島根県・石見(いわみ)エリアのプレスツアー最終回です(1日目と2日目)。世界遺産の石見銀山がある大田市で、福光石の石切り場を見学し、大森集落で和装コスを楽しんだ我々は浜田市に移動し、すっぽんで精をつけたのち、伝統芸能「石見神楽」を鑑賞しに行ったのでした。写真はなんと60枚。
さあ、島根県の場所はどこだ? 言え!
2日目夜に滞在する浜田市(黄色)と、3日目に行動する益田市(緑)。
観光バスなのでルートは違いますが、2日目夜と3日目の行程。
旭温泉かくれの里ゆかりで天然すっぽん御膳
今宵の贄となるポン太郎。生け捕られたのち、源泉かけ流しの温泉で育てられたとか。南無。
鍋、唐揚げ、うどん、雑炊、アイス(?)とすっぽんの特別フルコース。
お値段は4000円/kgだそうです。そして無駄にギンギンになって臨むのは、そう…。
伝統芸能 石見神楽の特別公演
石見に伝わる伝統芸能「石見神楽」です。食後に三宮(さんくう)神社へGO。
日没後、神社から賑やかな灯りがもれていると、それだけでわくわくいたします。
石見に150社以上ある神楽団のうち、本日公演していただくのは西村社中。
学校でも部活として活動したり、優秀な生徒は神楽推薦なんて枠もあるんだそうよ。
●塵輪(じんりん)
そんな御託は抜きにして、始まりました! 本日の演目は「塵輪」「恵比須」「大蛇」。
金糸銀糸の豪華絢爛な衣裳と、ポップなお囃子でお届けするケレン味たっぷりの舞。
出たな塵輪(じんりん)! しゃくれた顎とパンクな髪型がゆき姐をほうふつとさせます。
神社の本殿にもかかわらず花火も使いまくり暴れまくり。
もういっちょの赤鬼も派手派手しく登場。
いよいよ第14代天皇タラシナカツヒコと塵輪の戦いが始まります。
なぜかマスクオフしてますが「おんどりゃー、死ねー!!」「ちょま、近いって!」的な一幕。
●恵比須(えびす)
ハラドキした後は一転、ほのぼのとした「恵比須」。
えべっさんがダンシングしながら、ユーモラスに鯛を釣り上げるつう趣向です。
オーディエンスに鯛を持たせ、客いじりするシーンも。
お礼に飴ちゃんがもらえます。
それにしてもこのお面、TRANSIT編集部の池尾さん(女性)に似てる。バイなら!
●大蛇(おろち)
大トリは、石見神楽屈指の人気演目「大蛇(おろち)」です。原作:ヤマタノオロチ。
すでに7人の娘を捧げて困り果てた老夫婦。なんとかしちゃおうと立ち上がったスサノオ。
狭い社殿を4匹もの大蛇がウネウネ。昔は1匹だったそうですが、今では8匹のケースも。
お客さんとのコール&レスポンスを忘れない石見神楽。大蛇も客席まで出てきちゃう。
スサノオが用意した毒酒をまんまと呑んじゃうオロチたち。
みごとグースカピー。てか死なないのかよ。
しめしめ、寝たな。
よし、斬ろう!
「おお、殺っちめえ!」(ミニくまちゃん)。こうして観客からの声援も神楽の花。
うわー、起きたー。
寝込みを襲ったのにピンチに陥るスサノオさん。
紆余曲折ありましたが、最後は善が勝つ! 娘はもらった!
切り落とされたオロチの生首とパチリんこ。衣裳は時に100万円超、20kgを超えるとか。
公演後、ちびっ子に人気の塵輪マスクを見せてもらいました。紙製だなんて信じられない。
最後にフォトセッション。プレッツェル状に緊縛されたスサノオ。いや、いいもん観た。
ダイジェスト動画もご覧あれ。10月は石見のそこかしこで公演されているので、ぜひ!
