実は先週木曜日に財布を落としたっぽいんです。「ぽい」と言うのは、そもそも財布を持って外出したかどうかまったく記憶にないからです。なんせ3gの超軽量財布ですからね。それにコンビニや地下鉄での決済もほぼモバイルSuicaで済んじゃうので、現金やクレジットカードを出すシーンでもないと、財布の存在を忘れがちです。実際、「あ、財布がない!」と気づいたのも千駄ヶ谷と代官山での2件の取材を終えて、帰宅前に渋谷の薬局で買い物をした時でした。
財布の所在がわからなくなってからやったこと
財布の中に入っていたのは──
・現金(4000円でした)
・運転免許証
・国民健康保険証
・クレジットカード
・キャッシュカード
・スーパーマーケットの会員カード(見せると割引が受けられるタイプ)
・スターバックスカード(約1万2000分)
でした。たまたま現金が少ししか入ってなかったのが不幸中の幸い。ですが、免許、保険証、キャッシュカード、クレカと悪用されたらマズいものばかり。
しかし木曜夕方の時点では、本当に外で落としたのか、まだ家のどこかにあるのか、が判断できません。そこで取った行動が以下の通りです。
【1】その日立ち寄った場所に連絡する
当日は、千駄ヶ谷の取材会場から北参道駅、北参道駅から中目黒駅、中目黒駅から代官山のスタジオ、代官山のスタジオからタクシーで渋谷のサイゾー編集部と移動したので、「千駄ヶ谷の取材会場」「原宿警察署」「北参道駅」「東京メトロのお忘れ物総合取扱所」「東急お客様センター」「中目黒駅」「目黒警察署」「代官山のスタジオ」「タクシー会社」に直接うかがったり、電話で問合せをしました。鉄道会社の忘れもの窓口電話は混雑してつながらなかったので、東京メトロはインターネットで忘れものを検索できるサービスを利用しました。しかしいずれも発見できません。
【2】遺失届を出す
ぼくの財布はゴミみたいなので、道ばたに落ちていたとしてもまだ発見されていないだけかもしれません。今後、遺失物として届けられる可能性もあるので、所在はわからないもののいったん交番で遺失届を出すことにしました。原宿警察署管内ではわりとすぐに照合されるようですが、警視庁全体のデータベースに落とし物情報が反映されるのは1週間ほどかかるとのことだったので、若干長期戦の様相を呈してきました。
【3】クレカの紛失・盗難デスクで利用履歴を確認する
財布の中に入っていたもので、もっとも悪用されると危険なのはクレジットカードです。そこでまず24時間対応の紛失・盗難デスクに電話をして、直近の利用履歴を調べてもらいました。幸い夕方時点では、他人に使われた形跡がありません。もっとも、カーボン紙を利用する昔ながらのクレカ決済では、悪用されても翌日までわからないという危険性もあるようです。万全を期すにはこのタイミングで止めてしまうことですが、一度停止すると各種公共料金引き落としやネット通販の決済に使っているクレカ番号が無効となり、あらためて登録しなおさなくてはいけなくなります。
この時点ではまだ家にある可能性も捨てきれず、また週末の沖縄旅行でETCカードを使いたかったこともあったので、いったん様子見ということにしました。なお、クレカを悪用されてもほとんどの場合は補償されるようですが、紛失・盗難を自覚しながら停止しなかった場合は免責されない場合もあるとのことですので、「落としたかどうかわからない」という態度でデスクに電話した方がよいかもしれません。
【4】キャッシュカードを再発行する
ネットバンキングで入出金を確認してみても、預金が引き下ろされた形跡はなかったのですが、知人に数百万円を引き下ろされた被害者がいたので、すぐに銀行の紛失・盗難デスクで停止・再発行することにしました。沖縄旅行が控えていたので、すぐにでも再発行したかったのですが、店舗での再発行には1080円かかるとのことだったので、郵送で1週間ほど待つことにしました。これなら無料なのです。
キャッシュカードは本日届きました。
【5】スターバックスカードを停止する
