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3月の展示会以来、「いま愛用しているPRW-5100から乗り換えるならこれやな!」と心に決めていたPRW-7000を、奇しくも山の日にカシオさんからいただきました。あわせてここ5カ月間ほどお借りして、雪の北穂からキナバルフジロックと試用してきたPRW-6100とはサヨウナラです。

プロトレックPRW-7000とは



2016年7月8日に発売された、カシオのアウトドアウォッチブランド“PRO TREK”の最新モデルです。8000m峰での登山にも耐えるフラッグシップの「PRX-8000シリーズ」と、デジタル表示とアナログ表示のコンビネーションタイプにして高機能モデルの「PRW-6100シリーズ」の間に位置する、“マルチフィールドライン”と呼ばれる新たなシリーズです。

なにがマルチフィールドなのかというと、通常10気圧防水のプロトレックでは珍しく、潜水もOKな20気圧(200m)防水で、山はもちろん川でも海でも使えるオールラウンダーだからです。このへん、前に買おうかかなーと思っていた「PRW-2500シリーズ」に似ていますね。


そのためアウトドアウォッチ全般に求められるABC機能(Altitude=高度、Barometer=気圧、Compass=コンパス)と、ソーラー充電&電波時計機能にくわえ、「干潮・満潮がわかるタイドグラフ」「月齢がわかるムーンデータ」「月齢と月の位置から釣れ頃がわかるフィッシングタイム」「日の出・日の入時刻」まで取得できます。

釣りはやらないので干満グラフとかフィッシングタイムには、ほぼ用事がありませんが、先日のキャニオニングみたいな沢遊びのシーンだと20気圧防水は頼もしいし、月齢がわかるとなんとなく嬉しいし、何より夕焼けハンターとしては日の出・日の入り時刻がわかるだけで欲しい。たとえスマホでわかるとしても。

なお、日の出・日の入りは東京でのデータだそうですが、座標さえわかれば手動で現在地のそれを知ることができるそうです。ま、スマホアプリでわかるのでそこまではやりませんけども。

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もっとも、機能よりも何よりもぼくが惚れたのはデザインです。PRX-8000シリーズ譲りの骨太さと、とにかく時刻表示の見やすさにこだわったハイコントラストな文字盤が魅力。とりわけ図太いボールドな長針・短針と、超アップライトなインデックスはスリムなPWR-6100にはない魅力でしょう。ライムグリーンの秒針のアクセントもあり、なんとなく仮面ライダーネクロムを思わせます。
仮面ライダーネクロム
※参考画像。似てないか。

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ただ、防水性能のアップのせいか、ケースが大きく分厚く、結果本体が重たくなっているのが玉にキズではあります。ケースが分厚く「ちょっとシャツの袖に引っかかるなー」と思っていたPRW-5100(14.2mm)よりまだ厚い14.5mm。ただ、PRW-5100は飛び出たバンドの余りが袖に干渉している面もあるので、なんだかんだとメタルバンドのPRW-7000の方が引っかからないかも知れません。

しかし、久しぶりにPRW-5100を捲いてみると、軽い。79.6gですものね。124gのPRW-7000とは大違いです。

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左がPRW-7000のメタルバンドモデル、右が樹脂バンドモデル。

なお、PRW-7000には、カーボンファイバーが入っている樹脂バンドモデルと、衣服にあわせてちょっとだけバンドを伸縮できるフィールドコンポジット機能付きのメタルバンドモデル(実は樹脂製らしいけど)の2種類あるのですが、PRW-6100でメタルバンドの印象が良かったので後者を選びました。

しかもフィールドコンポジットバンドモデルの文字盤デザインの方が、若干ですが色数が制限されていてカッコいいのです。

樹脂バンドモデルは12時の位置の丸い印がライムグリーンで、メタルバンドモデルはホワイト。また樹脂バンドモデルは文字盤の外周がホワイト(シルバーメタリック?)で、かつインダイヤルのレトログラード針の根元もライムグリーンと、ちょい派手め。

