その年に買ったガジェットから忘れ得ぬ名消費を振り返る「散財 of the year」。後厄ならびに10周年を迎えた2016年も、例年同様あまり買い物の記憶がないんですが、それでも定例のアップル製品のアップデートとアウトドアギアを中心に相応の犠牲を払っております。さて、今年はいったい何が選ばれるのでしょうか? 相変わらず無駄に公平を期して、前年の12月から今年11月までに購入した商品の中から選出します(コピペ)。
これまでの散財 of the year
ノミネートの前に、これまでのSOTY(COTY=Car Of The Yearをパクった)の大賞を振り返ってみましょう。
2007年 ホンダGathersM(バイクナビ)、二輪車ETC
2008年 シチズン アイバートM(スマートウォッチの走り)
2009年 アップルiPhone3GS
2010年 ソニーα Eマウント NEX-5
2011年 SPOT Connect(衛星電話メッセンジャー)
2012年 アップルiPad mini Wi-Fi+Cellular版
2013年 Livescribe wifi スマートペン
2014年 JayBird BlueBuds X(ワイヤレス防滴イヤホン)
2015年 該当なし
年々小モノが増えていたグランプリでしたが、昨年はいよいよ「該当なし!」という残念な結果に終わりました。だって、わくわくしねえんだもの。で、今年はどうだったのか?
エントリーアイテム
【タブレット】アップル iPad Pro 9.7インチ
【スマートフォン】アップル iPhone7 Plus
【スマホレンズ】Moment レンズ(望遠と広角)
【ワイヤレスイヤホン】JayBird X2
【USBケーブル】Anker PowerLine+ USBケーブル
【電子書籍リーダー】Amazon Kindle Paperwhite
【デジタルカメラ】ソニー α7S
【レンズ】ソニー SEL1635Z
【レンズ】ソニー SEL24240
【ドローン】ZeroTech DOBBY
【電気ケトル】ラッセルホブス カフェケトル
【腕時計】カシオ プロトレック PRW-7000
【ゲーム】ポケモンGO Plus
【マッサージ機】パナソニック 骨盤おしりリフレ
【ガスストーブ】リンナイ ガスファンヒーター RC-M4002E
今回はアウトドア系のグッズやアパレルは外して、それらは後ほど「買って良かったもの」だけ詳述することにしました。
あらためて振り返ってみると、いわゆるガジェット系は昨年より買ってますね。しかもiPad Pro 9.7インチ、iPhone7 Plus、α7Sとそこそこ大物揃い。アメリカから輸入したiPhone用レンズといった変わり種もございます。カフェケトルやガスファンヒーターなど、地味にQOLを向上してくれたものもチラホラ。
栄えあるグランプリは?
そんな中でこれが一番かなー?と思われるのが、iPad Pro 9.7インチ(256GB・SIMフリー版)とApple Pencil、Smart Keyboardの組み合わせです。これまでのエントリでさんざん触れていますが、iPad Proのおかげでようやくデジタルメモソリューションの「Livescribe wifi スマートペン」から卒業することができました。もっともスマートペンが同じコンセプトのままモデルチェンジをして、サポート体制も維持されるのなら使い続けても良かったのですが、残念ながら最新型のスマートペンはiOS端末ありきの仕様だし、旧型のサポートも2016年9月で終了するし、ということでiPadのメモアプリ(Notability)に乗り換えることにしたのです。