浜田市ふるさと体験村でどぶろく仕込み
翌朝、最終日。浜田市弥栄町は平成17年より全国初のどぶろく特区として認定。
平成19年全国どぶろくコンテスト最優秀賞の「弥盛(いやしろ)」を仕込みます。
仕込んだどぶろく2本は後日配送。これで5000円ですから、送料入れたら買うより安い。
おばあちゃんが切り盛りする「田吾作」で神楽めし
ランチは益田市の田吾作にて「神楽めし」とやらをいただきます。
外からはうかがい知れませんが、味と鮮度にこだわり抜く海鮮処。
おばあちゃんが切り盛りする店は、地元でも評判でこの日もランチは予約でいっぱい。
こちらが石見のご当地グルメ「神楽めし」。日本海の魚介がどっさりのって1650円!
この日はカワハギ、ヒラマサ、コシナガマグロ、アジ、イサキ、サワラなどなど。美味。
石州瓦でできた島根県芸術文化センター「グラントワ」
神楽めしで満腹死しそうな腹を抱えてやってきたのは、グラントワ。
日本の3大瓦のひとつ「石州瓦」を28万枚も使った音楽ホール&美術館です。
民家の赤瓦は石見を代表する風景ですが、館内すべてが赤瓦に染まってて狂気を感じる。
ただ、県下最大の文化施設にもかかわらず街中で浮かず風景に馴染んでいたりもします。
建築家は内藤廣。デザイン監修したのはスカイツリーでもお馴染みの澄川喜一。
1500人を収容する大ホールは、音楽コンサートがよく開催されているそうです。
音響効果を狙った壁など、建築デザインのお手本としても人気だとか。
個人的には1階と2階をつなぐ、行き止まりスペースが好きです。
もうひとつ、現代美術館も併設。こちらはエントランス前のライブラリ。まるで教会です。
島根にも草間彌生《黄かぼちゃ》が! できればパブリックアートとして外で観たい。
美術館好きでしたがノーマークで失礼しました。今度ゆっくり訪れたいです。
雪舟庭園の萬福寺
ラストに訪れるのは益田市にある2つの雪舟庭園のひとつ、萬福寺です。
怒濤の取材ツアーを振り返りながら、最後にコスモを感じつつ瞑想。
なかなか面白かったなー、石見。またプライベートでも来てみたい。
国指定重要文化財の本堂には幕長戦争時に受けた銃痕も。
というわけで、最後にまとめの感想やらインフォメーションやらリンク集やらをしたためたいのですが、いまいま時間がないのでおいおい追記いたします。チャオ!
つづき。
ともあれ、石見神楽ですよ! もともとぼくは京劇や布袋戯みたいなケバケバしい舞台が大好きなんですけど、石見神楽はエキゾチックで怪しくてめちゃくちゃそそられました。こういうところに一人で旅して、ふらふらと村のお祭りに誘われて、地元の人たちに紛れて観てみたい。そんな旅情をかき立てられます。
文中でも触れましたが、とりわけ10月は石見神楽のハイシーズンゆえ、石見エリア、特に浜田市のそこかしこで公演されているそうなのでチェックどうぞ。しかも夜通しやってるって言うんですから、まだまだ知らないジャパンがあるなーと思った次第です。
そして、グラントワというか、島根県立石見美術館。草間彌生のパブリックアートをコンプしたい方は外せない場所でしょう。なお、現在パナソニック汐留ミュージアムで同館所蔵のファッションコレクションを集めた「モードとインテリアの20世紀展」が公開中です(11月23日まで)。実は世界的なファッションデザイナー森英恵は、石見出身(島根県吉賀町)なんですってよ。
森英恵デザインの石見神楽の衣裳なんてのも面白いかも知れませんね。
というわけで駆け足でしたが、石見の魅力をギュギュっと凝縮したプレスツアー。何度も言いますけど、プライベートでも旅してみたい場所となりました。ほなまた。
関連リンク
・ご縁の国しまね - 島根には本物がある | 島根県公式プロモーションサイト
・島根県浜田市 石見之國伝統芸能 - 石見神楽〈いわみかぐら〉公式サイト
・弥栄ふるさと体験村〜体験して学んで身につける田舎ぐらし
・なつかしの国石見 - 田吾作
・石見の神楽めし
・島根県芸術文化センター「グラントワ」
・モードとインテリアの20世紀 ―ポワレからシャネル、サンローランまで― | 汐留ミュージアム | Panasonic
・万福寺|益田市観光協会 なつかしの国石見