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愛知県で3年に1度開催される現代美術とパフォーミングアートの祭典「あいちトリエンナーレ2016 虹のキャラヴァンサライ」に行ってきました。前回軽い気持ちで訪れて、その物量感とクオリティに思わずリピートしてしまったほど大好きなアートフェス。今回から豊橋地区も会場に加わったそうなので、念のため3日用意して臨みました、が。
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深夜バスは、さきしまライブという名の道路脇に6時半着。初ナナちゃん人形はマッパ。
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一番早い開場でも9時半ゆえモーニングをはしごして時間を潰しますで。
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名古屋駅から歩いて白川公園へ。科学館の世界最大プラネタリウムがAKIRA感ある。
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各会場をつらぬくジョアン・モデ《NET Project》。みんな紐を結びつけてつむがれます。
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近ごろ取材装備は変身ベルトばりのウエストバッグ。ダサくておっさんくさいRX。
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まずは名古屋市美術館。現代曼荼羅的なノミン・ボルド《Fire(火)》。
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大規模インスタレーションは賴志盛《Border_Lyon》くらい…。外に展示もなし。
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一抹の不安を抱きつつ、栄エリアに移動。たすけあい。
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前回《サン・チャイルド》がいた地下エントランスには、よくわからない置物が。
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気を取り直し愛知芸術文化センターへ。猿蟹合戦をスペースオペラ化した竹川宣彰。
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あれれ…これは駄展示、駄フェスの予感がしますぞ…。
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空間を目一杯使ったインスタレーションが少なく、小粒の作品がパラパラしている。
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唯一、心打たれたのは田附勝《東北》。いま東京でも展示しているみたいですね。
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上階の愛知県立美術館へ。ジェリー・グレッツィンガー《Jerry's Map》。SNS向きですね。
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心折れかけた心を救ってくれたのは三田村光土里《アート&ブレックファスト》。
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最初はできそこないの雑貨屋風展示かと思ったんですが、実は繊細で緻密なのでした。
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「麻薬のような男には気をつけるのよ…本当は人一倍気の小さいただの男の子なの」(!)
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あと、世間的に一番の見どころは大巻伸嗣《Echors-Infinity》でしょうか。曼荼羅。
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最上階には田島秀彦《6つの余地と交換可能な風景》で、ようやくらしくなってきた。
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かわいげでいて毒。
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そして繊細。ちょいと内藤礼《このことを》を思わせるインスタレーション。
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へとへとで長者町エリアへ。大巻伸嗣《Liminal Air》はヒルズ展示の方が良かったな。
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前回はがっかり展示だった長者町はいかに? メリヤス。
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今村文の蜜蝋画は、花曼荼羅のごとし。良かった、長者町にこの作品があって。
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後はお察し。信じられるかい、これ作品なんだぜ…。部室かっ。
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そして伏見駅地下街のスラム化はどんどん進んでいました。

ぐふっ(血を吐く音)…。だいぶ端折りましたが、1日目の名古屋地区はこんな感じでした。ベストは三田村光土里《アート&ブレックファスト》。一見すると子どもが並べたガラクタにしか見えないんですが、その実グラフィカルなレイアウトの緻密さと、そこに添えられる意味深なテキストが、何やら世の中の真理を小さな声でささやいてくれているような気がするのでした。

しかし、今回は予算が少ないんでしょうか、それともディレクターの違いなんでしょうか、とにかく規模が小さく、街全体・会場全体を包み込むような・包み込まれるような臨場感がありません。前回、圧倒的なインスタレーションが目白押しだった納屋橋会場もなし。インタビューを読むと、あえて日本ではあまり紹介されないアーティストを招聘したとのことですが、それにしてもバランスとか順序ってものがあるでしょう。祝祭だもの。

ぼくの期待が大きすぎたんでしょうか。確かに、よく考えると越後妻有や瀬戸内のように、徐々に常設展示が増えていく地方型アートフェスに比べ、会期ごとにクラッシュ&ビルドをくり返す都市型アートフェスは、クオリティが一定しにくいのかもしれません。都市型フェスほどSNSなどで前評判をしっかりチェックしていかないといかんなと反省した次第です。

で、後編の「東岡崎・豊橋編」もあるんですが、今のところ、東京や大阪からあえて遠出して観に行くほどでもないな、というのが正直な意見です。せっかく行ったんだからぼくだって褒めたい。

つづく

関連リンク
あいちトリエンナーレ2016