昨日は取材やら私用やらで表参道をうろうろしてたんですが、ルイ・ヴィトン前を通ったとき「いまエスパスで何やってるのかな」と覗いてみたら、「糸」テーマにミュンヘン、パリ、東京の3都市で展開するグループ展『Le fil rouge』(赤い糸)をやっていました。
ひときわ目をひくのはタティアナ・トゥルヴェ《250 Points Towards Infinity》。
地面すれすれに測鉛線が固定されて、静かに張りつめた空気をかもしています。
ガーダ・アメールの《Color Misbehavior》は刺繍で描かれたサブリミナルポルノ。
3作品で終わりかと思いきや、小部屋でハンス・オプ・デ・ベークの映像作品を上映。
ベークといえば十和田湖現代美術館の《Location》のイメージしかなかったのですが、今回観た作品《The Thread》は映像作品。まるで人形浄瑠璃のように、パンクカップルのロマンスを描いた15分ほどの人形劇です。実際、日本の文楽に着想を得て制作されたそうで、黒塗りの人形遣いが2人を引き合わせ、そして離してゆく「運命の糸」として機能します。
この音楽がドラマチックで素晴らしく、サントラを聴くためだけにもう一度訪れたいなと思うほど。会期は5月31日まで。無料なうえ、毎度のことですが立派なカタログまでいただけます。ヴィトンはぼくには無縁のお金持ちブランドですが、こうしてアートで世間に還元する姿は素晴らしいですね。
関連リンク
・le fil rouge | Espace Louis Vuitton Tokyo