昨年秋にプレスツアーで訪れた島根県にまたもやお呼ばれしてきました。まずは、7月2日で世界文化遺産登録10周年を迎える島根県の石見銀山に向かいます。その後、温泉津温泉(ゆのつおんせん)に浸かり、石見神楽を鑑賞するって算段です。
映画『たたら侍』のロケ地も〜石見銀山・大森地区の町歩き
前回は和装で大森地区をぶらり散策しただけで、坑道は見学してません。
今回はベテランガイドの安立聖さんの引率で、大森の町並みと龍源寺間歩を歩きます。
この子は大田市のゆるキャラ「らとちゃん」ですが、いわれは全然ゆるくないので後述。
最初にやってきたのは城上神社。1577年に毛利氏が遷座したものだそうです。
境内では、いわくつきの映画『たたら侍』が撮影されたとか。このへん。
女子好きしそうなハート印のほこらもあります。ま、猪目ですがね。
拝殿の中央で柏手を打つとビンビン響く「鳴き竜」の天井。
しかし9年ほど前に個人旅行で訪れたはずなのに中村ブレイスくらいしか覚えていない。
石見銀山の町だけあって、銀細工屋さんもあります。丁銀が欲しくなるね。
ちらっと覗かせてもらった、これまた世界遺産の熊谷家住宅。
いい塩梅の古い町並みがえんえんと続きます。
ちょいと脇道に逸れて西性寺。
左官屋さんがこしらえた見事な鏝絵(こてえ)が見どころだそうです。
古い床屋も往時をしのばせます。
安立さんが絶対に来ないとダメと推すのが高台の観世音寺。石州瓦の町並みが見渡せます。
天気が良ければ銀山方面も見渡せます。この辺一帯すべてが世界遺産なのれす。
世界遺産になるずーっと前から昔ながらの風情を守っていた石見銀山・大森地区。今でも景観を損なわないよう、石州瓦の犬小屋、木目と一体化したインターホン、電気配線を隠す竹筒、間歩直前でも市販価格の自販機(儲けに走らない)など住民が工夫しているのだとか#石見銀山 #世界遺産 #島根 pic.twitter.com/SWuixAf5c8
— ミニくまちゃん|熊山准 (@kumaya) 2017年6月21日
住民がこぞって景観保全に尽力しているのがうかがえます。
お馴染み銘菓「げたのは」を購入。大きくて香ばしいたまごボーロみたいなお味。
ランチは大森市街と龍源寺間歩との中間にあるcafe住留(ジュール)にて。
ハヤシライスが有名だそうですが、今回は地元のものを使ったスペシャルメニュー。
ジュースも付いて3000円ですが、ランチだと思うとお高いですわね。要予約。
絶対にガイド付きで訪れたい坑道見学〜石見銀山・龍源寺間歩
相変わらず小雨ですが、間歩に向かってぐいぐい歩きます。ここ、覚えてるかも。
恵比須さんや大黒天をあしらった、この地方独特の飾り瓦が面白い。
ようやく銀山坑道=間歩(まぶ)に近づいてきた。いたるところに入り口があります。
この解説板の大きさは穴を掘るノルマを表しているとか。24時間5交代制でわずか30cm!
しかし龍源寺間歩までやって来ても記憶があいまい。入場。ザッザッザ…。
タガネの痕が生々しいな。現在の広さは明治時代のもので江戸時代はもっと狭かったそう。
銀脈に対して垂直に坑道を掘って、見つけたら横に横にとホリ・ススム。
完全分業制の銀山。掘るだけ、水抜くだけ、空気送るだけ、運ぶだけの人たち。
おちんぎんは多かったそうですが、螺灯のせいで坑夫は30歳まで生きたらラッキーだとか。
サザエの殻に油を入れた照明・螺灯(らとう)。これが坑夫の死因なんですが…らとちゃん?
そんな石見銀を求めて、世界を巻き込んだ歴史がくり広げられるのですが長いので割&愛。
とにかく間歩見学はガイドがいなければただの穴。わずか500円なので絶対にお願いすべし。
温泉津温泉で石見神楽鑑賞
今宵のお宿がある温泉津温泉郷にやってきました。重複ではなく「ゆのつおんせん」と読む。
道幅が狭くて大型バスでは入ってこれません。実はここも世界遺産の一部なのです。
ほいでは輝雲荘にチェックのイン!
