茨城県北芸術祭2016の旅、2日目。この日は北茨城市から海岸線を下って、海エリアの作品群を一気にまわってしまいます。トップ写真は日立駅の連絡通路にこさえられたダニエル・ビュレンのカラフルな作品。奇遇にもあいちトリエンナーレの田島秀彦の作品と似ちゃってますね。
土地勘だいじ。青色が本日まわる海エリアです。上から北茨城市、高萩市、日立市。
北茨城市の六角堂からスタートして、最後は日立駅前に戻ってくるって寸法でさ。
予報では午前中雨でしたが、見事に晴れてくれました。太平洋!
一発目を六角堂にしたのは、8時半オープンと早いから。パスポート持参で割引。
お庭にはジャン・ワンのギラギラした彫刻。
六角堂は3.11の津波で流れちゃったみたいです。こちらは復元。
内部は直島家Pでおなじみ須田悦弘の繊細すぎるインスタレーション。嫌いじゃない。
それにしても、気持ちのよいロケーション。海の向こうはもういわき市よね。
続いて近くの天心記念五浦美術館。バス利用者も多いけど、クルマじゃないと無理。
六本木アートナイトでも見かけた羽ばたく豚。アヒルちゃんみたいなもんかな。
そしてKENPOKU ARTでも一、二を争う人気展示、チームラボ展へ。
茶碗の抹茶に花をマッピングしては散る、新作の《小さき無限に咲く花の、──》。
奥では高級スクリーンセーバーが一堂に会しています。《Nirvana》の動物かわいい。
《増殖する生命Ⅱ - Dark》。部屋に飾るならこれかなあ。
さらにVR空間で3D書道が楽しめる《空書》体験も。○△□を描いているところ。
死ぬまで見てられそうですが、移動。山側の旧富士ヶ丘小学校へ。オッス、あんちゃん。
批判をおそれずに申し上げますと、時間がなかったらパスしてもいいかな…。
ラジコンポートもパスして、高萩市の穂積家住宅にやってきました。
お庭には伊藤公象の《多軟面体》陶造形が、植物のようにヌメっています。
屋敷に居候するオランダ人が集めた妖怪グッズという設定のサンドリーヌ・ルケ。
しかし急がねばなりません。GSの屋根にのっかった大ポンタが可愛い。
高戸海岸(小浜)にはスッシリー・プイオックの彫刻が。でもここは…。
ロケーションが最高なんです。お弁当でも広げたかったなあ。
高戸海岸(前浜)にはカバコフ夫妻の空。後ろの消波ブロックが邪魔な気がする。
海岸線を下って日立市へ。小貝ヶ浜緑地の空舟ミュージアムは建物は良い。建物は。
さらに南下し、うのしまヴィラへ。ヤドカリの新居を3Dプリンタで作成。
素晴らしいのは実際にヤドカリが住んでること。AKI INOMATA《やどかりに──》。
いったん山側に入ります。日鉱記念館は休館日(月・祝)ゆえ、御岩神社へ。
シンプルながら美しい森山茜《森の蜃気楼》。この狛犬、ヅラかぶっとるみたい。
いよいよ佳境です。常陸多賀駅前商店街で衝撃の作品が。ぬいぐるみ柱の椅子!
藤浩志《ポリプラネットカンパニー》は、捨てられたおもちゃを素材に商品開発する会社。
無数のおもちゃパーツは、「吟醸」と呼ぶそうです。ガシャポンやハッピーセット多し。
子どもたちは見覚えのあるおもちゃに大興奮。奇遇やな、おっさんもやで。
作例1、ほぼミニーちゃんで作られた恐竜フィギュア。
こうしたキメラも多数。『トイストーリー』を思い出しますね。龍騎ェ…。
商品のパッケージを使った作品なんかもあります。
裏返しにしたぬいぐるみで作る「ウラグルミ」。うら…るみ、恨み!?
機械仕掛けのおもちゃの皮をひんむいた「スケルトン」。
なにやら視線を感じてふと見上げると…「ミニくまちゃん、一緒に遊ぼうよ」。ギャー。
おもちゃを素材として扱えるのは、それだけ思い入れがないってことでもある。できない。
KENPOKUでもかなり好きな作品なんですが、スピリチュアルペインもすごい。
ダメだ、ぬいぐるみの怨念に飲み込まれてしまう…。
脱出。日立シビックセンターの米谷健+ジュリアのウランガラスのシャンデリア。
外にはテア・マキパーのビオトープバスが。
乗客はモルモットさんや鳥さん。行き先はお山。
さらにプラネタリウムで映像作品を観て、屋上の夕焼け。
日立駅には美和中と同じ村上史明《風景幻灯機》。再生時間が長いので渋滞できまくり。
KENPOKUとは直接関係ありませんが、『72時間』で見た塙山キャバレーも視察よ。
火事で一部焼失したのが残念ですね。あと、レンタカーゆえ飲めなかったのも残念。
以上、濃密な1日でした。
再度訪問するとしたら、もう少し展示を絞って──六角堂→五浦美術館→穂積家住宅→高戸海岸→うのしまヴィラ→常陸多賀駅前商店街→日立シビックセンター→日立駅(海が見えるカフェに行きたかったけど貸切やった…)と巡るでしょう。御岩神社は、山エリアに向かう朝にでも立ち寄るのが空いているし気持ちも良いかと。
アート作品を観ないうちに「これは良展示か駄展示か」を見極めるのはナンセンスですが、それでも時間は有限ですからすべてをまわり切れるわけではありません。そこで、この旅で編み出したのは「Instagramの投稿を参考にする」というワザ。作品名や作家名、地名で検索すれば写真と一緒にだいたい感想も出てきますからね。
ともあれ、海エリアの必見はチームラボ「小さき無限に咲く花の、かそけき今を思うなりけり」展と高戸海岸(小浜)、AKI INOMATA《やどかりに「やど」をわたしてみる》、藤浩志《ポリプラネットカンパニー》、塙山キャバレーだと存じます。とりわけポリプラネットカンパニーには、いろんな意味でやられました…ぐったり。
最終日3日目は山エリア(1日目)の続きです。
つづく。
関連リンク
・KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