去年11月にヤマ仕舞いにと出かけた、日本最高所の山小屋・北アルプス北穂高小屋ですが、今シーズンのヤマ始めもここだな、と運動不足の中体に鞭打って出かけてきました。なにせ上高地からのアクセスがよく1泊2日で出かけられ、小屋から1分で穂高連峰から槍ヶ岳までぐるっと見渡すパノラマビューが楽しめるなんていうロケーションは、なかなかありませんからね。
初めてバスタ新宿から上高地へ。当然寝不足のまま5時45分しゅっぱつ。
1時間ほどで明神へ。α7S+SEL1635Zで明神岳と明神館をパチリ。
いつものルートゆえすっ飛ばしますね。8時20分横尾着。トイレが完成してました。
こたびのトレイルミックス。柿の種カレー味、クラッツ、マカダミアナッツ、海苔ピー。
横尾大橋にはGWらしく鯉のぼりがかけられていました。ここまでは序の口。
本谷橋着が10時。ここからアイゼンを装着して、ようやく登攀が始まります。
大キレットの始点(終点)の南岳も見えますね。
冬は涸沢(右上)までの道のりが一目瞭然で、気分的に楽ちん。
スノボやスキーの人たちもいます。よく7時間もかけて板を運びますな。
涸沢着が12時25分。涸沢小屋から右側の直登ルートを通って北ホにアクセスします。
その前に涸沢小屋で休憩! 涸沢ヒュッテのテン場がカラホー。
とにかく暑いので長袖Tシャツとウインドブレーカーで十分です。コーラが飲みたい!
400円の350ml缶を買った瞬間、同価格の430mlペットに気づき損失を取り戻すため買う。
メシも食ったし、最後の試練へと挑みましょう。3〜4時間ひたすら雪の急登を攻めます。
どんどん遠ざかっていくテン場。前穂高岳が見えてますね。
涸沢からピストンする人も多い。午前中にはプチ雪崩もあって何人か巻き込まれたそう。
斜度がキツくなってきたのでピッケルに持ち替え。プロトレックPRW-6100初投入です。
そんなこんなで3時間強で北穂高岳3106mにとーちょー。上高地から実に11時間…。
北穂高岳山頂。2016.5.2 #北アルプス #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
THETA Sで撮影したパノラマ写真もどんぞ。
こっちは奥ホ方面。この日(5月2日)は多くの遭難者が救助・収容されてました。
ふたたび槍ヶ岳と大キレット。実は北穂高小屋のすぐそばでも死者が出てたみたいです。
涸沢があんなに遠くに。標高差1000m以上もありますものね。
小屋にチェックインして17時45分からさっそく晩ご飯。やっぱり小屋締めの頃が豪華!
そそくさと食べて夕焼けハンターは山頂へ。日没は18時半頃なので間に合いました。
ずっとTHETAでタイムラプス撮ってたんですが知らないおばはんにどけられてた…。
最初おばはんはしらばっくれてたけど、パノラマカメラには真実が記録されてんだよ!
そうこうするうちにサンセット。GWは人もカメラも多めでちょっと慌ただしいかも。
こうして北穂高小屋の夜は更けるのです。
もう夜だけどコーヒーをいただきます。もうクタクタなので眠れるはず。
行動食のランチパックを確認したらパンパンに膨れあがっていました。おやすみ。
翌朝。お天気は崩れる傾向とのことで、パッとしない朝焼け。
風もまあまあ強いので小屋の中から朝のひとときを過ごします。
北穂高小屋の魅力はこの食堂ですな。ミニマルだけど古い喫茶店みたいなたたずまい。
木のぬくもりがあったけえ。店内?には静かにクラシックまで流れておるのです。
話は突然PRW-6100のフィールドコンポジションバンドへ。
メタルバンドながら、ちょこっとだけ伸縮させることができるのです。
手首だけでなく、ちょっと厚めのジャケットの上からも捲けるって寸法。べんりー。
朝ご飯。ご飯とみそ汁はおかわり無料です。糖質制限など忘れてがっつり食いました。
天気も下り坂だし帰りのバスもあるしさっさと下山しましょう。さらば大キレット。
最後に穂高連峰を一瞥。夏はジャンダルムに登りたいな。6時半出発。
しかしこの1000mの下りがしんどいのですわ…。
当日の雪質からガツガツ下るわけにもいかず、そろりそろりと下りてたら膝ガクガク。
2時間かけて涸沢に到着。もちろんコーラを補給しました。
さいなら涸沢。これから天気が悪くなるっちゅーのに多くの登山客が登ってくる。
本谷橋でアイゼンを外して、でもこっからがまた長いんだ…。
決して広くない登山道をスキー板かついで登る人たち。ようやるわー。
横尾、徳沢で再びコーラ補給。今回の山行で合計2リットル以上飲んだな。
その後14時半頃に上高地に到着し、16時20分の高速バスで帰京しました。んが、国道18号線で起きた交通事故で大渋滞が発生し、結局2時間半遅れの23時半着となってしまいました。去年もけっこうな渋滞に巻き込まれたし、自営業はGWは無理して登山に行かなくてもいいのかもしれません。
ともあれ丹沢を除けばほぼ半年ぶりのアルパインクライミングとなった北ホ行。ランニングも3カ月くらいサボっていたので、帰宅2日たった今でも全身筋肉痛でトイレすらままなりません。でも、5月中旬には再びキナバル登山が待ちかまえているので、荒療治しといてよかったとも言えます。
そして今回初投入したα7Sは…やっぱり重いですね。北ホからの下りがそろりそろりと慎重になり、結果足腰に負担がかかってしまったのは、α7Sをぶら下げているので滑落してはいけないという気持ちが働いたからです。でも、しんどいなりに高画質だし、三脚もほぼ不要なので、もうちょい持ち運び方を工夫したいと思います。
あと、漆黒のTHETA Sはタイムラプスを撮っていても、ただの三脚にしか見えないので(シャッター音も消しているし)、別途「撮影中」という案内表示を付けないといけないのかもしれません。
最後に、春山は雪山ですのでヘルメット、ピッケル、ストック、アイゼン、スパッツなどの雪山装備をお忘れなく。ま、個人的には楽しいことやってる最中に死ぬのは、なかなか悪くない死に方だと思うんですけどね。
関連リンク
・北穂高小屋の公式ホームページ