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もはや1年以上前(2016年5月)の話になりますが、NPO法人しれとこラ・ウシの招待で、世界自然遺産の立入禁止区域に上陸し、漂着ごみの清掃活動をおこなう「知床岬クリーン作戦」に参加してきました。実は今年2017年の実施はすでに6月で終了しちまっているんですけど、来年の更新機会をうかがっていたら、またもや不義理を果たしそうなので今のうちにエントリする次第。

ご覧の通り車ではアクセスできない知床岬。許可を得て、羅臼港から船で行きます。
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朝7時、天候と潮の流れを見て催行決定だよ。
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保護区に外来種をもちこまないようしっかり消毒。
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いざ、でっぱつ!
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相泊沖でナガスクジラがお出迎え。普段この船はホエールウォッチに使われています。
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しかし今日は知床岬上陸とビーチクリーンが目的なのよね。
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岬までの沿岸部には時おり「番屋」と呼ばれる漁師の基地が点在しています。
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潮の流れが悪いと船が港にアプローチできないので、近くに行くまで気が抜けない。
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荒波のなか船が激しく揺さぶられつつも、文吉湾に着岸せいこー。
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一般人は上陸禁止な! で、普通にヒグマがおるみたい…。
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湾には漁業権のある漁師や、工事関係者らの拠点があるのみよ。売店はありませーん。
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で、港から少し歩いただけでコレモンのゴミ。
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ふと進行方向に目を向けると、いきなり野性のキツネ。
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近くにはフレッシュなヒグマの糞。マジか。
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そんな彼らのテリトリーへ分け入って参ります。
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ひとまず丘を越えて。
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隣の湾を見下ろせば、やはりここにもゴミ、ゴミ、ゴミ。
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冷蔵庫まで流れてきてらあ。
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高台のへりを歩いて、海岸線へ下りられる場所を探します。
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ようやく下りられた場所も世界中から流れ着いた漂着ゴミの山。世界自然遺産だぜ?
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鳥の糞で真っ白になった岩。
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環境省の指導で、基本的に海岸線を歩かないといけないため、波打ち際を進みます。
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長靴を履いてますがなかなかにゲット・ワイルド&タフ。
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こんな日本の最果てに転がっているお友達。寒くないかい?
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だんだん天気も崩れてきて、もうこれ以上海岸線は進めなさそうです。
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仕方なく岩をよじ登り…。
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再び高台へとエスケープします。
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ずんずん進んで。ようやくたどり着いたのは──
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数年前まで当作戦の係留ポイントとして使っていたアブラコ湾です。今は使用不能。
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まだもうちょい歩きます。
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羅臼の町でときおり見られるオジロワシのような岩。
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夫婦岩で休憩。港を経ってすでに2時間半。
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主催者のおじさんいわく「昔、番屋があったとこな」。
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まだまだ続く知床岬。
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おじさんは赤岩まで案内したかったみたいですがタイムアップ。
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遙か彼方には番屋が見えます。このへんはコンブ場みたいですね。
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灯台もございます。まさしく最果ての地。
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というわけで、こちらで漂着ゴミを広い集めます。
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本日のざっくり行程。こうして見ると赤岩まで半分も来てません。
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急激に天候が崩れてきたのであわてて帰ります。
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ものすごい風。
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草原に浮かぶけもの道。
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いっぱい取れましたね。
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潮の流れが変わると出港も難しくなるのですたこらさっさ。
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14時。ようやくお弁当でひと息つけましたが、船はものすごい揺れてます。
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帰りはシャチくんがお見送り。ワイルドライフ知床。
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この日、回収できたゴミはなんと102kgでした。でも、漂着ゴミのほんの一部です。
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しかしどうやったら海洋ゴミの問題は解決するんでしょうかねえ…(遠い目)。

ビーチクリーンを口実に保護区域に上陸できる!と飛びついた「知床岬クリーン作戦」でしたが、実際の現場を目の当たりにしてゴミ拾い活動をおこなうことで、世界遺産のゴミ問題や、海洋ゴミ問題全般を考えるきっかけになりました。もっともぼく自身、海のある地域で生まれ育ったのでビーチコーミングで遊びながらその問題は把握していたつもりです。それゆえ元を絶たない限り清掃しても清掃してもゴミはなくならないこともわかっていまして、個人的な考えを申し上げると、おそらくモラルやルールで解決できるレベルの問題ではなく、テクノロジーでどうにかしちゃわないと無理なんだろうなと思っています。だったら、こんな活動は無意味じゃない?と悲観することもできるんですが、多くの方が依然として海洋ゴミの問題の認識すらできていないと思いますので、こうした活動を通じて意識が高まっていけばいいのかなと思います。たとえ不埒な物見遊山だとしてもね。

そして来年2018年以降もまた、この活動が続いていくことを願っております。はい。

関連リンク
NPO法人しれとこラ・ウシ 公式ホームページ