めっちゃカワイイ!ティファニーブルーみたい、てことでかつては自動車雑誌で編集者をやっていたのに、人生でようやく2台めとなるクルマを買いました。それはやっぱり軽自動車で、やっぱりスズキで、やっぱり沖縄で。やや進歩したところがあるとすれば、生まれて初めての4人乗りののりものという点です。
購入したのはスズキ アルト L フレンチミントパールメタリック。ロングセラーモデルなのでかろうじて現行車です。
沖縄では那覇の中心部でもない限り、クルマがないと生活ができません。この夏部屋を借りてからというもの都度レンタカーを利用していましたが、お値段はそこまで張らないものの、いちいち予約したり変更したりキャンセルしたりするのが手間でした(今だって11月分のレンタカーをキャンセルしなきゃいけないことを思い出した。あっぶねー)。また、今はコロナ禍で空きが多くても、今後繁忙期に予約が取りづらくなったり、利用料金が値上がりしたりするかもわかりません。
あと、地味に面倒くさかったのが初日と最終日はかならず車内をすっからかんにしないといけないこと。自家用車ならロッカーがわりに使えるのになー。
てことで沖縄でのアシとして中古車を探しました。条件は、とにかく安くて、小さくて、燃費がいいやつ。日差しが強いうえに塩害もあるためすぐクルマがボロボロになる沖縄。ゆえに、ジムニーとかベンツとか、自分が欲しいクルマに乗りたいという欲がわき起こりません。乗りつぶしてもいいくらいの気軽さ=安さが優先。
くわえて沖縄のすじぐわぁー(路地)はめっちゃ狭く、駐車場も軽専用スペースが少なくないため、小回りが効いてコンパクトであることが必須です。それでいて燃費が良ければサイコー。
おのずと選択肢は限られてきます。と言いますか、安くて(不人気で)、小さくて(軽自動車で)、燃費が良いやつ(ハイトワゴンやトールボーイは車重があって燃費が悪い)といったら軽セダンのアルトかミラしかないではありませんか。さいわい現行アルトのデザインはフィアットみたいで大好き。
「じゃあ、どれにすっかなー」と探して出会ってしまったのが件のフレンチミントだったのでした。
軽セダンは不人気車と言いましたが、国産車最安値のアルトは沖縄でそこそこ走っておりまして、ホワイトやレッドといった定番色では駐車場での見分けがつきにくい。この鮮やかな水色ならば目立ちますし、おもちゃっぽいチープさがカワイイし、浅葱色が新選組のハカマというか沖縄の海の色みたいに美しい。なのに(中古車屋によると)ホワイトやブラックに比べれば不人気色らしく、比較的高年式の2017年式で、2.7万kmと低走行距離にしては39万円(諸費用別)と相場より安い。
もっとも安いぶん、装備は最低限です。ワイヤレスキーこそ付いているものの、自動ブレーキやACCといった先進安全機能はもちろん、プッシュスタート、電動ドアミラー、リアワイパーすら付いていません。いいんですけど、バックカメラ&モニターくらいは欲しかった。
前オーナー(熊本県の方でした)が付けたETCとドラレコ、ポータブルナビが付いていたのはよかった点。もっともナビは邪魔なので、ホイールキャップともども即座に外しました。本当はフロントのスズキエンブレムも外したかったんですが、ビス穴と逆エンボス痕が残るので諦めました。でもね、現行アルトってSマークがない方が絶対かわいいと思うんですよ。
ともあれ、コストダウンのため無駄を削ぎ落としたミニマルなデザインと装備が、いさぎよくて美しい。かつて無印良品が2代目マーチの3ドアをMUJI CARとして販売していたことがありますが、2021年にMUJI CARがあるとしたらアルトベースなのではないか。もしくはミラコット。
そうそう、燃費も素晴らしい。当時のカタログ燃費で37km/lですよ。実燃費も24km/l以上と原油高のご時世にはありがてえ。
というわけで実車を見るなり即決し、10日ほどで納車されたわけですが、おおむね満足です。車重650kgの軽さなのかエネチャージのおかげなのか、これまで格安レンタカーで借りてきたボロボロのekワゴンや先代アルトバンに比べても、エアコンを作動させてもアクセルべた踏みする必要がなく、そこそこキビキビ走ってくれます。
軽セダンながらシートポジションはアップライトでシート高も調整できず、足回りは比較的ふわふわしているので、よく言えばフランス車みたいな乗り心地と言えなくもありませんが、三半規管が弱い人を乗せたら酔うかもなーといった印象。また、天井が低く、バックミラーを見上げずとも視界に入ってくるあたり、見渡しはよろしくないかも。
そうこうするうち新型が発表されましたけど、どう考えてもHA36Sの方が、かわ!だからいいのです。沖縄に遊びにこられた際はこちらでお迎えにあがります(でっかいスーツケースは勘弁な)。