土曜は雨の予報だったのに気持ちの良い陽気になり、お出かけしないともったいなかったので、散歩がてら初台のオペラシティアートギャラリーまで足を運んでみました。途中、代々木のはずれで刀剣美術館なんてエッジの立ったミュージアムにも出くわしたりして、近ごろはさぞ繁盛なさっていることでしょう。それはともかく、ただいま初台で開催されているのはサイモン・フジワラの『ホワイトデー』です。
日本人の父親とイギリス人の母親をもつサイモン・フジワラは、20代でカルティエ・アワードを受賞(2010年)し、イギリスで大規模個展が開催されるなど、世界的に評価が高い若手アーティストなのだそうです。現在33歳で、日本での個展はこれが初めてだとか。
これまで彼の作品をどこかで観たことがあるのかもしれませんが、ぼくはこの個展で彼のことを初めて知りました。オペラシティの年パスを持ってなかったら、スルーしていたかもしれない。
そんな軽い気持ちで覗いてみたのです。
入口はいつもと逆。《ホワイトギフト》展示室全体が白くてふかふか!
胎内巡りのような闇で灯る《無題(梅の木)》。賽銭みたく落ちてるコインを辿れば…。
冒頭の純白の空間に出ます。
終戦後、紙くずになった軍票で作られたという《扇子》。
リアルタイム工房。毛皮製品から再び皮を剥ぎ取る作業。
非行少女を更正のため中国の工場と秦始皇帝陵に飛ばし、なぜか兵馬俑に《レベッカ》。
あー、兵馬俑展に行きたかったなあ。
印象的だったのは、会場内でくり返し提示される「支配の歴史」でした。一見、関係のなさそうなものを隣り合わせにすることで、奴隷制や植民地などの旧い社会システムと、共産主義や資本主義といった現在の社会システムとを、ダブらせる。秦の始皇帝のために作られたナイトキャップと、イギリスの女の子が履いているジーンズと、彼女のコピーフィギュアを、マスプロダクトとして同列に扱うことで、支配も被支配もない、彼も我もない、ただ取り替え可能な自分(鑑賞者)という存在が突きつけられる。そんな皮肉が込められているように感じたのでした。よくわかんないけど。
その答えは2月中の土曜日15時から開催されているキュレータートークで明らかになるのかもしれず、実際今日もまさに「今から始まるよー」って瞬間だったんですが、まだ自分の中で消化する前に解説を聞いても面白くないし、なにせおなか空いてたし、来週時間があえば行こうかなと思ってパスしたのでした。
そうそう、2階ではいつもの収蔵品展をやっていまして、ぼくがあまり得意ではない陶器なのですが、唯一《風穴》川上力三はRPGのジオラマみたいで郷愁をそそられました。
展示は3月27日まで。ホワイトデー近辺にはカップル割引もあるみたいですよ。
関連リンク
・サイモン・フジワラ ホワイトデー[展示風景]|東京オペラシティアートギャラリー
これまで彼の作品をどこかで観たことがあるのかもしれませんが、ぼくはこの個展で彼のことを初めて知りました。オペラシティの年パスを持ってなかったら、スルーしていたかもしれない。
そんな軽い気持ちで覗いてみたのです。
入口はいつもと逆。《ホワイトギフト》展示室全体が白くてふかふか!
胎内巡りのような闇で灯る《無題(梅の木)》。賽銭みたく落ちてるコインを辿れば…。
冒頭の純白の空間に出ます。
終戦後、紙くずになった軍票で作られたという《扇子》。
リアルタイム工房。毛皮製品から再び皮を剥ぎ取る作業。
非行少女を更正のため中国の工場と秦始皇帝陵に飛ばし、なぜか兵馬俑に《レベッカ》。
あー、兵馬俑展に行きたかったなあ。
印象的だったのは、会場内でくり返し提示される「支配の歴史」でした。一見、関係のなさそうなものを隣り合わせにすることで、奴隷制や植民地などの旧い社会システムと、共産主義や資本主義といった現在の社会システムとを、ダブらせる。秦の始皇帝のために作られたナイトキャップと、イギリスの女の子が履いているジーンズと、彼女のコピーフィギュアを、マスプロダクトとして同列に扱うことで、支配も被支配もない、彼も我もない、ただ取り替え可能な自分(鑑賞者)という存在が突きつけられる。そんな皮肉が込められているように感じたのでした。よくわかんないけど。
その答えは2月中の土曜日15時から開催されているキュレータートークで明らかになるのかもしれず、実際今日もまさに「今から始まるよー」って瞬間だったんですが、まだ自分の中で消化する前に解説を聞いても面白くないし、なにせおなか空いてたし、来週時間があえば行こうかなと思ってパスしたのでした。
そうそう、2階ではいつもの収蔵品展をやっていまして、ぼくがあまり得意ではない陶器なのですが、唯一《風穴》川上力三はRPGのジオラマみたいで郷愁をそそられました。
展示は3月27日まで。ホワイトデー近辺にはカップル割引もあるみたいですよ。
関連リンク
・サイモン・フジワラ ホワイトデー[展示風景]|東京オペラシティアートギャラリー