島根県大田市・温泉津温泉「輝雲荘」銀花 #世界遺産 #温泉 #温泉津温泉 #島根県 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
お通しいただいたのは銀花。三脚がないのでポットで撮影。
とにかくお湯がいいことで知られる温泉津。ちょっと熱めで重たい感じ。
輝雲荘の前には、日本温泉協会からオール5の評価を受けた薬師の湯もございます。
汚いおっさんばかりで恐縮ですが、湯の花が固まった雰囲気ありすぎる湯船。湯も良い。
建物じたいも大正初期のもので、過剰に風情がございます。
そんなわけで輝雲荘でお食事。島根県観光振興課の方に頑張ってもらいました。
和牛陶板焼き。お隣の焼き鯛は輝雲荘の名物料理だそうです。
刺身は、旬のイサキを。
ハモの天ぷらと、冬瓜重ね蒸し。
うまい!うまいが酒をグビグビ飲んでいるわけにはいかない。なぜならば…。
石見神楽の特別公演を取材せねばならぬから。ちょっと寂しいけど温泉街の夜も楽しい。
今宵は龍御前神社にて温泉津舞子連中が演じてくれまする。
これで二度目となる石見神楽。やっぱり天井には紙テープがぶら下がってるらしい。
お、ちびっ子もいるぞ。
今宵の演目は定番『恵比須』と『大蛇(おろち)』の2つ。早速恵比須キター!
他人とは思えないおももち。
飴ちゃんをバラまいてくれます。もっとくれー。
ニコニコしているけど鯛を釣る時だけ能力者の顔になる(ように見える)。
ま、こんなもんでさいなら!
続いてヤマタノオロチ伝説をベースにした『大蛇』。スサノオの登場です。
毒酒をついで大蛇を待つ。
大蛇がやってきたー!
ミニくまちゃんも襲われる。
今回も4匹登場しましたが、8匹出すチームもあるそうです。
ごっくん。でも毒くらいじゃ死なない。
しめしめ寝たな。よし斬ろう!
あー、起きた〜!って前回とまったく同じキャプション書いてる気がするな。
ともあれ、やっちまいました。めでたしめでたし。
ありがとうね、楽しかったよ。
前回の分ですが、動画だと雰囲気がよくわかるのでご覧くだせい。
実は今回出演いただいた小林泰三さんは、若き神楽面師でもあります。
ぼく、神楽に限らずお面好きなんですよね。仮面ライダーとか、スーパー戦隊とか。
これは塗装前の塵輪でしょうか。顎の立体感がすごいを通り越していやらしい。
なお、内側は柿渋でコーティングしてあるので、う○こみたいな匂いがします。
工房も拝見。手間暇かかっているのでひとつ数万円はしちゃうそうです。
それでも神楽面だけでは生計が立たないのでこうしたレリーフ調の作品も制作中だとか。
個人的にはこの技術で夜店のお面を作って欲しいところです。
そんなこんなで、まるっと世界遺産の1日目でした。ともあれこの石見銀山エリアはガイドがいないと面白さ半減どころか、面白みを感じることなくスルーしてしまうなと痛感しました。だって、9年前に来たはずなのに記憶がほとんどなかったもの! 現在は500円でガイドさんをお願いできるみたいですが、龍源寺間歩に限っては多少入場料をあげても、入場者全員にガイドが付くシステムにしてもいいんじゃないかと思ったほどです。
石見神楽の面白さは言うに及ばず、温泉津温泉の泉質の良さにも感動(なんとなく年初に訪れた道南のあわび山荘をほうふつとさせる)。実はこの日だけで2万5000歩(!)も歩かされていたので、疲れた体にお湯が沁みました。いや、プレスツアーは太りがちなので良い運動になっていいんですけど、大森集落をそぞろ歩いてそのまま間歩見学まで組み込むとえらい移動距離になるのでご注意ください。
この後、出雲と奥出雲を巡ります。
つづく。
関連リンク
・ご縁の国しまね - 島根には本物がある | 島根県公式プロモーションサイト
・石見銀山世界遺産センター(島根県大田市大森町) / Iwami Ginzan World Heritage Center(Shimane Pref, Japan)
・Café住留 | なつかしの国石見
・龍源寺間歩 - しまね観光ナビ
・輝雲荘
・温泉津町観光協会/温泉津温泉
・薬師湯 温泉津温泉 〜 石見銀山 世界遺産の温泉 〜
・島根県浜田市 石見之國伝統芸能 - 石見神楽〈いわみかぐら〉公式サイト
・株式会社 小林工房|島根県大田市温泉津町