樹脂にするかメタルにするかは、着け心地と見た目の好みの問題ですが、値段的には1万円も変わらないので、お好きな方を選ぶと良いのではないでしょうか。ちなみに重さは95g 対 124gと30g近くも変わるので装着感は相当変わるかと存じます。

プロトレックPRW-6100まとめ




いっぽう5カ月間試用してきたPRW-6100ですが、初のメタルバンド(しつこいけど素材は樹脂らしい)のプロトレックは慣れると、樹脂バンドよりかえって使いやすいというか、脱着は楽だし袖に引っかからないし「PRW-7000もメタルバンドにしよう」と思ったほど好印象でした。

また大きくシンプルなインデックスは視認性も良く、こちらも慣れてしまうともはやPRW-5100は「文字盤ちっちゃ!」と思ってしまって、もう戻れません(PRW-5100は、G-SHOCKに対するBABY-Gみたいなサイズ感なので、この小ぶりなデザインが気に入れば女性や手首が細い男性にはおすすめと言えましょう。ただしセンサーは1世代前です)。

でも、最後までPRW-6100のデザインはあまり好きになれませんで。

とにかくずーっと気になったのがベゼルと文字盤周辺に入ったメタリックグリーンの差し色です。もともとワードローブにブルー系が多いせいもあり、「手元だけグリーンか…」とより気になってしまったのかもしれません。

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左がPRW-6100、右がPRW-6000。

他には、文字盤のデザインが水平基調でシンメトリーなせいか、時計を装着する際に「あれ、どっちが上だっけ?」と一瞬戸惑うケースがたまにありました。12時のインデックスがもっとデカかった方がいいのか、それともPRO TREKやTRIPLE SENSORのロゴをオフセットした方がいいのか。ともあれ、文字盤のデザインは先代のPRW-6000シリーズのごちゃっとした感じが好きです。

──余談ですが、この上下錯覚問題は別に原因があるかもしれなくて。実は数時間しか触っていないPRW-7000でも、すでに数回上下を取り違えそうになったんですよ。もしかしたら大型のりゅうず部分が、かつてのトリプルセンサー時代の大型センサー部に見えてしまうのかもしれません──

あとですね、PRX-8000シリーズゆずりの「現在時刻の見やすさ」を追求するために大型化されたインデックス部分に、どうしても「増築感」がありましてね。デザインの完成度でいうとやはり先代PRW-6000の方がまとまっていた感があります。

しかし、機能面では「伸び縮みするフィールドコンポジットバンド」に「ねじ込み式りゅうず」と明らかに使い勝手がアップデートされているPRW-6100。オレンジ、ブルー、グリーンの差し色がお好きな方なら迷いなく買いの1本ではあるでしょう。ぼくもモノクロ基調の「PRW-6100YT-1JF」だともっと印象が変わったかもしれません。

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なお、最新モデルとしてケース外側が黒く塗りつぶされ、樹脂バンドに耐久性の高いカーボンファイバー入りが採用されたモデル「PRW-6100Y-1JF」が登場しているそうです。

ともあれ、5カ月間なにごともなく登山でもキャニオニングでも無事に時を刻み続けたPRW-6100。見た目は個人の好みの問題(実際、PRW-6100とPRW-7000を比べて、PRW-6100の方が好きと言った人もいました)ですので、デザイン面・機能面・価格面、そして着け心地が気に入ればおすすめできる1本だと言えましょう。

【追記】
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ちなみにPRW-7000とPRW-6100の暗所視認性ですが、意外にも6100の方が上でした(右側ね)。7000はインデックスが大きいわりに蓄光エリアが小さく、しかも6時が一番大きいので、暗い環境で、なおかつ手首に捲いていない状況では、6時を12時と取り違える可能性があるかもしれません。うーん、なぜインデックス全体が光らないのかな?

関連リンク
MULTI FIELD LINE - 製品情報 - PRO TREK - CASIO
PRW-6100 SERIES - 製品情報 - PRO TREK - CASIO