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4月の終わりに新潟県とプレスマンユニオンの招待で、昨年末大火事に見舞われた新潟県糸魚川市(いといがわし)のプレスツアーに参加しました。糸魚川は昔からご縁がありまして、実は毎年1〜2度は訪れている地。逆に言えば、取材場所はすでに訪れたところも少なくないのですが(というかプランニングに一部噛んでたりして)、中でもそこそこの糸魚川通として、アートファンとして「こんなに素敵な場所があったなんて!」とおののいた美術館をまずはご案内いたしましょう。
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新潟県の一番西側が糸魚川市。北陸新幹線だと東京から2時間20分。車だと4時間半。



昨年末、火事の直後に訪れた際の街の様子です。

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その時に比べたら瓦礫の撤去が終わってすっきり。でも復興はこれからですね。

建築家・村野藤吾と木彫芸術家・澤田政廣の競演


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糸魚川駅から循環バスで4分or15分。徒歩でも25分ほどです。入場料は500円。
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同館の特徴はなんといっても、澤田政廣の仏像にあわせて各展示室を作ったという建築。
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巨匠・村野藤吾による最晩年の建物はシルクロード・敦煌の石窟寺がモチーフ。平山郁夫感。
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アプローチは法隆寺の回廊にも似て。全体的に角がなく壁はホリゾント処理されてます。
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縦写真が続いて恐縮ですが、最初の展示室には金剛王菩薩。照明はほぼ自然光です。
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館内に順路表示はなく、自然と次の展示が目に入るニクい演出。子どもを抱く天使・天彦。
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お隣には、横から眺めるとペラペラの魚藍観音。ジャンプ全員プレゼントのキン消しや。
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ちょっとHOTEI感のある曼珠沙華。誰か似ている人を探すのも仏像鑑賞の楽しみ方です。
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続いては光明佛身。ほぼ1作品ごとに1部屋があてがわれている贅沢な空間です。
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いやー、糸魚川にこんな素敵な美術館があったなんて知らなかった。
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そうそう、館内は撮影禁止ですのでご了承ください。
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荒々しいフィニッシュの弥勒菩薩。
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やがてラスボスかのごとく最奥部に控えるのが聖観音です。
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ご覧のように巨大。
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あらためて外観を眺めると、建築が各展示室の集合体であることがわかります。
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うーむ、いいものを観た。
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敷地内では造園家・中根金作による日本庭園・玉翠園がご覧になれます。
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一般道を挟んで、向かいの山を借景にしてるのも特徴ですよ。

恒久展示の作品と建築、展示室が渾然一体となった美術館でぼくが思い浮かべるのは、地中美術館や豊島美術館、犬島精錬所美術館をはじめとする瀬戸内の現代アートミュージアムの数々ですが、これらはモネの部屋を除くと、作品と建築が同時進行で生まれたことを考慮すると、純粋に作品にあわせて空間を作り上げるという前衛的(ぼくが美術の歴史に詳しくないだけで、当たり前の手法なのかもしれませんが)な美術館が、北陸の片隅で1983年に生まれていたことが何よりもの驚きでした。

近年はしばらく閉館していたようですが、北陸新幹線も開業したことですし、現在のアートツーリズムブームを鑑みると、糸魚川市にとって貴重な観光資源ですよこれは。と言いますか、金沢21世紀美術館の帰りでも、北アルプス国際芸術祭のついで(クルマで1時間半です)でもいいので、美術ファンなら一度は訪れたい美術館だと思います。ぼくも糸魚川に行くたび訪れたいもの。

いやー、びっくりした。ブックラこいた。

関連リンク
翡翠園、玉翠園・谷村美術館 – 建築家 村野藤吾・木彫芸術家 澤田政廣・造園家 中根金作 3人の巨匠の技がここに結集。