東京証券取引所は大発会、小売店は初売り、会社は仕事始め、女の子とは姫始め…と年の初めのエトセトラにはそれぞれ呼び名がございますが、美術館のオープンや展覧会に行くことはなんと呼べば良いのでしょうね。書き初め同様に「アート初め」とも言いましょうか、ともあれ本年一発目は今日から開館している国立新美術館の『DOMANI・明日展』に行ってきました。なんせ招待券をもらったからね。
年初だけあってガラガラ気味。ゆったり観賞できそう。
天井にまで迫る圧巻のレリーフ《A.R. ♯496 "Citrus" Paraiso》木島孝文。
一歩間違えるとお土産物になりがちなモザイク彫刻《境界一慶》西ノ宮佳代。カワイイ。
トップ作品と同じ松岡圭介《a brain man》。ジョジョのスタンドみたいでカッコいい。
脱ぎ捨てた衣類、はぎ取られた布団に、人の営みをうかがう《家族の円環》古川あいか。
田村友一郎《六本木心中》は学芸員の方がオリジナルスカジャン着てますよ。
十和田以来の栗林隆は、避難指示区域・富岡町の住民を切り取った《Wailing Wall》。
ヘッドライナーはゲスト枠の風間サチコ。この人のアナクロな木版画は好き。
同じく風間サチコの《ぼんやり階級ハンコ》。社畜がカワイイ。
しかし一番圧倒されたのは1-2-3階ぶち抜きで展開していた『独立書展』の物量でした。
最後は『明日展』関係ない別の展覧会(無料)におののいちゃったんですが、そも『明日展』とは文化庁の新進芸術家海外研修制度を利用して海外渡航した新進アーティストによる発表会なのでした。フジロックでいえばルーキー(アゴーゴー)みたいな。実際チケット代も1000円とリーズナブルです。将来めちゃくちゃ有名になる人も出てくるやもしれませんからね。ジャニーズJr.やインディーズバンド、駆け出し芸人が好きな人向けの展覧会と言えましょう。
個人的にはやはり風間サチコの安定感に感心したくらいで、刮目すべき展示は特にないんですが、このクオリティのバラツキはまさに芸術祭で抱く感慨だなと思いました。当たり外れが多いのでその分、今の倍くらい参加アーティストを増やしてもいいのでは?と思わなくもありません。
ともあれ隣でやってる『独立書展』のマトリックス酩酊感は半端ないですよ。無料ですのであわせてご覧ください。
関連リンク
・18th 未来を担う美術家たち <文化庁芸術家在外研修の成果>|DOMANI・明日展
・公益財団法人 独立書人団