茨城県北芸術祭2016の旅、3日目です。日立市から出発して、1日目にまわりきれなかった山エリアの残りを片づけるのです。すなわち常陸大宮市と大子町。ちなみにKENPOKU ARTのグラフィックが、ミニくまちゃんのダウンベストのカラーリングとかぶっています。真似したなー。
緑色が山エリア。左下が常陸大宮市で、左上が久慈郡大子町(だいご)です。
この日のルート。文末に山エリアを1日でまわりきるプランを載せますね。
日立市街から朝一で御岩神社へ。朝だと境内直前の駐車場が空いているのです。
森山茜《森の蜃気楼》は朝の光が映えますね。
順光、逆光で色が変わるマジョーラカラー。
小一時間走って、常陸大宮市の旧家和楽青少年の家へ。ワン・テユのふわふわドーム。
サドック・ベン=デイヴィッドの作品は仁和寺の法師的なインスタレーション。
あれれ、モノクロだった植物がどうして?
この会場は小粒ながら良作品が揃っていました。そして舞台は奥久慈へ。
一転こちらのサイバー空間は袋田の滝のジョン・ヘリョン。パスポート持参で割引。
絵になるし嫌いじゃないオブジェなんだけど、紅葉シーズンだしアクセスが大変。
袋田の滝は拝見したことがないので行ってみます。
シャワシャワタイプなんですね。
見ごろまではもうひといき!ってところでした。
続いて常陸大子駅前商店街へ。旅館とうなぎ屋がセットの味わい深い建築。ただ…。
メイン会場の麗潤館が火木お休みということで惨敗。会期中くらい開けてて…。
けっこう楽しみにしてたのにな…。失意を抱えて妹島和世《旧浅川温泉》へ。
実際に足湯が楽しめる作品。のどかな陽気とも相まってヘブンリー! 気持ちいいー!
このキラキラ感や椅子の造形は犬島の《中の谷東屋》をほうふつとさせますね。
落合陽一くんのサウンドエフェクトもあり、山エリアでは一番良かったかもしれない。
旅は佳境。『花子とアン』のロケにも使われたという旧上岡小学校へ。
わんわん。
いい具合の木造校舎です。さっさと過疎化したから残っているのねきっと。
ピウス・シギット・クンチョローの《嘘つきだった子ども、大子で真実に出会う》。
家出した少年が、大子町で妖怪や老人に出会うという物語。基本的に不穏でよい。
もの悲しいオリジナルの音楽も流れる旧図書室。
窓に落ちた植物のシルエットも作品の一部なんかいな(違)。
神社みたいな階段の渡り廊下をあがると、田中信太郎の墨汁インスタレーション。
人の動きにあわせ学校の音の記憶を奏でるComposit。シガー・ロスの幕前のように繊細。
最後に訪れたのは、旧初原小学校。DX茅の輪みたいなオブジェ。くぐると目がまわる。
こちらには、東京藝術大学の学生の作品が並びます。悪くはないんだけど、もう一声。
豚と山羊とロバがいた教室。
この後、東北道の栃木県矢板市に抜けて帰りましたとさ。
途中で屋島の源平合戦で手柄を立てた、那須与一のふるさとに寄ったりしてね。
ハイライトは、旧浅川温泉でしょう。山エリアでもっとも感動した作品でした。そして本当に晴れてて良かった。この作品は恒久的にオープンエア足湯として運営してくれると良いですね。次点は、旧上原小学校。麗潤館が休館だったのは、かえすがえす残念でした。
瀬戸内国際芸術祭なんかだと会期中はほとんどの施設がお休みなしで開場するんですけど、茨城県北芸術祭の場合は施設の営業日に準じるケースが多いので、特に平日や祝日に訪れる方は注意が必要です。
今回は3日間かけたわけですが、時間がない方は作品を端折れば2日間でもまわれなくもありません。ぼくが考えたルートは、以下の通り(海エリアは2日目の記事参照)。
鯨ヶ丘からスタートして、旧常陸太田市自然休養村管理センター→旧美和中学校→旧家和楽青少年の家→麗潤館→旧浅川温泉→旧上岡小学校でゴールです。竜神大吊橋や袋田の滝は観光地なので、近付くことが大変なうえ、頑張ってアクセスしても作品がゴニョゴニョなので(ぼくは好きですよ)、余裕があるならばどうぞってニュアンスです。上のルートなら1日で回りきれるでしょう。
今回は、何より天気が良かったこともあり、どの作品も気持ち良く楽しむことができました。他のアートフェス同様に当たりはずれもあるんですが、ロケーション良ければすべて良しということで、ドライブがてら出かけるくらいの軽い気持ちで臨めば腹も立たない(?)かと存じます。
あと気になったこととしては、ピンポイントで美術館に滞在するのでもなければ、絶対にクルマでまわった方がよいことでしょうか。その際、致命的なのが配布される地図が見にくいこと。エリアの広さに対して会場数がさほど多くないのにわざわざ番号を振っているのです。地図上に書け!もしくは罫線で引っ張れ!デザインしてくれ!
ついでに有料のガイドブックも見にくい。これは他の芸術祭にも通じることですが、作品完成前ということもあり、情報が少ないしタイトルすらわかりません。ただ、やたらグルメ情報や宿泊情報は充実しているので、そっち目当てで買うならよいでしょう。現地で散策しはじめると途端に出番がなくなるのが残念。あと、できたらKindleで出してほしい。
グルメと言えば今回は時間が足りず、ほとんどコンビニおにぎりで済ませてしまいました。実際は五浦美術館前や御岩神社で屋台が出ていたし、道の駅もそこかしこにあるので、そういうのを買い食いしても良かった気がします。
そんなところでしょうか。会期は11月20日までなので、残り10日。お早めにー。
おしまい。
関連リンク
・KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