なんだかRetinaディスプレイで写真を表示させるとめちゃくちゃ汚いんですけど、大丈夫でしょうか。さて、後立山連峰の南側(爺ヶ岳〜針ノ木岳)を周回するULハイクの2日目(2015年6月2日)です。前回はこちら。この日は朝から晩まで歩きっぱなしのビッグデイだったので、2回に分けてお届けしないと無理。前編はまず種池山荘から爺ヶ岳への登頂から始まります。
ツェルト張りっぱが楽なんですが、爺ヶ岳南尾根を下るのを考えると撤収した方が無難。
ご来光も見えず、出発は6時半とかなりぬるめのスタート。
朝は気温が低いので残雪もアイスバーン状態でつるつる滑ります。
標高をあげるにつれ、去年小林くんと登った剱岳が見えてきました。
ほどなく後立山連峰南陵をはじめ、はるか表銀座や立山連峰が広がりました。※クリ拡げ
1時間弱で爺ヶ岳南峰に登頂。背後に本日ピストン予定の鹿島槍ヶ岳が見えます。
蓮華岳の向こうに槍ヶ岳も見えますね。
地図には雷鳥がいると書かれてましたが、本当にいました。
南峰に荷物をデポして鹿島槍を目指します。
と、その前に一番高い爺ヶ岳中峰に登頂。真ん中奥にちっちゃく富士山が出てます。
すると冷池山荘の管理人とすれ違い、「よくも柏原新道をあがってきたね」と。
でも「針ノ木岳までの稜線は歩ける」らしい。「行っちゃう?」ということでルート変更。
種池山荘まで戻った時点で9時すぎ。針ノ木岳までは6時間45分のコースタイム。
残雪とトレイルのミックス。一応、誰かが歩いたトレースがあるのが救い。
でも雪庇の上を歩かざるをえず危ない。ズボ抜けするおそれもある。
「雪ない」って言ってたけどあるじゃーん。雪のせいでルートを見失いがち。
先行者もけっこう道に迷っているので、ぼくらも独自にルートファインディング。
急斜面の雪渓をトラバースしつつ、背後を振り返ると、虹。
しかも二重でした。でも全然進めていないよ!
雪焼けというか火傷防止に冷感バラクラバとサンバイザー、サングラスといういでたち。
雪ばかりかと思いきや、雪解けの影響でボロボロ崩れ落ちる土や砂のコンディションも。
そしてとうとう見失ったトレイル。まさかの藪こぎバキバキ。
クソ危ない雪渓を振り返る。
水場もないし、暑いし、喉もかわいたので、雪渓にかぶりつく。衛生面は、知らない。
しかし出発から2時間。「疲れた!」と言いながらまだ最初のピークに到達していない。
そもそもルートずれてない?ってことで再び藪こぎ。可愛いお花。
ようやく正規ルートを発見。やれやれ、ようやく尾根歩きっぽくなってきたぜ。
さらに程よく給水できる雪渓も発見! 1リットルほど補充できました。助かった。
遅れに遅れて13時、岩小屋沢岳に着!
本当、右手には立山連峰を望めるので景色的には申し分ないトレイルなんですけど。
ぼくもちょっとカッコつけてみる。背中の棒は拾いもので、誰かの自作ピッケル。
こういうトレイルはいいんですよ。多少アップダウンあっても気持ちいいので。
とにかく絵になるロケーションがいっぱい。夏は最高だろうな。
で、ようやく眼下に新越山荘が見えてきました。
種池山荘からコースタイム2時間半のところを、結局4時間半もかかりました…。
まだあと針ノ木岳までコースタイム5時間以上あんだけど…もう14時よ。
この調子じゃ絶対日没までに間に合わないわけですが…あ、カモシカちゃん。
しかも子ども連れ。なんだかちょっと嬉しい。
で、コースタイムより早い1時間弱で鳴沢岳に登頂。これなら19時くらいに着くかも。
というか、もう引き返せません。遙か彼方に見える針ノ木峠(小屋)。
帰りはこの針ノ木雪渓を直登ならぬ、直下りしなくてはいけません。軽アイゼンで。
というわけで、2回目は爺ヶ岳ピストン〜種池山荘〜岩小屋沢岳〜新越山荘〜鳴沢岳まででおしまいです。3回目は赤沢岳〜スバリ岳〜針ノ木岳〜針ノ木小屋、そしてできたら扇沢までの下山もお届けします。
冷池山荘の管理人さんにそそのかされて(という言い方は悪いか)鹿島槍ヶ岳ピストンをやめて、針ノ木小屋へのスルーハイクを選んだわけですが、新越山荘までのルートファインディングや雪渓のトラバースに時間がかかりすぎて、本当にこれは4日のシンガポール朝便に間に合わないんじゃないかとビビりました。もっとも、日没までに間に合わなければ、どこか途中でビバークし、3日目に頑張るという選択肢も念頭にありました。それよりなにより、滑落や遭難、ケガ、体力消耗による立ち往生が心配でしたけども。
本来ならば山小屋やテン場に着いていなくてはいけない15時という時間帯ですが、ここからさらに歩きます。こんなにキツいのはエベレスト街道でルクラからジリまで歩いて以来です。
つづく。
関連リンク
立山黒部アルペンルート オフィシャルガイド
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