ただ、完全にデジタルに移行したことで、iPadとApple Pencil、2つの端末のバッテリー管理を気にしなくてはいけなくなったほか、紙のメモ帳のように雑に扱えなくなったし、フットプリントがデカいのでカバンへの収まりが多少悪くなりました。とりわけiPad本体のバッテリーは、1件の取材で20〜30%は減るし、そもそもカタログ値で最大9時間しか電池がもたないので、うかうかしてると使えなくなるのが困りもの。
それでも、これまで紙に記入するデジタルメモでは不可能だった、ウェブサイトや写真、PDF、Officeファイルの取り込みや、それらへの書き込みができるようになったのは、何ものにも代え難いメリットでした。さらにSmart Keyboardがあれば簡単な原稿なら書けてしまうほか、起動もネット接続もクイックなので、昨年買ったMacBook 12インチの出番が悲しいくらいに減りました。
もちろんiPad Proに弱点がないわけではありません。例えばカメラで撮った写真をセレクトしてレタッチしWord原稿に貼り付けてメールで入稿するといった、フルサイズのOS上では簡単な作業でも、iOSでは手数がやたらと多く、アプリ間の行き来も煩雑で作業効率はガクンと落ちます。また、画面を二分割してマルチタスクできるようにはなったものの、画面が小さく解像度も低いので正直つらい。12.9インチはデカいし重いしとてもじゃないけど持ち歩けません。
結果、取材や軽い原稿執筆、校正ならiPad Pro。重めの原稿があるならMacBook。と状況に応じて選ぶ(かどっちも持っていく)しかありません。このへん何度も言いますけどアップル版のSurfaceをはよ作ってくれないかなと思う最大の理由です。
次点:しみじみ買って良かったモノ
準グランプリは、Suica対応と防水仕様、そしてデュアルレンズで一挙にアップデートされたiPhone7 Plusです。昨年暮れにわざわざアメリカから輸入した外付けレンズ「Moment」が早速無用の長物と化しましたが、iPhone7は広角側が28mm相当と24mmくらいを使い慣れている人間からすると狭めなので、実質18mm相当になるワイドレンズはまだまだ使いでがありそうです。「これは果たして装着できるのか?」と懸念されたiPhone7 Plus用のマウントアダプタも販売開始されましたし、そうそうiPad Pro 9.7インチでも使えたらそれも嬉しいので、いずれまたプレートだけでも輸入したいと考えています(そっちは未発売ですが)。
もうひとつの準グランプリはソニーのα7S。しかしフルサイズゆえ最短焦点距離が長くなってしまい、肝心のミニくまちゃん撮影に向かないとわかりけっこう心が折れました。が、最近SEL50M28という明るいマクロレンズを手に入れてからというもの高画質だわ軽快だわで、再び撮影が楽しくなっています。今後は基本この組み合わせで持ち歩き、場合によって超広角ズーム(SEL1635Z)や超望遠ズーム(SEL24240)を使い分けようと目論んでいます。ただ、SEL50M28は12月に買ったので、来年のSOTY扱いといたします。
その他だと読書習慣を取り戻せたKindle Paperwhite。これはWi-Fiで十分です。旅に持って行きたいんですが、短い旅行ならiPhoneやiPadで間に合うため、「長期の旅行で、電源がろくに取れない行き先」というレアな条件下でしか外に持ち出さないだろうと思います。
あとは小粒ながらもANKERのタフなUSBケーブル。今年は取材旅行が多かったのも関係してますが、かつて旅行用に選んでいた短めのケーブルだと、コンセントからデスクやベッドまで遠く離れているケースも多々あり思うように使えなかったりしたので、2m以上の長いものがベターだと悟りました。
無駄遣い of the year 2016は?
