「年一でパソコンがぶっ壊れる」「源泉に立ち入ると命の保証はない」「テレビもエアコンも壊れる」凶硫黄泉の福島県・高湯温泉のレポート最終回は、大正時代に斎藤茂吉が逗留したことで知られる創業140年の湯宿・吾妻屋での一夜をお届けします。そもそも高湯温泉は、開湯以来400年「一切の鳴り物を禁ず」というしきたりが守られており、ゲームセンターやスナックといった温泉街特有のエンタテイメントが皆無。文字通りの秘湯ゆえにまだ外国人観光客に知られておらず静かにしっぽり過ごせるのも売りなのです。
吾妻屋さん。共同浴場「あったか湯」の目の前です。
迷路のような館内を歩いてたどりついた部屋。
空気中に漂う硫化水素のせいで水道管も真っ黒に腐食しています。
ちなみにカメムシがけっこういらっしゃるみたいです。こわわ。
とりいそぎ、ひとっ風呂あびます。
内湯の「古霞」。男性・女性と家族風呂にわかれています。
湯気だらけでよくわかんなかったので、翌朝パチリ。定員4人くらいかな。
さっぱりした後、いよいよ怒濤の晩餐が始まりますよ。これまだ第一陣。
身欠きニシンの山椒漬けやアミタケの胡麻和えをはじめ、山の幸豊富めの前菜。
沢ガニきゃわわ。パリパリ食べちゃったけど。
奥はカワダイコンのおひたし。クレソンの仲間だそうです。うまうま。
お造りも贅沢しきり。サーモンというか鱒が美味かったなあ。
柚子の香りがさわやかな、サムシングしんじょう。
さらにバサシーノ。
イワナーノ。
シャブリーノ。
そろそろおなかがはち切れそうですが。
あれ?
ダメ押しゴールの鰻丼! 満漢全席かよ! 皇帝気分だよ。
デザートは地元のりんごです。外湯に行こうとしたけど真っ暗闇すぎて断念。
自販機はありませんが、冷蔵庫があって自己申告制。性善説で運営されています。
あきらかに食い過ぎですが、翌朝の夜明け前。
不安になるくらい雪道を歩いて外湯の「山翠」まで辿り着きました。
ここは男湯と女湯があって、男湯はスケスケでばっちり裸を女性記者に見られたようです。
もういっこ、途中にある外湯「風楽」。
男湯と女湯、そして家族風呂があります。女子と入って雪なげっことかしたい。
そしてあさげ。さすがにシンプルかと思いきや。
奥に控えるのは…。
せいろ蒸しだったー! ちなみに基本、料理は部屋出しです。
さらにロビーではコーヒーのサービスも。近くにコンビニや喫茶店はないのでマジ嬉しい。
創業当時の吾妻屋なのでしょうか、模型。なおロビーには勝海舟の書なども飾られています。
お土産にいただいた蕎麦味噌や手ぬぐいなど。何から何まですみません。
飲んで食って浸かってリフレッシュしたので、いざ現実世界に戻ります。
お湯の良さはもちろんのことながら、お食事がいちいち美味しかった吾妻屋。料金は一泊二食付きで1万950円から1万6350円とのことです。ただ、今回紹介した食事はスペシャルな気がするので予約の際にご確認くだしあ。
福島駅からはバスで40分。
こうして高湯温泉への恩義は果たしたわけですが、静かな温泉地(もはや街とも言えない)はしっぽりおしのび旅行で訪れるには最適かと存じました。4月8日からは磐梯吾妻スカイラインも開通しますし、ドライブやツーリング、登山がてらに最凶硫黄泉を味わってみてはいかがでしょうか。もちろん1日どころじゃバイクやクルマ、パソコン、スマホは壊れないのでご安心をー。
おしまい。
関連リンク
・福島県 高湯温泉 吾妻屋 公式サイト
・高湯温泉|福島県福島市