今年はお山に行けず、ベッドでの寝モバ体制も完成してしまったので、こりゃあ寝たきりGW確定。…だと思ったんですが、それはさすがにまずかろうと千葉県市原市南部の現代アートフェス「いちはらアート×ミックス2017」に行ってきました。
【参考画像】寝モバ体制。
朝5時起きでやってきました、海ほたる。
まだまだ時間があったので作戦を練りつつ長居。気持ちいいや。
お花のシーズンらしく、花壇からは蜂蜜の匂いがします。
それにしても海ほたるって船酔いしないフェリーみたいですね。2時間休憩して、出発。
月出エリア
それでもオープン30分前に着いちゃった月出工舎(旧月出小学校)。野良展示を鑑賞。
たぶん、ここと内田未来楽校がアクセスしにくい会場なんで、先にまわるべしよ。
いい道。
いい空。
おそらくプールはずいぶん前に使われなくなったはずなのに塩素の匂いがする。
ようやくオープン。高齢者ってこんな毎日なのかな。パスポートは2000円。
校舎内の見どころは岡博美《たゆたう》かしら。さて、移動。
養老渓谷エリア
一気に養老渓谷エリアに参りました。18年ぶりの養老渓谷。
アートハウスあそうばらの谷では鈴木ヒラク「道路」展が開催されています。
ほの暗い古民家でキラめく反射材。
このエリアに多い素掘りトンネルに着想を得たそうです。
地方の芸術祭らしい展示ではありましたが、なにぶん単発だし、遠いかなあ。
作品ではありませんが、サザエさんの家みたいでかわいい。
白鳥エリア
旧白鳥小学校では特筆すべきことがありません。ワークショップの館。
上総大久保駅はトイレが作品。うーむ、このエリアはパスしてもいいかも。
月崎エリア
一抹の不安を抱えながら、いちはらクオードの森に向かいます。
小沢淳志《地熱の扉》。鉄製品を再構築したスタチュー。
続いてトップ画像の月崎駅にやってきました。木村崇人《森ラジオ》。
ここは本当に気持ち良くて長居してしまいました。
たまに小湊鐵道のラッピング列車も通ります。
トロッコ列車も停車。バイバーイ。
そうそう、近隣にはおどろおどろしい手彫りトンネルも点在するそう。
里見・飯給(いたぶ)エリア
で、今回のメイン会場IAAES(旧里見小学校)です。越後妻有でおなじみのモグラ。
お腹が空いたので里山カレー(600円)をいただき。比較的良心的な味と価格。
世界土協会 WDAによる《Dirt Restaurant──土のレストラン──》。
各所から集まった土を味わいます。確かに香りが違う。
林信行さん絶賛の《美術室》豊福亮。確かにフォトジェニックでした。
これも良かった。レオニート・チシコフ《種田山頭火の月》ほか。ネオンがいい。
やっぱり廃校・廃墟で遊んでると現代アートフェスって感じがする。刷り込み。
佐藤史治+原口寛子《近視と遠視》。プロジェクタの排熱も現代アートあるある。
なにより驚いたのはアルチザンチョコレート33カフェのガーリーな内装。
先に結論を申し上げると、ここと月崎駅と市原湖畔美術館をまわれば十分でした。
飯給駅にある世界一広いトイレ。ただし女性用です。
さて、移動。なぜか消防署に仮面ライダーV3。
高滝エリア
思いのほか順調に、市原湖畔美術館に到着しました。時間たっぷり。
2013年夏にリニューアルオープンしたばかりの新しい美術館なんですね。
屋上に広がるアコンチ・スタジオ《Museum-Stairs/Roof of Needles & Pins》が楽しい。
建物の髪の毛のよう。
それにしても夏い。
めちゃくちゃ楽しみにしてたクワクボリョウタは《LOST》超えならず。
企画展はカールステン・ニコライ(アルヴァ・ノト)展。パスポートがあれば500円。
えんえんと見続けている人と、サラッと流す人との温度差が激しいミニマルな展示。
個人的には音響をもうちょい頑張ってほしかった。音楽家なんだし。
湖畔では、ワークショップ村《イチマル》もございます。
ここからの夕景が見事だそうですが、まだまだ時間があるので移動。
上総牛久・内田エリア
最後に来るつもりはなかった内田未来楽校でフィニッシュ。海ほたるで夕焼け鑑賞。
当初は到底1日ではまわりきれないかとお泊まりセット持参で臨みましたが、文中でも触れた通り、あくまで展示目的であれば「月崎駅」「IAAES」「市原湖畔美術館」の3カ所をまわれば十分だと感じました。もっとも、いたるところでワークショップが開催されている芸術祭でもあるので、地元の方と交流しながらじっくり里山の気分に浸るのであれば、到底1日では足りないことでしょう。
何もしなかったGWよりはいくぶんマシですが、地方の現代アートフェスとして純粋に評価するとなると、パッケージと運営がしっかりしているわりには、中身とスケールが足りていない印象でした。これはKENPOKUでも感じましたが、エリアの広さに対して作品数が少ないし、ありあまる土地を思う存分活かした作品がないのです。
このちぐはぐ感はどこから来るのかなと思って調べたら、芸術祭起ち上げに関わった北川フラムが途中でディレクターを辞退していたからなんですね。なるほど。
ここ数年、いろんな芸術祭を見てまわっていますが、やはり「大地の芸術祭」と「瀬戸内国際芸術祭」は頭ひとつ飛び抜けているというか、駄展示もたくさんあるんですけどトータルで「行って良かった」「またくり返し訪れたい」という気持ちが残るのは、やはり同氏のすごさなのだなと思います。それでいうと今年の本命は「北アルプス国際芸術祭」ですよ!
関連リンク
・いちはらアート×ミックス2017公式サイト
・北アルプス国際芸術祭 Japan Alps Art Festival Official site