一方で「これいらんかったやろ」とおのれをディスりたくなるMOTYグランプリは、パナソニックの骨盤おしりリフレでしょうか。いや、気持ちいいは気持ちいいんですけど、「そもそも長時間労働しないのでそこまで疲れてないだろう」というのがオチです。でもたまーに登山や散歩で疲れたら使います。
他には、エントリーさせていませんがアメリカから輸入したBOMBER BARRELという小型のダッフルバッグ。日本のAmazonでも1万3800円で売っていますが、質感は明らかにチャチで2980円ていど。それでもサイズ感は悪くないので取材旅行で使っていたのですが、半年も経たないうちに止水ジッパー周辺がポロポロと剥がれてきたのでやはり品質に難アリのようです。ただ、これでダッフルバッグは便利だなと感じたので、最近はTHE NORTH FACEのBCダッフルを愛用しています(背負えるけど、斜めがけできないのが難点)。
あと今年はちょっと靴を買いすぎた感があります。一切履いていないスニーカーや、買ってすぐ人にあげたサンダルがぼちぼち。
おまけ:買って良かったアウトドアグッズ
おまけのアウトドア関連ですが、しみじみ買って良かったなと感じたのがノースフェイスのストライクジャケットでしょうか。次点でパタゴニアのバギーパンツとカリマーのベクターシャツ。いずれもこのエントリにまとめています。
他は前述したノースのBCダッフル XSでしょうか。あと同じタイプでひとまわり大きく、生地がミリタリーぽくてカッチョいい24アワー・エクスプローラー・ダッフルもお気に入りです。これは今セールで安くなっているので本当にオススメです。
あと、取材や登山にはウェストポーチが便利ですね。ただ、おなかが苦しいのと、どう見てもダサいのとで、いまだに抵抗があります。
そしてSOTY 2017へ
最後に来年の物欲を占ってみましょう。
そろそろ買い替えどきなMacBook Proは欲しくなる気がしますが、現行モデルの完成度がまだまだな上に、けっこうな散財となるので慎重です。サイズそのままで少しインチアップすると噂のiPad Proは内容次第。iPhone8もそう。
今年の暮れはランニングと登山に使えるかも、とApple Watch Series2への物欲と戦っていたのですが、やっぱりGPSと脈拍をトラッキングしながら18時間くらいは使えないと話にならないので、ギリギリのところで踏みとどまりました。
カメラ関連では、今使っているサイバーショットRX100M3もα7Sもどちらもオートフォーカスが弱いので、本体ごと刷新したくなりそうですが、そんなお金はないのでレンズを買い足すていどに終わりそうです。と言っても今欲しいレンズはSEL70200GMゆう30万円の望遠ズームなんですけどね。
家電関連で今のところ激しく欲しいものはナシ。強いて挙げればリモコンが効かなくなってきた液晶テレビでしょうか。だったらリモコン買えやって話ですが、なぜだかもう売ってないんですよね。
テレビ関連でいうと、長年PS4あたりの据え置き型ゲーム機を買うかどうか逡巡していますが、大作ゲームを遊ぶほどの気力がないのは見え見えなため、やはり敬遠しております。
こうして見ると物欲があんまりなさげ。ただ、今年は取材も含めて旅行に行きまくった1年でもありまして、おかげで「ミニくまちゃん展2」の予算を使い込んでしまったんですけども、こうして今後は「モノより経験」志向が強まっていくのではないかと思う次第です。
以上SOTY 2016の会場からお届けしました。
【追記】
無駄遣い of the year くりあげグランプリ
そういえば、とんでもない「無駄遣い of the year」を忘れていました。あまりに使えるシーンが少ないので存在自体を忘れていました。それが──
【ソーラーパネル】YOLK ソーラーペーパー
です。コンパクトで高出力な防水ソーラーパネルですね。高城剛『LIFE PACKING 2.1』でも紹介されていたし、アウトドアでも使えるかなと思い、酔っぱらった勢いでポチってしまったのですが、パネル同士を連結させるマグネット部がもろすぎて使いものになりませんでした。一応、連結パーツも付いてくるんですが、それも心許ない。きっとクレームが多かったのでしょう。年末にパネル同士を固く結びつける「ひも」が送られてきました。
ひもって!
とはいえオートリセット機能が付いているのは、iOS端末のダイレクト充電に便利ではあります(iPhoneやiPadは電源供給が弱くなると「このアクセサリは使えません」とダイアログが表示され、一度電源ケーブルを抜き差ししないと再充電できなくなる)。
あとこれは個人的なジンクスですが、ソーラーパネルを持って縦走に出かけると高確率で雨に降られるんですよね。1週間以内の山行なら大容量のモバイルバッテリーを複数個持って行った方が確実に充電できます。日常的に外にいるわけでもないし、電源がろくに取れない辺境に長期間旅するか、災害時くらいしか用途はなさそうです。
パネル3枚セットで2万円弱もしたので、けっこうな無駄遣いでした。もうちょっとラフに扱えるソーラーパネルなら5000円で買えますしね。肝心のiPhone充電もあいだにモバイルバッテリーを噛ませばいいし。これがMOTYの真打ちでした。