めげない カイシャ道
・クラシックカーの総合情報誌「オクタン」日本版|Octane Japan