春の大型連休らしく、北アルプスの日本百名山・常念岳と、そこから尾根づたいに続く蝶ヶ岳をスルーっとハイクして来ました。いつぞやの奥秩父ロングトレイルで痛感した「春山は雪山」という教訓のもと、ちゃんとした雪山装備をそろえての山行です。ただ、残雪期なのに初めてのルートということもあり、移動に負担がかかるテント泊はやめて小屋利用としました。
ムーンライト信州が取れず松本までは高速バス。時間を潰して明朝、穂高駅に移動。
穂高駅から予約しておいたタクシーで一ノ沢登山口まで。5000円くらい。
6時10分出発。雪解け水で轟々と流れる一ノ沢沿いに遡行します。
丸太橋を渡ったあたりからアイゼン必須。胸突八丁という急な登りがたちはだかる。
水場を過ぎるとさらなる急傾斜の冬期ルート。めちゃくちゃハードです。
5時間半かかってようやく常念乗越（2466m）に到達。いきなり目の前が開けました。
左手には常念岳。
1日目はこれにておしまい。常念小屋の入り口が雪洞になっとる。
小屋にあった常念坊と記念ぱちりんこ。スターウォーズコスが修行僧にしか見えぬ。
実はここには4月末から11月末までドコモの中継局ができるんですよ。安心！
お楽しみの夕焼けですが、穂高連峰〜槍ヶ岳方面には分厚い雲が…。
んー、空振り。
2日目は、4時40分に出発。まもなく日の出よ。
常念岳へ登る途中にご来光。いやはや、日照時間が長くてもう夏ですね。
秋冬ではないせいか、槍ヶ岳もさほど朝焼けず。
ハイライトは突然に。つがいの雷鳥を発見。冬毛から夏毛に衣替え中。
6時25分、常念岳（2857m）にとうちょー。百名山は27座目くらい。
左手は穂高連峰から右手は大天井岳〜燕岳まで。※クリックで拡大。
さてと…蝶ヶ岳まではいったん400mの急な下りが待ちかまえております。
ほぼ夏山の暑さで汗だく。実はワカンジキを忘れたんですが、忘れて正解。
ピッケルも不要なんですが、せっかく買ったので装備。使い方がよくわからない。
雪道のアップダウンをくり返しようやく前蝶到達。いやー、キツかった…。
槍ヶ岳に至る槍沢や東鎌尾根の急斜面っぷりたるや。よう登ったなあ。
ようやくなだらかな稜線歩きが始まりほどなく旧蝶ヶ岳山頂（2664.5m）。
ここから蝶ヶ岳ヒュッテまでは、今回の山行でもっとも楽ちんな道のりでした。
上高地方面を見下ろせば、ちょっとしたヒマラヤ感あり。
かなりタイムオーバーして12時30分着。カレーうどん（800円）を補給。
いったん昼寝してから蝶ヶ岳（2677m）に登頂。今日の道のりがまる見え。
夏日でしたがどんどん雲が増えてきて、穂高連峰や涸沢に雲がもくもく。
今日も夕焼けはなしで二連敗。でもこの絵はちょっとエベレスト街道っぽい。
3日目は小雨パラつくなか下山するのみ。しかし急な下りの連続で疲れて転倒する。
3時間でようやく徳沢園。朝ご飯がわりにポテチを食べちゃうよ。
ここからはいつもの林道ですが途中は猿の群れだらけ。緑色のうんこをひねられる。
明神館あたりでいよいよ本降り。かわい子ちゃんのカッパ姿に萌え〜。
11時に上高地に到着。ここまで来ると登山客・観光客がいっぱいですな。
予約した毎日あるぺん号（グリーン車！）まで4時間もあるので信州サーモン丼をば。
──この後、結局中央道の事故渋滞でかれこれ3時間遅れの23時に帰京するはめになりました。
とにかくつらかったのは、ムーンライト信州が取れずに松本のファミレスで4時間待機したこと。で、寝不足のままグズグズの雪の急斜面を登ったこと。あとは常念岳や蝶ヶ岳からの急降下with雪道でした。特に帰りは気が抜けてしまうのか、脚力が限界になるのか、下りで足を引っかけやすく、今回も昨年末の燕岳同様にずるっと転倒してしまいました。その際、アイゼンでパンツに穴を空けてしまう始末。やっぱりゲイターって必要なんですねえ（遠い目）。
そして毎回、登山中に教訓をEvernoteに残しているのですが、そのメモによると──
・雪装備を徹底せよ
・タイツ苦しい…
・左靴がキツいかも→マメできた
・常念小屋はビール（500ml）700円、蝶ヶ岳ヒュッテは800円
・食事は逆に常念小屋900円、蝶ヶ岳ヒュッテ800円
・常念小屋は素泊まりでも水はタダ、蝶ヶ岳ヒュッテは1リットル200円
・行動食のクリーム玄米ブランまずい。煎餅でいい
・いびきがうるさい（自分もだけど）ので耳栓必須！
・やっぱり日焼け対策にバラクラバは最強だな
だそうです。みなさんの参考になりますでしょうか。ただ、今年は雪解けが早かったそうで、若干拍子抜けいたしました。
ともあれ、常念岳〜蝶ヶ岳は穂高連峰から槍ヶ岳を眼前に望む絶好のロケーション。上高地から入って徳沢経由で蝶ヶ岳に登れば、比較的お手軽に北アルプスの名峰を愛でることができますが──「あれが大キレットね」「涸沢ってすり鉢状だね」などと感慨を抱けるので──一度現地を実際に歩いてからの方が楽しめると思います。
そして、いよいよ上高地起点の北アルプス山行はいったん打ち止めの感。肝心のオクホ〜西穂感の危険ルートをアタックしてないんですが、もっと北の方を攻めたいですね。さて、今年は雲ノ平とか下ノ廊下とか行けるんでしょうか。はて。
関連リンク
・日本アルプス常念小屋
・北アルプス蝶ヶ岳ヒュッテ・大滝山荘