1万2000円もの残高があったスタバカード。キャッシュカードやクレカと違い、使っても足がつきにくいのでパーッと使われる可能性があります(もっとも、スタバで1万使うのは大変ですが)。ぼくはMy Starbucksという会員サービスにスタバカードを登録していたので、利用履歴も調べることができました。それによると悪用された形跡はなし。まだ拾われていないのかもしれない、そう思いながらもウェブ上で停止手続きをおこない、新しいカードの発行申請を行いました。
このスタバカードも本日届きました。ただ、以前使っていたミニサイズのカードではなく、キャッシュカードサイズです。ミニサイズが気に入っていたので、最寄りのスタバに行って1000円分チャージしたミニカードを買い、My Starbucksで残高をがっちゃんこしました。スタバカードはMy Starbucksに登録しておくと本当に便利ですね。
【6】国民健康保険証を再発行する
財布をなくしたかもしれない翌日、金曜日。区役所の出張所に行って国民健康保険証を再発行してもらいました。問題は、財布に免許証が入っていたので身分証明書がほとんどなかったこと。幸いパスポートがあったので、スムーズに手続きできましたが、他には住基カードや年金手帳でも手続きできたようでした。なお、この時に本籍が記載された住民票も発行してもらうとベターです。なぜなら──
【7】運転免許証を再発行する
本来ならば、そんなに急がなくてもよいはずですが、土曜から出かける沖縄旅行でレンタカーを予約していたため、どうしても運転免許証が必要だったのです。落としたかもしれないのが木曜日、旅行が土曜日、とすると再発行できるのは金曜日しかありません。しかも鮫洲で16時まで! 勤め人なら万事休すってところでしたがそこはフリーランス、どうにでもなります。
事前に再発行の手続きを調べると、本人確認書類と写真が必要とのこと。本人確認書類にはパスポートが含まれてなかったので、住民票を持っていったわけです(実際はパスポートもOKだったっぽい)。写真はバカ高い街角の証明写真マシンを使わず、スマホやパソコンで登録してコンビニでプリントできる格安サービスを利用しました。念のため印鑑を持っていきましたが使うシーンはありませんでした。
この免許証の再発行がもっとも高くつき、住民票(300円)、写真(200円)、再発行(3600円)、鮫洲の往復交通費(620円)と5000円近くかかりました。
結局、拾った方が自宅まで送ってくれた!
週末の沖縄旅行は再発行した免許証と、危険なETCカード、予備のクレカ(Tカード)で乗り切りました。週明けからは再発行を申請したキャッシュカードやスタバカードはじめ荷物や郵便物が続々届き始めたのですが、その中に送り主不明の封筒が…。
重みと厚さから「これはもしかして…」と思ったんですがやっぱりビンゴ。中身はぼくの財布だったのです。というか、これで財布を落とした現実を思い知りました(落としたんだ…)。それが親切な方に拾われて、丁寧にも送料をかけ匿名で送ってくださったのです。消印はさいたま中央だったので、おそらく浦和関係の方なのでしょう。字面を見ると男性のようです。
この場を借りてというか、ぼくのブログなんですが、お礼を申し上げます。ありがとうございます。もっともなくして痛いなあ、と思っていたのがこのウルトラライトウォレットだったので、見つかって嬉しいです。
しかし、あらためてオリーブグリーンの財布の見た目は限りなくゴミですね。これを街角や山林で落としたら持ち主ですら見つけきれないかもしれません。ここはブルーを選ぶべきだったかしら。
こうしておかげさまで無事に戻ってきた財布ですが、今後も紛失防止のためにさまざまな対策を施さなくてはいけないかもしれません。具体的にはスマホと財布が離れるとアラートを発するBluetoothタグ。早く一般発売されませんかね。
そして、以前は財布に家の鍵までつけて「個人情報オールインワン」にしていたのですが、そのぜい弱性・危険性を思い知らされました。さらに、落としたのが財布ではなく、スマホやおサイフケータイだったら、より混乱していたような気もします。最近ケータイを1台にしたいと考えていたのですが、分散するリスクヘッジもやはり正解なんだなと感じました。とはいえ身軽になりたいんですが。
いずれにせよ、素晴らしい親切を受けることができました。ぼくも誰かに親切でいたいと思います。