サクサクと夏の金沢旅行2日目です。前日はこちら。今日こそは『レアンドロ・エルリッヒ──ありきたりの?』展を見ます。写真はもちろん《スイミング・プール》の底。上の方からは入場無料で見られるんですが、潜入するとなると『コレクション展Ⅰ 透過と反射』に入場しないといけません。
で『レアンドロ展』《見えない庭》。90度のあわせ鏡で構成されたびっくりハウス的な箱庭。
螺旋階段を真横に倒した《階段》。映画『インセプション』を思い出す。
6機のエレベーターがコピペ合体した《エレベーターの迷路》。
鏡に映った楽器でエア演奏できる《リハーサル》。ホーンテッドマンション?
『コレクション展』(撮影禁止)も観てから、いよいよプールの底へ。
太陽の日射しが差し込んだ方が美しいかもしれませんね。1日に何度も訪れたい。
ランチは昨年もお邪魔した「あげは」で、あげは御膳1000円。月火はお休みでした。
胸焼けしそうなくらい脂がのった中トロ炙り、あじ、はまち、そしてタイ。
その場で揚げてくれる薩摩揚げも健在。10席なので土日はいつも行列です。
小雨がパラついてきましたが歩いて寺町寺院群へ。
忍者寺との異名を持つ妙立寺に来ました。800円でガイドツアーに参加。
堂内は撮影禁止にて外観だけ。1643年に前田利常が建立した仕掛けだらけの忍者屋敷です。
レアンドロといい忍者寺といい、金沢人はびっくりハウスが好きなんじゃないかと。
でも落とし穴とか隠し階段とか面白いギミックだらけで800円の価値は十分あるツアーでした。
足を伸ばしてにし茶屋街に寄ってみるも閑散カンサンジュry。
再びバスでひがし茶屋街に移動します。今日は1日バス乗車券の元が取れそうな勢い。
明るいうちに初めて来たひがし茶屋街。
築190年というお茶屋「懐華廊」へ。入場料750円。
遊郭の雰囲気を色濃く残す朱塗りの階段。あの世へGO。
昼間はカフェ、夜は一見さんおことわりで一客一亭の芸妓遊びが執り行われているとか。
襖にミニくまちゃんサイズの着物柄。女将の趣味なのがミニチュア着物も売ってました。
苔むした中庭。ミニくまちゃんのポジションがずっと左側でかぶってる!
金箔の畳の茶室でようやく右に移りました。バリエーション考えないとな…。
2階を見学していたら汗だくになったので、柚子かき氷が嬉しい。
再び美術館に戻って、人気の少ない展覧会を再び観る。少し晴れました。
18時閉場ギリギリの《スイミング・プール》。
でもまだ「タレルの部屋」は開いてます。少しのんびりして夜のバスに向かう。
そんなこんなで『レアンドロ展』の感想ですが──今回に限らず今まで体験してきた同氏の作品をよーく振り返ってみるとですね、だまし絵の立体化をモチーフとしながらも、「実際あんま騙されたことがないかも」という結論に至りました。「あれ、これどうなってんの?」と思ったのは『うさぎスマッシュ展』同様に90度のあわせ鏡を使った《見えない庭》と、男木島の《不在と存在》くらいです。
これはなぜなのかと自問自答ってみたのですが、きっと2つあって、ひとつは《階段》や《エレベーターの迷路》のように細部の造り込みというかリアリティが不足していて、どうしても「作り物」感がしてしまうこと。もうひとつは、我々はびっくりハウスに慣れているんだぞってこと、なんじゃないかなって。
ただ、そんな中にあって感心したのは《サイド・ウォーク》です。暗くて細長い歩道をただ通り抜けるだけの作品なんですが、その歩道に沿って水たまりがありまして、そこに時おり雨粒が落ちたり、街の灯りが反射したりしています。いわば普段なら絶対にフォーカスをあてない「視界の隅っこ」で行われているあれやこれやですが、それを目の端でとらえると夜歩きのアトモスフィアにグイグイ引き込まれるのです。細部を造り込むことで、リアリティは増し、世界(観)は広がるということですね。
他には忍者寺が秀逸でした。期待しないで行った上に、入場料の800円がめちゃくちゃ高いなーと思っていたのが、かえって良かったのかもしれません。ですので予備知識なしで、暇つぶし程度の気持ちで出かけるのがオススメです。
ほぼ2日間、21世紀美術館周辺でうろうろしていた金沢旅行。行きも帰りも高速バスだったので、体力を削られてしまった感は否めませんが、全行程2万円くらいで楽しめたのはリーズナブルでございました。夏休み中はもうちょっと値上がりするのかしら。でもレアンドロ展は31日までですから、ご興味のある方はお早めにー。美術館の方によると、穴場は金土の夜の時間帯とのことです。
関連リンク
・金沢21世紀美術館 | 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa.
・あげは - 野町/魚介料理・海鮮料理 [食べログ]
・日蓮宗/正久山 妙立寺(忍者寺)
・ひがし茶屋街 懐華樓 [金沢市指定保存建造物]